日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ものごと」の意味を知る

2020-01-11 22:07:05 | マーケティング

拙ブログで度々紹介させていただいている、日経のコラム・COMEMO。
その中でも、大阪ガスのエネルギー文化研究所の池永さんのコラムは、いつも何かしらの考えるヒントを与えてくれているような気がしている。
今回の「おむすびとサンドイッチ」もまた、日本の食文化だけにとどまらず、ものごとの意味を知り、その意味が商品やサービスに反映されていなければ、生活者に受け入れられない、という指摘をされていた。
日経COMEMO:おむすびとサンドイッチ

イタリアに「おにぎり専門店」がオープンし、人気を博しているとは知らなかった。
イタリア人に「おにぎり」が受け入れられている、ということも何だか不思議な気がする。
何より「おにぎり」に欠かせない、海苔を食べるイタリア人ということが想像つかない。
欧米人にとって、フォークとナイフでは、切りにくく、噛み切りにくい食べ物が、海苔を含む海藻ということになるため、食べる習慣そのものが無いと言われていたと思う。

それが昨今の日本食ブームにより、お鮨の軍艦巻きなどで海苔を食べるようになり、おにぎりの海苔まで食べるようになった、ということだろう。
それだけ日本食が、世界に広まり定着しつつある、ということなのかもしれない。

池永さんのコラムは、海苔だけにとどまってはいない。
日本人にとっての「米文化」にまで、言及されている。
確かに、世界各国を見ても日本のような「米文化」は無いような気がする。
もちろん、世界で一番多く栽培されている「長粒米」は粘り気が無いため、おにぎりには向いてはいない。
逆に日本で多く栽培されている「短粒米」は、アジアの中でも日本を含む、東アジアごくわずかな地域だ。
栽培法にしても「水稲」と呼ばれるように、田んぼに水を入れ手間暇かけてつくられるのが、日本のお米だ。

そのお米を最大限美味しく食べる方法の一つが「おにぎり」ということになるのだが、「おにぎり」の魅力はそれだけではない。携行性という点でも優れているし、具を混ぜることで「主食+副菜」のような食べ方もできる。
「おにぎり」の進化の過程では、この「携行性+主食+副菜」という利便性もあったのだろう。

池永さんがコラムの最後に書かれているように、進化の過程には「進化する理由」があり、「進化の意味」を知ることで、その「モノ・コト」が社会に受け入れられる本質もまた見えてくるのだと思う。
ただ「社会に受け入れられる本質」というものは、とても見つけにくく分かりにくいという点も理解する必要がある。
何故なら、「社会に受け入れられる本質」こそが、マーケティングはもちろんビジネスを考える「素」だと思うからだ。




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