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イスラム過激派が起こしたテロとさまざまな問題

2015-01-11 20:41:31 | 徒然

先週末、フランスで起きたイスラム過激派が起こした、風刺雑誌襲撃テロ。
それに続く、ユダヤ系スーパーでの立てこもりおよび人質殺害は、世界に衝撃を与えた。
犠牲になられた方のご冥福をお祈りするだけではなく、このテロが起きたさまざまな社会背景や宗教観など、日本ではわからないことが世界では当たり前になってきているのでは?という、気がしている。

以前から言われていることだが、日本は不法滞在者を除く移民者は、ほとんどいない。
難民に至っては、年間10人も満たない。
おそらく先進国と呼ばれる国の中で、一番難民者の受け入れ数字の少ない国が日本だと思う。
難民の受け入れが極端に少ない理由は、その審査が諸外国よりも厳しいということだけではなく、言葉の壁も大きいといわれている。
難民と認められ、生活をするようになっても最初に立ちはだかるのは、おそらく「言葉の壁」だろう。
それに対して、欧米の場合もともと「植民地」を世界各地に持っていたこともあって、受け入れをする国の言葉を話す難民は受け入れられやすい。
もちろん、国の考えや移民に対して寛容な社会である、ということも大いに関係していると思うが、そのベースになっているのは「かつての植民地」ということも少なからず影響しているのでは?と、考えている。

今回テロのターゲットとなったフランスは、イスラム過激派「イスラム国」への渡航者(というべきか?)が、欧州の中でも一番多い国だといわれている。
逆に言えば、フランス国内には日本では想像できないほどイスラム教徒が多い、ということになると思う。
その多くがかつての植民地出身者で、フランスへ移民としてきたが「夢破れ」、失意のうちに過激で白黒はっきりさせるイスラム過激派に傾倒していったのではないだろうか?
そのような背景があるとすれば、単なる宗教の問題ではなく欧州の抱えている「移民と貧困」という社会的問題も、考える必要があると思う。

ちょっと変わった話になるのだが、サッカーのW杯で「優勝候補」と言われながら、意外な結果で終わってしまうことがある。
その一つが、フランスやオランダだといわれるのだが、結果が残せない理由の一つに「チーム内での移民・非移民の確執」がある、と言われてきた。
フランス大会では、その「移民・非移民の壁を乗り越えることができた」ことが、優勝の要因だとも言われていた。
特に活躍をした、ジダン選手はアルジェリア系フランス人、アンリ選手もアフリカ系だったと記憶している。

さまざまな文化や社会背景を持つ人たちが集まることで、寛容性とプラス摩擦によって豊かな社会文化が生まれ・育つ。
そうやって欧米は豊かな社会文化を作り上げてきたと思う。
しかし、その中には社会的にも経済的にも恵まれることなく、社会不満を持つ若者たちも数多く存在し、彼らの受け皿となったのが「イスラム過激派」であった、ということは「人と社会のむずかしさ」ということを改めて感じさせていると思う。

もちろん、イスラム過激派が行ったテロ行為は、決して許されるものではない。
 



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