日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

お上なんかに、頼ってられない

2011-05-24 22:21:17 | ビジネス
国会で、原発事故の責任の擦り付け合いのようなゴタゴタをしている間に、被災地では独自に復興策をはじめたようだ。

その一つが、「復興支援オーナー制度」だろう。
一部新聞などで紹介された「SAVE SANRIKU OYSTERS」や、「うらと海の子再生プロジェクト」のように、牡蠣の養殖や漁業関係の支援オーナーもあれば、元々宮城県下の農作物の通信販売を手がけていた「ふるさとファーム」の「農家復興支援オーナープロジェクト」のように、東北の農家の農作物を支援するオーナー募集もある。
いずれも、オーナーを募集しその資金で、事業・産業を立て直そうというプロジェクトだ。

東北の豊かな恵みを取り戻すためには、様々な面での資金が必要になる。
その資金調達の方法として「オーナー制度」を使い、広く募集するコトで「ファン=顧客」も創っていきたいという考えがある。
このようなビジネスの方法は、この震災をキッカケに生産者とそれらの商品を購入する生活者の距離を縮めるだけではなく、もしかしたら流通のあり方もわずかながら変えるかも知れない。
いずれにしても「顔が見える生産者と顔が見える購入者」という、新しい関係づくりの中で復興資金を調達し、事業再生を図るという、これまでにあまり例のない取り組みだろう。

そのような動きとは別に、経済誌などで言われはじめているのが「キャッシュ・フォー・ワーク」だ。
「労働に対する対価を支払う」という意味だが、元々は途上国の経済自立の在り方として、注目された方法だ。

今回の震災のように、何もかもが失われてしまったような状態では「仕事を創る」と言っても、そう簡単なことでは無い。
現在動きはじめているのは、ボランティアNGOなどが主体となり、被災者自身が災害復興のためのがれきの撤去などの作業をするコトで、賃金のようなカタチでお金を支払うという方法だ。
「お金を貰う」ことで、「社会との結びつき」が実感できるだけではなく、「経済活動に参加している」という安心感や収入そのものを得ることで、金額は少なくても経済的不安がわずかながらでも解消される。

今日になり、トヨタは「来月中に震災前の9割程度の生産体制に戻る」と発表した。
だが、その9割の中には被災地は含まれていないだろう。
だからこそ、東北に部品などの生産拠点があった企業は、どんなカタチであってもよいから、「キャッシュ・フォー・ワーク」という方法で、被災地の雇用者を再雇用させるような方法やサポートをして欲しいと感じている。
業界団体として、そのような基金を創るという方法もあるのでは?


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