日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大学も「顧客満足」重視の時代?

2007-05-20 23:17:42 | アラカルト
讀賣新聞のWEBサイトに、進路変更や意欲低下、私大中退5万5000人…全国初調査と言う記事が掲載されている。

この春大学に入学した年代から、いわゆる「全入時代」が始まった、と言われているのだが、現実は「入学はしたけれど・・・」ということらしい。
記事を読んで見ると、「滑り止め校に仕方なく」という理由が目立つようだが、例え浪人をし再受験をしても、希望大学へ進学できるとは限らない。
だったら今の大学で、シッカリ自分の専攻分野を学ぶとほうがいいのでは?と、大学受験失敗→滑り止め校進学経験者は思うのだ。
浪人をして希望の大学へ進学したとしても、自分の描いていた大学生活があるとは限らないのである。
もし、自分の描いていた大学生活が出来なかったとしたら、また中退をし、受験をするのだろうか?

もう一つ気になるのは、留年する学生が多いと言うこと。
「時代が違う」といえばそれまでなのだが、私が学生だった頃、留年と言うのはどちらかと言えば「恥ずかしいこと」だった。
それは大学生として、学力的に授業についていけないという印象があったからだろう。
高校生の頃に比べ、専門性の高い内容の授業が多くなることは確かなのだが、その授業についていけて当たり前だと、とらえられていたいたように思う。
まして、バイトで授業に出席せずに留年などとなると・・・親からは「学生の本分は何?」と厳しく言われた(留年経験はないが、「学生の本分を忘れて、バイトをするなどもってのほか」と、親から言われた)。

そうはいっても、最近は「懇切丁寧」な授業と就職活動をサポートしてくれる大学が、人気だと言う。
「懇切丁寧」という授業は、高校2年生くらいからの復習から始まるらしいのだ。
しばらく前から、理工系学部の学生でも高校で物理を学んできていない学生がいる、とか、経済系学部に進学した女子学生は「就職に有利かな?と思って進学したけど、苦手な数学が必要だとは思わなかった」というコトを言うことがあるらしい。
「オイオイ、そんなことも知らないで進学したのかよ?」とツッコミたくなるのだが、それだけ簡単に、大学を考えているのかも知れない。
「大学=最高学府」という時代ではないのだろう。

それだけに、一部の有名校以外は学生と言う「顧客」に対しての、満足度を上げる必要があるのかも知れない。
とても綺麗なキャンパス、コンビニ(学生生協ではない)、「キャフェテリア」という学食。もちろんメニューもガッツり系の丼ではなく、バイキング形式でランチプレート(もちろん、デザート付き)というスタイルのほうが人気らしい。
学生生活に不便がないように、あらゆる施設が整っているようだ。
でも本当の学生と言う顧客を満足させるということは、高い教育なのではないだろうか?
少なくとも、高校の復習授業を大学でする必要はないと思うし、大学で学ぶ意味をもっと明確にし、「どなたでも入れます」ではなく「このような学生を求めている」といってしまったほうが、良いのではないだろうか?
もちろん、経済的理由で中退を余儀なくされる学生には、奨学金などによるサポートが必要だということも忘れてはいけないだろう。