日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ユニクロのパリ進出

2007-10-03 20:32:19 | マーケティング
今日の新聞チェックをしていたら、日経新聞の「ユニクロ」、パリに旗艦店・09年という記事があった。
「ユニクロ」といえば、この夏ニューヨークのファッション専門百貨店「バーニーズ」の買収で話題になったが、こちらは残念ながら失敗に終わっている。
「相手が悪かった」と言えばそれまでなのだが、それでも「海外進出」という方針は変わっていなかったようだ。

この秋のカジュアル衣料量販店は、猛烈な残暑と台風などの影響もあり軒並み不振状態のようだが、そんな中ユニクロは新しい展開をし始めている。
それが現在テレビCMで流れている、「カシミヤ商品」だろう。
これまでユニクロは、低価格なカジュアルウェアを中心に展開をしてきた。
その象徴的な商品は、「ユニクロのフリース」だろう。
大手スーパーなども、これに影響され「ユニクロ価格のオリジナルフリース」を商品化してきた。
最近では、ユニクロ価格のオリジナルTシャツなどの商品展開をし、「ユニクロ」がカジュアルウェア量販の一つの基準と思われるような傾向が見受けられた。
事実、ユニクロが低価格で展開する前までは、「フリースって何?」という生活者が殆どだったのではないだろうか?
その意味で、ユニクロは「フリース」という素材をメジャーにし、業績を上げてきたといっても過言ではないのかも知れない。

そのユニクロが、高級繊維・カシミアを展開する。
それも、一部商品は有名デザイナーの手による商品だ。
特に丸山敬太さんを起用していることに、ユニクロの本気度というものを感じる。
男性諸氏にとっては「丸山敬太???」と、思われるかも知れない。
丸山氏を一躍有名にしたのは、ドリカムの吉田美和さんのステージ衣装などを手がけたことだった。
以来、若い女性の間では「可愛い、リアルクローズ」として人気が高い。
そして、今回ユニクロで展開している丸山敬太×カシミヤは、彼らしい可愛らしいデザインとなっている。

09年のパリ進出には、このようなデザイナーとの企画商品の展開と言うことも、にらんでいるのではないだろうか?
これまでのような「低価格カジュアルウェア量販店」から、「ベストプライス・カジュアルウェア・ショップ」への展開である。
もう一つのポイントは、ファッションの中心地・パリの生活者の取り込みだろう。
パリといえば、ファッションブランドの街と言うイメージがあるのだが、現実はファッションブランドに身を包んだ生活者など殆どいない。
今やファッションブランドに身を包むのは、パリの生活者ではなくアラブの大金持ちだったり、アメリカのセレブや日本のセレブ気取りの人たちなのだ。

ユニクロの目指すトコロは、「カジュアルウェアのMUJI(無印良品)」なのではないだろうか?