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「東京ラブストーリー」の再放送に思うこと

2018-09-14 22:46:08 | ライフスタイル

しばらく前のYahoo!のトピックスに、「東京ラブストーリー再放送」という、記事がpickupされていた。
オリコン:「東京ラブストーリー」14年ぶり7回目の再放送
1991年に作られたドラマなので、かれこれ27年ほど前のドラマだ。

私と同世代の方はご存じの方も多いと思うのだが、原作は柴門ふみさんで「ビックコミックスピリッツ」に連載されていた漫画だ。
このころは、まだまだバブルの余韻が残る頃で、なんとなく社会全体が浮足立っていたような感じだった。
何より、赤名リカのエキセントリックで自由奔放さは、あの頃の時代感をデフォルメ化した人物像だったかもしれない。
しかし、主人公は控えめで従順そうな女性を選んだ。
それが、昭和から平成へと移り変わる、変化の一つのあらわれだったのかもしれない。

今回の再放送は、新しく始まるドラマの主人公が「東京ラブストーリー」の主人公の2人という、ある意味「番組の宣伝」を兼ねたような再放送であることには、違い無いと思う。
そしてこの再放送を見る人は、どのような人達なのだろう?と、想像してみるのだ。
1991年当時、リアルタイムで視聴していた人たちが、懐かしく見るのか?
それとも、再放送を見ることなく「月9」と言う言葉を定着させた、大ヒットドラマというだけの情報を持った人たちが視聴するのか?
その違いで、新しく始まるドラマの視聴者層も見えてくるのでは?という、気がしている。

そして、14年間再放送されず、13年間の間で7回も再放送をされたという、理由というか社会的、経済的背景の違いのようなものも考えてみる必要がある、と感じている。
「平成」という時代の、前半・後半ともいえるのでは?と考えるからだ。
Wikipediaで2004年の日本を振り返ってみると、今年の日本と似ている部分が多い。
その一つは自然災害の多さだ。
猛暑、大雨、地震と、立て続けに自然災害に見舞われている。
そして作家・池井戸潤さんの「空飛ぶタイヤ」のモデル?となった、三菱自動車の全社的リコール隠しが発覚した年でもある。
今年相次いで発覚した、企業のデータ改ざんを彷彿とさせるようなことも、起きていたのだ。
以来、なんとなく日本の社会全体が「大企業に対する信頼」というモノが揺らぎ始め、それが経済への大きく影響し始めたのかもしれない。
若い世代にとって、就職氷河期から続く「暗く希望が持てない時代」が深刻化し、「東京ラブストーリー」の赤名リカのような自由奔放な生き方そのものが、時代に合わなくなってきたことが顕著になったのかもしれない。
だからこそ、ほぼ2年に1回という頻度で再放送が、14年間も再放送されなかったようにも思えるのだ。

写真で見る28年前の若者たちの姿と、この14年間の若者たちのファッションだけではなく、ライフスタイルや思考などには大きなギャップがあるはずだ。
そのギャップが楽しめる人達が、再放送を楽しみにできる人達なのかもしれない。