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やはり「祖父の思い」が、亡霊のように生きている?

2014-06-27 16:45:40 | 徒然

養老孟司さんの新刊「自分の壁」を、読了。
養老孟司さんの「バカの壁」、「死の壁」に続く「壁三部作」というコトになるのだろうか?
本そのものは、今月出たばかりなので感想は控えたいのだが、その中で気になる一文があった。

それは、安保闘争のコトを書いていらっしゃる部分。
安保闘争は1960年に起き、当時東大の学生だった樺美智子さんが亡くなられている。
今の「脱原発」や「憲法九条を守れ!」といったデモよりも、過激なデモであったことは確かだろう。
樺美智子さんが亡くなられたコトや、日に日に激化するデモに対して当時の総理大臣は「それでも、後楽園は人でいっぱいだ」と、国会で答弁をしている。
と言う、一文だ。
この一文は、本の内容とは関係が無いのだが、当時の総理大臣の発言がとても気になったのだ。

お若い方にはわかり難い話だと思うので、一応説明すると・・・。
当時子ども達に大人気だったのは「巨人、大鵬、玉子焼き」と言われ、その巨人軍の本拠地である「後楽園球場(現在の東京ドーム)には、巨人戦を観戦する人で一杯になっている。デモに参加しているのは、極々一部の人達で、世論に影響を与える程ではない」と言う様なニュアンスで、話したと言われている。
その発言をした当時の総理大臣というのが、岸信介。
今の総理大臣である安倍さんの祖父である。

日米安保の道筋をつけたのが、安倍さんの祖父である岸信介というコトなのだ。
そして、国民の不安をよそに安倍さんは集団的自衛権の行使に突き進んでいる。
与党としてのパートナーである公明党のキャッチフレーズは「平和の党」だったと思うのだが、その「平和の党」である公明党に対しても「解釈変更で大丈夫」と説明をし、公明党も了承した様なカタチになっている。

安倍さんは集団的自衛権について、「祖父からの思い」と言う趣旨のことを話していたが、それが「日米安保」では達成できなかった(?)集団的自衛権の獲得なのだというコトを改めて理解をした。
と同時に、安倍さんの背後に祖父である岸信介の亡霊がくっついている様にも思えてきた。
一部の人達が感じる「嫌な感じ」というのは、この様な「思い」だけで語られるコトへの違和感なのではないだろうか?
そして今回自民党がごり押しをした「憲法解釈」というコトに、不安を感じているのだと思う。

と言うのも「解釈」ほど、人によって受け止め方が違うモノはないからだ。
小学校の作文の授業で「句読点と助詞の使い方で、文章の意味は全く違ったものになるので注意」と、言われたことがある。
それほど、文章というのはあやふやなトコロがあり、それを読む人の受け止め方も様々だ、と言うコトだ。
それだけではなく、時代とともにニュアンスなどの受け止め方が変わっていく、と言うこともある。
実際安倍さんは最近になって、当初言っていたことよりも大幅に変更し始めている様に思える。
それも「解釈の違い」と言ってしまえば、それまでのこと。
一人の学生が死亡したコトよりも、自分の考えを通そうと後楽園球場に集まった人達とを比較する祖父・岸信介の感性を安倍さんは、引き継いでいる様に感じるのだ。



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