日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

クローゼットを見直すのがトレンド?

2008-12-20 14:41:54 | トレンド
毎日新聞のWEBサイトを見ていたら、既に来春のファッショントレンドの記事が掲載されていた。
世界的金融危機の影響を受けてか?「新しい」と言うより「昔」が、トレンドらしい。

考えてみれば、クローゼットを開けたとき1シーズンで着なくなった洋服が、案外多いのではないだろうか?
と言うのも毎シーズン発表される「トレンドに乗り遅れまい」と、そのとき流行の洋服を買うことが、少なからずあったように思うのだ。
と言っても、私の場合洋服を買う基準が「トレンドよりもコンサバティブ」、「1シーズンで着られなくなる服は買わない」が基本なので、ほとんど1シーズン限りと言う洋服は無い。
むしろ、服を買いに行っても「コンサバティブな服」がなかなか見つからない、と言うコトのほうが多い(苦笑)。

会社員時代、ファッション関係の仕事もしていたコトもあり、「ファッション≠トレンド」だというコトはよく理解している。
芸能人の皆様方が、有名ブランドのパーティーなどで着てくるドレスやアクセサリーの多くは、ブランドからの貸し出しと言うコトも知っていたこともあり、「トレンドは気にするが、トレンドは着ない」と言う感覚になったのかも知れない。
と言いつつ、それでも悲しいかな1シーズンしか着なかった服が、クローゼットに眠っている。

ところが、来春シーズンは「コーディネート力」がトレンド(傾向)のようだ。
このような傾向は、「この服を着れば、外しは無い」と言うコトが分らないので、なかなか難しい。
難しいのは、服を買う消費者ではなく洋服を売る側だ。
と言うのもお客様の好みを理解し、そこから「クローゼットに眠っている服を想像」し、「新しいモノを提案しなくてはならない」からだ。
これまでのような「今年のトレンドですから」と言う、「セールストーク」は、使えなくなる。

そして、私たち生活者も「クローゼットを見直し」て、「自分に似合うモノ」をキチンと知るコトがトレンドになるのではないだろうか?
元々ファッション業界では、「ファッション・ビクティム」と言うコトバがある。
その年その年の流行ばかりを追っている「(自分の似合うものを知らない)ファッション好きな人」を、「ファッションの犠牲者」と呼ぶのだ。
世界的金融危機で、クローゼットを見直すのが流行すると言うのは、ファッション業界的には何とも皮肉な気がするが、もっと自由にファッションを楽しむためには良い傾向かも知れない。