熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

歳には勝てない:駐車場から車が消えてゆく

2023年12月18日 | 生活随想・趣味
   住宅街の一番奥に自宅があるので、散歩や用事で出かけるときには、住宅街を通る。
   最近気になったのは、知人宅の駐車場から、1軒2軒と、車が消えてなくなっていることである。
   私のように、傘寿を超えた老年層の自宅で、聞いてはいないが、歳のために車の運転を諦めて、車を処分した所為であることは間違いない。
   危なっかしい運転をしていたので、気にはなっていたのだが、ようやく止めたのかと思うとホッとする反面、歳を感じて一寸寂しくなる。

   この住宅地が開発されたのは、もう何十年も前のことなので、住人が老成化していて、住み続けている人は、どんどん、亡くなったり引っ越ししたりして空き家になっているのだが、地所がかなりの広さなので、空地になると、すぐに、そこに小ぶりの2軒の家が建って、流石に鎌倉なので、すぐに売れて若い住人が入居する。
   住宅街の新陳代謝なので、これまで、隣接した小学校に、何年も入学生徒を出せなかったのが、出始めて、少し賑やかになって来た感じである。

   別な地区では、住宅街の環境や質を維持するために、地所を分割して小分けした住宅建設を禁止しているのだが、鎌倉では、地代が高い所為もあってか、狭い地所に、3階建ての極細住宅を建てたり、このように分割して小ぶりの住宅建設が多くなっている感じである。
   最近は、駐車場が2台分と言う住宅が多くなったので、一戸建てながら殆ど庭や緑地がないのだが、近辺の新築マンションよりも、場合によっては安いので、格好の物件なのであろう。

   もう40年以上も前になるが、私が千葉の田舎に家を建てた時には、家も地所も広いが、これらと同じくらいの金額を要して、それも、厚生年金のローンでも6.5%の金利を払い続けてきたので、今昔の感である。
   その家を、鎌倉に移ってからは、維持管理が大変なので、二束三文ではなかったが、不本意な価格ながら、涙を呑んで売った。思い出だけが残っている。

   尤も、住宅購入で辛酸を舐めたのは、バブル崩壊で住宅価格が下落し始めたので、これが潮時と高いローンを組んで家やマンションを買った人たちで、その後、さらに不動産価格が暴落して暗黒時代が続いた。日銀の友人が、自分の買い物を慨嘆していたのであるから、誰も先など見通せなかったのである。
   アメリカの不動産バブルが発端であった2008年の世界金融危機時代のアメリカ人の悲劇とは、趣を異にするが、土地や住宅は、値上がりし続けると言った幻想の脆さは、日本でもアメリカでも、無残にも崩壊したのである。

   歳には勝てないという話が、住宅談議になってしまった。
   ころころ、関心が移ってしまうのも、歳の所為であろうか。

   
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