熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

NHK:バイエルン国立歌劇場 喜歌劇「こうもり」

2024年04月18日 | クラシック音楽・オペラ
   NHK BS4Kで、バイエルン国立歌劇場 喜歌劇「こうもり」(ヨハン・シュトラウス作曲)。歌劇場管弦楽団創設500年を記念した豪華な公演。を鑑賞した。

   演出:バリー・コスキー 出演:ゲオルク・ニグル(アイゼンシュタイン)、ディアナ・ダムラウ(ロザリンデ)、アンドリュー・ワッツ(オルロフスキー公)、ショーン・パニカー(アルフレート) 、マルクス・ブリュック(ファルケ) 、ケヴィン・コナーズ(ブリット) 、カタリーナ・コンラーディ(アデーレ) 、ミリアム・ノイマイヤー(イーダ) 、バイエルン国立歌劇場合唱団 、合唱指揮:クリストフ・ハイル 、バイエルン国立歌劇場管弦楽団 、 指揮:ウラディーミル・ユロフスキ、
   とにかく、全編、華やかなワルツに彩られたヨハン・シュトラウス節に紡がれたウィーンを舞台にした楽しい喜歌劇で、第二幕のオルロフスキー公爵邸での豪華絢爛たる舞踏会の様子など特筆ものである。

   「こうもり」を、最近レビューしたのは、2021年末のウィーン国立歌劇場のライブ配信の舞台だが、私が最初に観たのも、1974年のヨーロッパ旅行の時に、大晦日の夜にここで観た舞台。
   元旦のニューイヤーコンサートの前日で、観客も全員正装していて、豪華な宮殿のような劇場が、王朝時代のような華やかさで匂い立つ。
   「こうもり」の舞台は、比較的少なくて、ロンドンに居た時に、ロイヤルオペラで2回、2008年8月に、小澤征爾の「こうもり」、2015年5月に、ウィーン・フォルクス・オーパーの来日公演、
   他には、新日本フィルのコンサート形式の演奏などだが、各舞台ともワクワクしながら愉しませて貰った。

   さて、この喜歌劇がなぜ「こうもり」なのか、
   3年前ファルケとアイゼンシュタインが仮面舞踏会に出かけた帰りに、アイゼンシュタインが、酔いつぶれたファルケを公園に放置して帰ってしまったので、朝方目を覚ましてこうもりの変装のままだったので散々嘲笑されて恥をかかされたので、こうもり博士と言われ続けたファルケの仕返し。
   ファルケは、ロシアのオルロフスキー公爵邸で開かれた大舞踏会を、どんでん返しの喜歌劇に画策。極めつきは、仮面を付けて現われたハンガリーの貴族の淑女に、アイゼンシュタインがゾッコン惚れ込んで口説き落としたつもりが、実は、妻のロザリンデであったという話。
   侮辱罪で収監される直前にパーティにトンズラしたアイゼンシュタイン家に、ロザリンデに思いを寄せているアルフレートが忍び込んできて、口説いているところに刑務所長のブリットが現われて、アイゼンシュタインだと勘違いして逮捕。第3幕の刑務所の場で、二人がかち合わせて、大混乱。夫妻の不実が分かり仲直りで大団円。
   
   ダムラウのハンガリアン「チャルダッシュ」のコケティッシュな魅力や、カウンターテナーのワッツのロシア公爵の艶やかさ、ニグルの軽妙洒脱な演技や達者なステップの確かさ、狂言回し師としての策士然としたブリュック、小間使いながら女優を目指すコンラーディの絶好調の歌唱、それに、
   とにかく、コナーズの型破りの女性趣味の刑務所長や牢番のタップダンスなどが、これまでの刑務所の雰囲気をがらりと変える演出で面白い。

   オーストリーやドイツの歌劇場では、大晦日に、この「こうもり」を上演して古い年を、笑い飛ばして送り、新年を迎えるという。
   何となく、年末年始を、ヨハン・シュトラウスのワルツで送り迎えする気持ちが分かって興味深い。
   
   
   
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