今朝FMを聞いていたら、「なるほど、そのような発想もあるのか?」と、感じる話があった。
TFM Hand in Hand:南相馬市小高地区、人口がゼロになった町で挑戦するゼロからの酒造り
「人口がゼロになった」という文言と、南相馬市という場所を知れば、この地域が「東日本大震災の被災地である、ということはわかる。
その中でも「南相馬市小高地区」は、「東京電力第一原子力発電所事故」により全地域が避難地域となり、一時期「人が住めない場所」になったようだ。
だからこそ「人口がゼロ」という意味になるのだ。
避難期間が長くなればなるほど、町そのものが荒れ果てる。
避難勧告そのものが、突然であったため家畜等を移動させることができず、一時期は「家畜の野生化」という問題も取り沙汰された時期もあったように記憶している。
当然のことだが、酒造りに欠かさない「酵母」そのものも、諦めざる得なかっただろう。
そのような環境の中で、失ったものを違うカタチで復活させる方法として生まれたのが「クラフトサケ」という、どのようなジャンルにも含まれない「日本酒」なのだ。
「日本酒」なので、米と酵母を使い発酵させているという工程はあるのだが、それらの工程に一工夫をし「クラフトサケ」を作っているということのようだが、おそらく「日本酒」という概念だけで考えていたら、「クラフトサケ」という発想は生まれていなかったのではないだろうか?
その背景にあるのは、「日本酒」そのものの売り上げの低下ということがあるのでは?と、想像をしている。
PR TIMES:国内の20~30代のやく7割が1年以上日本酒に触れていない/全国の男女に聞く「日本酒」の飲用実態調査を実施
日本酒そのものの飲用が減る=売上の減少ということになれば、造り酒屋そのものが減少するだろうし、杜氏といわれる酒造りのプロの方たちの高齢化等も、日本酒の減産に繋がっている可能性はあるはずだ。
とすれば、「日本酒」独特の風味や香り等を残しながら、若い世代にも飲みやすい(受け入れられやすい)日本酒が必要ということになっていくのは、自然なことのように思える。
アイディアとして考えられるのは、「日本酒」をカクテルのベースとして飲む提案があるかもしれない。
基本となるのは、「食事と共に楽しむ日本酒」だとすれば、有名レストランや料理店との協業という方法も必要かもしれない。
今のような状況では、日本酒そのものが廃れていく可能性もあるはずだ。
それは、日本の食文化の一つを失う、ということでもある。
そのような危機感の中から「クラフトサケ」が考えられるようになり、南相馬市の「人口ゼロ」の町だからこそ、そのハードルが低かったのでは?という気がしている。
もしかしたら、「米+酵母+地元の果物」等を合わせる事で、その地域らしい「クラフトサケ」ができるようになるかもしれない(あくまでも想像の話です)。
それは、日本国内で低迷している「日本酒」だが、海外では人気になりつつあることを考えると、「新しい日本酒スタイル」として、世界にPRすることができるようになるかもしれない。