日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

不況だからではなく

2009-06-03 12:58:32 | ビジネス
昨夜のYahooのトピックスに、半数の家庭、楽しく巣ごもり=お出かけ控え気味-クラレ調査という、時事通信社のニュースが取り上げられていた。
元となっているのは、クラレの不景気ニッポン「家庭生活の変化」アンケートという調査だ。
そして産経新聞のWEBサイトには、節約志向で焼きそばの“玉”が大人気 メーカーは増産急ぐという記事がUpされている。

確かに、不景気で内向き型消費になっていると見えるのだが、不景気だけがその理由なのだろうか?と、思うのだ。
「不景気だから、お出かけを控え、外食する時は家族で楽しめる近所の回転寿司やファミレス」という家庭は増えたと思う。
安い食材で調理が簡単に出来る焼きそばなどは、独身者だけではなく主婦のお昼ご飯や、土曜日などのお昼には良いだろう。
だが、それは「不景気をきっかけ」としたライフスタイルの変化なのでは?とも思うのだ。

不況だから、毎週末どこかのテーマパークなどに出かけるのではなく、家族揃ってお金のかからない公共施設や家の中で「Wii」などのゲームで過ごすコトが当たり前になり、それが心地よい週末の過ごし方になりつつあるのでは?と、思うのだ。
もちろん家族や気の置けない仲間が集まって、ワイワイと食事を作るとなれば、焼きそばは失敗が無い食材だ。
その意味で、「このような商品が売れるのは不況だから」と、決め付けるコトに疑問があるのだ。

不況をきっかけに「家族の関係に変化が起きはじめている」と考えると、次のビジネスチャンスも見えてくるだろうし、一部では「テレビの置き場所」も書斎や子ども部屋などここの部屋から居間へと移り始めているという。
薄型テレビの価格が大分安くなってきているとはいえ、ここの部屋に置けるほどではないという理由があるにせよ、居間にテレビが戻ってきたコトで、家族の時間の過ごし方が変わる可能性も大いにある。

「不況だからヒットした」のではなく、「不況をきっかけに変化しつつあるコミュニケーション」と見れば、違った市場が見えてくると考えるのだ。


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