熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

商業雑感~今に生きるおばさんたちの行商

2009年12月16日 | 経営・ビジネス
   京成電鉄の臼井駅を8時14分に発つ上野行き普通列車の最後尾は、行商専用列車となっている。
   駅には、荷揚げ台となる特性の大きなベンチなどもあって、8時前から、おばさんたちが、大きな籠や段ボール箱に青果野菜を詰めた荷物を持って集まり、ホームに積み上げている。
   60代の後半からそれ以上と思える老婦人たちの集団で、思い思いに重たい大きな荷物を、やや屈み腰で持ち上げて車両に乗り込むのだが、慣れている所為とは言え、大変な仕事である。
   この臼井駅は、長島茂雄監督の実家から数百メートルの所に位置するので、若い頃の監督も、おばさん専用の特別指定席のある行商列車を見ていただろうと思う。

   何処まで行くのか聞いてみたら、一人の老婦人が、千住大橋だと答えてくれた。
   それ以上聞くことに気が引けたので、これからは私の推測話であるが、京成線の青砥から日暮里くらいにかけての、まだ古い東京の雰囲気の残る下町に、昔からお馴染みの得意先の住宅があって、野菜の行商に回っているのだと思う。
   老婦人たちは、専業の行商の人もいるかも知れないが、佐倉在住の農家の人たちが、自分たちで栽培したり、他の農家などで作った野菜などを集めて、行商に出ているような気がしている。
   最近、野菜の値段が高くなったと言っても、高島屋に並んでいるメロンやマンゴーではないので、いくら沢山荷物を持っても、数万円、いや、恐らく、万を超えるとは思えないので、専業ならペイする筈がないのである。

   IT革命の時代となって、世の中も、商業のビジネス・モデルも様変わりとなり、コンビニが宅配する時代であるし、スーパーや安売り店との競争などで勝ち目があるとは思えないのに、何故、行商が成り立っているのか不思議に思えてならない。
   生産者がはっきり分かるトレイサビリティの確保された新鮮で旬の野菜が、労せずして、自宅にいながら調達できると言うことは、消費者にとっては、大変なメリットであり、更に、いつも通ってくるおばさんが、顧客のニーズを察知し適当に見繕って野菜を持って来てくれる、痒いところに手が届くサービスをしてくれるのなら申し分はないであろう。
   このおばさんたちの行商には、昔ながらのヒューマンタッチの、商売本来の最も大切なスピリットが息づいているのである。

   一寸、これとは違った大企業の商売で疑問に思った点を記してみたい。
   (1)近くのイトーヨーカドーが閉店したので、使わなくなったIYカードをキャンセルしようと思って電話を架けたら、最初から最後まで音声電話で、それに従って電話のボタンをプッシュするだけで終わってしまった。
   手続きが完了したのかどうか、ハサミでカードを切って廃却しろと聞こえたので、終わったのであろう。
   ヒューマン・タッチのサービスあってこそのスーパーが、ITを業務合理化に使って客との縁切りをする無味乾燥の味気なさ。ビューカードを二つ持っていたので、一つキャンセルした時には、電話の向こうで、女性担当者が、丁寧に応対して処理してくれた。
   (2)もう一つ、IT関連だが、お歳暮で商品を送ろうと思ったら、代行であろうか、松坂屋のネット・ページに接続されたので注文を入れた。
   ネットだから早い筈だが、1週間経っても音沙汰ないので、ネットページで発送状況を調べたら、まだ未発送の表示。電話したら、2日前に送って昨日ついているはずだと言う。
   ネット表示と違うと指摘したら表示遅れだと言う。
   この体たらく。ネットを何の為に使っているのか、黒猫ヤマトを見習えと言いたいし、ロジスティックと言うか配送の遅さ拙さも際立っている。
   (3)これもスーパーの話。不足したのでやむを得ず、ジャスコで、グリーティング・カードを探したのだが、殆どが、クリスマス・カードで、Merry Christmasと書いたのばかりで、Seasons GreetingsかHoliday Greetingsのカードを見つけるのに苦労をした。
   八百万の神を崇め、年始には、宗旨などお構いなしに神社仏閣を梯子する日本人であるから、宗教に無神経であるのは仕方がないが、欧米人は、全てキリスト教徒で、メリークリスマスと書いたカードを送るべしと言う錯覚。普通、相手の宗教を聞くのも失礼だしその機会も少なく、ユダヤ教など異教徒が結構多いのである。
   私は、欧米人に対しても、総てSeasons Greetingsカードで通している。それに、彼らからも、メリークリスマスと表示したカードなど受け取った記憶もない。
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