日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

小学生に負けてはいられない-メディア読解力-

2008-10-07 21:17:30 | CMウォッチ
毎日新聞のWEBサイトを見ていたら、とても興味深い記事を見かけた。
それがCM作りで読み解く力を 小学校で授業だ。

「メディアリテラシー」を身につける目的として、実験的に行われた授業のようだ、
ここで興味深いのは「CM作りを通して、読解力をつける」という方法が、採用されたこと。
実は、私も以前CMを見て何を訴えているのか?という、内容のコトを一種の研修で行った事がある(といっても、企業向けとしては評判が芳しくなく、以来オファーがこなかったのだが・・・涙)。

私のような「テレビCM好き」というのは、希な人種(?)のようで、殆どの人にとってはトイレタイムだとか、ビデオの早送りをするモノでしかないようだ。
しかし、CMを制作する過程はとても複雑で、時間も労力も費用もかかる。
アメリカのスーパーボールで放映されるテレビCM等は、1回しか使わないのに億単位の費用をかける企業もあるという。
もちろん、それだけの視聴者がいるからこそ、それだけの時間と労力と費用をかけるわけなのだが、それが伝わらないというのは企業としてはムダな経費を使ったことになる。
また、受け手側の生活者としては、そのCMから発信されている情報をつかむ=読み解く力があれば、トレンドばかりを追いかけるようなコトをしなくても済むはずなのだ。
その意味で、「CMを読み解く」というのは、企業が発信しているメッセージを知るだけではなく、安直な戦略に引っ掛からないための力だとも言えるのだ。

もうひとつこの授業の目的となるのは、「論理的な思考の組み立て」と「プレゼンテーション力」だろう。
市中の書店のビジネスコーナーに行くと、トコロ狭しと置いてあるのが「ロジカルシンキング=論理的思考」であり「プレゼンテーション力=交渉力」だ。
そんな力を「小学生の頃から身に付けよう」というのも、この授業目的だろう。
なぜなら、CMを作る側は、常に受け手である生活者にCMという方法で、プレゼンテーションをしているのだ。
それも、15秒だとか30秒といった、短い時間でひとつのストーリーを組み立て、商品なり、サービスや企業姿勢をアピールしなくてはならない。
ダラダラとした内容では、視聴者=生活者を惹きつけるはできない。
そのために必要な力が「論理的思考の組み立て=ロジカルシンキング」でもあるのだ。

テレビCMをボンヤリ見ているだけでは、小学生に思考力や交渉力で負けてしまうかも知れない。