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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

大阪市都市再生フォーラム・・・梅田が蘇る

2007年02月07日 | 政治・経済・社会
   大阪駅の北側の元国鉄梅田貨物駅の跡地が、都市再生措置法に基づき大々的に再開発されて、大阪の玄関口のシンボルとして蘇る。
   この大阪北地区を知的産業の集積を目指したナレッジキャピタルとして、ロボットとIT産業を中核とした新都心として開発するのだと言う。
   そんな夢のような多くの大阪都市再生計画を引っさげて、關淳一大阪市長が上京し、経団連ホールで、大阪の未来とその魅力を語りながら投資勧誘のスピーチを行った。

   2月6日に行われた「大阪都市再生フォーラム~トップが語る大阪の未来~」のことだが、
   大阪市長の講演「民間とパートナーシップで進める新たな都市づくり」の後、
   三菱地所木村恵司社長の「大阪北地区プロジェクトについて」
   阪急阪神H角和夫社長の「梅田の魅力 沿線の魅力」
   の講演が続き、多角的な面から、大阪の都市の新しい躍動について興味深いシナリオや構想が説明されて、結構楽しく聞かせてもらった。

   大阪万博の後、関西を離れてしまったのだが、やはり、故郷でもあり、どちらかと言えば東京よりは身近に知っているので、何十年も前の大阪や関西を思い出しながら、その変貌振りに驚き将来の姿を重ね合わせながら聞いていた。
   近松の曽根崎心中に出てくる梅田は葦の茂る湿地帯で、埋めた田んぼのあった所で、戦後の焼け野原も酷かったが、それが、ハイテク産業のメッカとして蘇ると言うのだから、今昔の感の極致である。
   この梅田の開発で、大阪は経済復興期に官主導で行った大阪駅南の大規模開発で失敗しており、駅前が整備されたのは比較的最近のことだが、梅田貨物駅の跡地は完全に更地になってフリーに絵を描けるので都市計画と開発コンセプトが極めて重要となる。

   大阪市長は、知的水準の高い人材の育成と国際化を主眼としたUNESCOのクリエイティブ・シティを目指すのだと言っていたが、果たして、大阪そのものに、そのような未来指向の都市としての吸引力となる魅力があるのかどうか。私は、大阪の魅力は、これから人類にとって益々大切になってくるもっと人間臭いヒューマンな都市像にあるような気がしている。
   
   三菱地所の木村社長は、大阪駅北地区プロジェクトのコンソーシャム代表として、東京丸の内等で官民協調の一体的な街づくりのノウハウを活かして、最後に残された大阪の超一等地の開発に当たるのだと説明していた。
   ところで、何時も思うのだが、東京駅の駅頭から丸の内方向を見晴らすと皇居の方が少し見えるが、美しい都市景観だと思えたことが一度もない。特に今回、新丸ビルが姿を現したのだが、東京の場合は、都心から離れたところに多い欧米のターミナル駅と違って、日本の正に表玄関に立っている稀有な存在であるにも拘らず、前面のビルの景観とスカイラインに胸が時めくような美しさが感じられないのである。
   とにかく、ノウハウの活用も良いが、美しい大阪の北玄関を創造して欲しいと思っている。
   
   ところで、阪急は阪神を合併して大阪駅の梅田地区を殆ど押さえた感じで、商業売上高の70%をグループ企業で占めていると言っていたが、正に独占状態である。
   従って、ターミナルと百貨店の中核を押さえ、実質的なドミナントの状態であるから、梅田地区の産業の帰趨は、ある意味では、阪急阪神の意向が相当反映されることになる。
   都市機能と都市景観がどのようになるのかは、市民の生活にとって極めて重要なことなので、阪急阪神のCSRや使命感に負うところが大きいかもしれない。

   交通の話だが、阪神の西九条から難波まで鉄道が延びるようで、阪神と近鉄が乗り入れると神戸から奈良、伊勢まで繋がることになる。
   東京では私鉄と地下鉄の乗り入れが多くて便利だが、関西は少し遅れていた。しかし、淀屋橋から伸びる京阪も地下鉄乗り入れになるともっと便利になるがどうであろうか。
   市長は、関西空港についても話していたが、既に、アジアのハブはシンガポールや香港、中国や韓国など他に移ってしまっているし、港も神戸と大阪を合併してもハブは釜山に移っていて回復不可能であるから、あくまで日本のハブかも知れないが、アジアではローカルで終わろう。
   日本の対応が遅すぎる。アジアの近隣諸国が、バブルで苦しんでいる間に、無為無策の日本を遥かに凌駕してしまったのである。
   
コメント
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