先日、200の治水ダムなどがその機能を果たすコトができず、逆に洪水などの被害をつくりだす懸念がある、と言う報道があった。
Yahooトピックス時事通信:ダム200カ所で管理不備=土砂堆積、治水機能低下も―検査院
この調査報告にも驚いたが、その理由が「維持管理の為の経費不足」。
物を造れば、維持管理は当然のことながら発生するはずなのだが、どうやら見落としていたらしい。
これでは、本末転倒と言うことになってしまう。
もう一つ気になったのは、昨日の朝FMを聞いていた時に知った「自然災害リスクが高い都市第一位が東京」というコトだ。
その理由は、元々地盤が低い土地であったことに加え、地下水などの汲み上げで地盤沈下が進んでいる、と言うことのようだ。
場所によっては、江戸時代から4mくらい地盤沈下したところもあるという。
私にとって、東京の洪水のイメージは、多摩川の堤防が決壊した時の映像。
テレビドラマ「岸辺のアルバム」のオープニングでも使われた映像なので、ご存じの方も多いかも知れない。
ところが、この映像のような大洪水によるリスクよりももっと問題なのが、上述した「地盤沈下による災害」というコトのようだ。
その理由は、潮の満ち引きだけでも水没してしまう様な地域が実際にはあり、その様な地域は地盤沈下がわかる度に、防波堤を上へと伸ばし続けてきた結果、先の尖った様な防波堤になってしまっている、と言う。
防波堤としての強度そのものに疑問がある様な、防波堤の中で暮らしている人達がいる、と言うのだ。
それだけではなく、水門などで守られている様に思われるかも知れないが、その水門などの一部から「漏れ」が起きてしまった場合、些細な潮流、それこそ潮の満ち引き程度で相当の地域が水没してしまうリスクがある、と言う。
地震や大雨などによる「自然災害」ではなく、自然の営みの中で「自然災害が起きるリスクがある」というのが、東京だというのだ。
それに加え、治水ダムの機能低下や水力発電用ダムのダム湖に堆積している土砂などの問題など、様々な問題が日本の国土保全という視点で考えると、問題が起きていると言うことが指摘されるようになってきた。
「一度出来てしまった物は、仕方無い」という考えだけでは、日々の生活の中に潜む「災害リスク」はどうしようも無い。
またこれから税収が減ることを考えた、「高い維持費を必要としない自然とのつきあい方」を、真剣に考える時期のような気がする。
その中で、日本独特の「国土保全」と言うアイディアが生まれてくるように思う。