テレビ東京系でビジネスパーソンを描いたドラマが、放送されている(テレビの無い我が家は、Tverでの視聴)。
今回は、米国企業からヘッドハンティングされ、日本の商社に転職をした女性管理職が主人公だ。
テレビ東京:ドラマBiz ハル~総合商社の女~
サブタイトルにやや引っかかるモノを感じない訳ではないが(苦笑)、第1話の放送を見た時「30年以上前と変わらないんだな~」という部分があった。
商社と言っても、取り扱うものは、百貨店以上の取り扱い商品や商材がある。
石油プラントのような対国を相手にするような事業から、町の飲食チェーンのような生活に身近なものまで、幅広い。
今回の主人公は、そのような中でも「経営企画室」という、商社の中で中心となる事業部が舞台となっている。
第1話では、ラーメンチェーン店の事業縮小→最終的には撤退という話だった。
事業縮小の為に集められたチェーン店オーナーたちは、担当責任者が女性であると分かると、口々に言い放った言葉が、まさに私自身が30年以上前に、取引先から言い放たれた言葉だった。
それは「女に、仕事ができるか!」と言う言葉だった。
まさか30年以上経って、テレビドラマで同じような台詞を聞くとは思いもよらなかったのだが、もしや今でもこのような思考が日本の企業に残っているのでは?という、気もしたのだ。
確かに、今でも似たようなことを言われる方も少なくないのだが、「男なら仕事ができるのか?」というと、そうでもない。
ただ、男性中心のビジネス社会においては、男性の方が圧倒的に優位なことは間違いない、と思っている。
それは「仲間意識」というものが、働いているからだ。
まだまだ日本のビジネス社会において、女性は異質な存在であり、どう頑張っても「ビジネスの仲間」には入れさせてもらえない部分は、少なからずある、と実感している。
そのような意識と思考だからこそ、「ジェンダーギャップ」の問題が表面化しているのだと思う。
Huffpost:ジェンダーギャップ指数2018、日本は110位でG7最下位「日本は男女平等が進んでいない」
ジェンダーギャップ指数に関しては、様々な意見があるとは思うのだが、多くの日本女性は社会に出た途端に「ジェンダーギャップ」を体験することになる、という点においてはこのデータ通りだと思う。
テレビドラマであったような「女に、仕事が任せられるか!?」という思考が、少なからず各所で残っているからだ。
しかし、本当に女性はビジネスに向いていないのか?と言えば、決してそうではないようだ。
Huffpost:女性CFOたちは195兆円の超過利潤をもたらした「女性が導く時、企業は勝利する」の背景は?
データの分析がされていないので、この195兆円の超過利潤と言われても俄かに信じがたい部分もあるのだが、このような「多様性を持つ企業は、高利潤をあげている」ということは、再三言われてきた。
その背景にあるのは、社会そのものの多様化という点だ。
あくまでも日本の企業を対象としていないので、「米国限定」のように思いがちだが、既に日本の社会も多様化をしている。
LGBTのような人たちというよりも、すぐそばで働く日本以外の国籍の人達が数多くいるのだ。
例えばコンビニの店員さんの名札を見ると、中国籍、ベトナム籍の人などが多くなっている。
多様な価値観を持つ人達が、日本社会に溶け込み始めているのだ。
言い換えれば「女に、仕事を任せられるか!?」的思考では、社会の変化に対応できない時代になっている、ということでもある。
昨夜行われた「饗宴の儀」では、イスラム教の国の来賓の方のために「ハラール食」を用意されていた。
宮内庁が用意をする、このような祝宴の席でも「多様性に配慮」するようになっているのだ。
ビジネスにおける思考も、多様なものへと変えていく必要があるだろう。