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また一つ70年代が去っていった-「スタジオ・ヴォイス」休刊-

2009-08-06 21:21:30 | アラカルト
今日の日経新聞WEBサイト「Wagamaga」というコラムで初めて知ったのだが、70年代を代表する「スタジオ・ヴォイス」が今日で休刊と言うコトになったようだ。
昨今の雑誌休刊には余り驚かなくなってきたのだが、「スタジオ・ヴォイス」の休刊には、心さびしいものがある。

コラムにある通り、創刊当時は様々な「文化」が入り混じった時代だったような気がする。
特に「ポップカルチャー」などが若者に支持され、洋楽にしても幅広いジャンルの音がヒットチャートを賑わせ、ファッションにしてもオートクチュールからストリート系のモノまで「雑」という感じだったような記憶がある。
「雑」と言っても、「大雑把」のような「雑」ではなく、様々なモノ・コトが混沌と入り混じった「雑」という感じだ。
様々な価値観が雑然とあり、その多様な価値観を飲み込むような感覚が社会に満ち溢れていたような気がする。
その中で「ポップカルチャー」や「サブカルチャー」といわれる「文化雑誌」として、登場したのが「スタジオ・ヴォイス」だったのだ。
だからと言って、肩に力が入ったトコロはなく「雑」な世界を軽やかに飛び回っていたような感じだった。

と言っても、当時の高校生だった私には、簡単に手に出来るような雑誌ではなかった。
当時の主な読者は、私よりも少し上の世代で、今の50代前半の人たちだったのではないだろうか?
とにかく、どこか「オシャレ」で、取り上げられるテーマも幅広かった。
時には洋楽だったり、映画だったりと、本当に当時の様々な文化を切り取っているような雑誌だった。

それも、雑誌の編集・発行元が「インファス」だったということで、今更ながら納得している。
「インファス」と言っても、ご存知ではない方のほうが多いと思う。
私もファッション関係の仕事をしていなかったら、知らなかったような「WWDジャパン」という「ファッション専門誌」を主に出しているトコロだ。

そんな雑誌社が出している雑誌だったから、その内容が「オシャレ」だったとは言いたくはない。
ただ、その編集の感性は大手出版社とは大きく違うモノだったし、その違いが「スタジオ・ヴォイス」の魅力でもあった。

最近発売される雑誌などを見ていると、そのような個性的な雑誌が減ってきているような気がする。
特集される記事も「HOW TO」的な内容が多く、「文化」を取り上げている感じではない。
その「文化」の編集も含め、70年代だったのかも知れない。

また一つ70年代が去っていった・・・そんな気がする「スタジオ・ヴォイス」の休刊だ。



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