日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

カマラ・ハリス氏同様に、注目したい女性政治家がいる

2020-11-14 20:25:49 | 徒然

民主党のバイデン氏以上に注目されているかもしれないのが、副大統領になったカマラ・ハリス氏だが、実は今後4年間で注目されそうな民主党の女性議員がいる。
アレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員(通称:AOC)だ。

Huffpost:若者に熱狂的な人気。アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏が下院の再選、どんな人物?

フルネームだと長いのだが、名前を見て気づくことはないだろうか?
いわゆるラテン系の名前である、ということだ。
事実コルテス氏は、プエルトリコからの移民の労働者階級という環境の中で育っている。
マイノリティー出身者としては、カマラ・ハリス氏と同じということになるのだが、ハリス氏が移民の子でありながら判事などの経験があるのに対して、コルテス氏は2018年史上最年少でニューヨーク州の下院議員として当選を果たした、まだ30代の若い女性ということになる。

コルテス氏の人気は、これまで政治に関心が無かった若い世代が支えている、といわれている。
その理由の一つが、コルテス氏自身は大学生の頃に父親が急死したため、学費を稼ぐ為にバーデンターやウェイトレスとして働いた経験を持っているということや、2016年、2020年の民主党の大統領予備選挙に立候補したサンダース上院議員の「民主社会主義」寄りの考えを持ち、ハリス氏よりも、今の若者に近い経験をしている下院議員だと言われている。

もう一人、注目したい女性議員がいる。
共和党の牙城の一つとされていたジョージア州で、大接戦を繰り広げ民主党が勝った要因を作ったといわれるステイシー・エイブラムスという黒人女性だ。
BBC NEWS:【米大統領選2020】民主党がジョージア州奪還へ、立役者は黒人女性たち

BBCでは、「黒人女性たち」という表現をしているが、多くの黒人女性たちに大統領選への投票をするために、有権者登録を事前にする必要がある。
今回トランプ氏が「オバマ氏よりも獲得票数が上回ったので、私が勝った」と言ったのは、有権者登録数がオバマ氏が当選した時よりも多かったからだ。
「有権者登録をしてもらう」というところから、米国の大統領選は始まっているのだ。
その有権者登録を積極的に勧め、多くの黒人の登録者数が増えた州のひとつがジョージア州であり、その中心となって活動したのが、ステイシー・エイブラムスという女性であった、ということなのだ。

このことは、一体何を表しているのだろう?
ハリス氏は、インド系+黒人という「多様性」、コルテス氏は「若年層」、そしてエイブラムス氏は「黒人と女性」という、これまで「政治の中心ではなかった人達」の代表者たちが、声を上げた選挙だったとも考えられるのではないだろうか?
それは、米国という社会が大きく変化し始めている、というだけではなく、様々な摩擦が起こる可能性も秘めている、ということかもしれない。
ただ、知的手段(=暴力ではない解決法)で、多様性を認め合える社会を創っていくことができれば、これまでのトランプ氏に代表されるようなマッチョな米国から脱却し、また世界をリードするような米国へと生まれ変わることができるかもしれない。

ただ、そのための時間と労力は膨大なモノであり、傷つく人たちもまた多いような気がしている。