日々是マーケティング

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「ネガティブ社会」を生み出しているのは、誰?

2019-03-28 20:24:58 | 徒然

日経のコラムCOMEMOに「結婚しない人が増えてきた理由」というタイトルに、「オヤ?!」と感じた。
COMEMO:結婚しない人が増えてきた理由

コラムを書いている池永さんの意見に全面的に賛成!というわけではないが、何かにつけ「不平・不満が渦巻く社会になった」という実感はある。
その「不平・不満」の原因の多くは、おそらく「不平・不満を持っている人自身にある」という点も、なんとなくわかる。
要は「他力本願」的な、「私を幸せ(あるいは満足させてくれる)のは、よそ様が提供してくれるモノ」という、思い込みというか社会的刷り込みがある、というのもなんとなく理解できるのだ。
例えば、自分の思い通りにいかないとやたらと威圧的な態度をとる、という人がいる。
そして威圧的態度をとっている相手というのは、自分よりも若い人であったり、社会的上下関係にある下の立場(と思い込んでいる人)であったりする。
少なくとも社会的立場が上の人物には、威圧的態度を示すということはまずないだろう。
「下の者は、自分に尽くすのが当然」と思っているからだろう。

その一方で日本の社会は「横並び(の意識が高い)」とも言われている。
いわゆる「同期」という仲間意識だ。
その中で「出世」などという、競争が始まるとその関係は一気に崩れてしまう。
「同期の中に上下関係」が起きてしまうからだ。
違う言い方をするなら、「勝者と敗者」のような関係だろうか?

しかし「勝者」であったはずが、いつの間にか「敗者」になってしまっていることもまた多い。
時代の流れや社会の変化についていくことができず、古い社会的観念から抜け出せずに、自分が「勝者」であった頃の価値観を持ち続けていることに気づかない、という場合だ。
「勝者であったはずの自分が、敗者になっている」という事実を認めたくない時、多くの人は他者に対して威圧的態度を示すようになる、と感じている。

そして今の日本の社会は「バブルの頃はよかった」的価値観の人と「バブルなんて知らない。努力しても社会からの恩恵など無い」という価値観の人との「断絶した意識社会」のような気がしている。
そして「平成」という時代は、そのような「断絶した意識社会」でもあったのでは?と感じている。
このような「価値観が断絶した社会」こそ、「ネガティブ社会」を生み出しているのではないだろうか?

「ネガティブ社会=不寛容社会」だと考えた時、社会を変える為に必要なことは池永さんがコラムで書いていらっしゃるような「感謝」ということのような気がする。
「ありがとう」と言う言葉を言う時、多くの人は笑顔になる。
そして「ありがとう」と言う言葉を受け取った人もまた、笑顔になる。
その笑顔は些細なことであっても、「ネガティブ社会」を少し「(多様性を認め合う)寛容性の高い社会」を創っていくのではないだろうか?