日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

テレビの影響力‐納豆ダイエットデータ捏造‐

2007-01-20 21:43:32 | アラカルト
先日来、スーパーマーケットに行くと「納豆」が売り切れ続発していた。
さすがに今週になってから、だいぶ落ち着いてきたようだったが、それでも買い物客のかごには3個パックの納豆が、二つ三つと入っていた。
その原因が、テレビ番組で紹介された「納豆でダイエット」だ。

私は、テレビ番組を見ていなかったのでその「衝撃度」はわからないのだが、一部の納豆メーカーでは「製造が追いつかないお詫び広告」を新聞に掲載していたことからも、その影響力は凄まじかったのだろうと想像する。
先日には、新聞の読者投稿欄に「これまで毎日買って食べていた納豆が、テレビ番組の影響で売り切れ困っている」という、内容のものが掲載されていた。

これまでテレビ番組が紹介した「ダイエット食材」で、話題になり製造が追いつかず一時期商品が店頭から消えた商品が幾つかある。
「ココア」や「寒天」などだ。
ほかにも昨年は、植物性乳酸菌が話題となり京都の有名な漬物「すぐき」が季節はずれにもかかわらず買い求める人がいたり、植物性乳酸菌を使った飲料水の製造が追いつかず、地域限定発売になったりもした。

ところが、今日になって新聞各紙に「納豆ダイエットのデータが、捏造されていた」と報じられている。
まぁ、考えてみれば昔から納豆を食べている日本人がダイエットに無縁であったのか?といえば、決してそうではない。
過去何度もあった「納豆ブーム」があったにもかかわらず、納豆にダイエット効果があったということは言われた事がなかったと思うのだ。
にもかかわらず、テレビ番組で「納豆でダイエット」というだけで、多くの人が飛びつき全国的に品切れになるほどの「ブーム」を巻き起こしてしまう・・・テレビというメディアの影響力の凄さを改めて実感した。

ところでこの「納豆ブーム」の火付け役となった番組に対抗するかのような番組も、登場している。
現場で活躍されている「名医」と呼ばれる医師が、病気の症状やその治療法・予防法などを紹介している番組だ。
もしかしたら、医療現場などでは安直なテレビ番組による健康情報をけん制したかったのかも知れない。

この番組は明日の放送を見合わせることになってしまったようだが、テレビの影響は他にもある。
年末のNHK紅白歌合戦での「DJ・OZUMA」の演出だ。
テレビ番組の倫理委員会のようなところでも、問題として取り上げられているようなのだが、「テレビ番組における表現の自由」と「テレビ番組としてのTPO」をはきちがえてしまっているように感じるのだ。
もしあのような演出が、深夜番組であったら問題にもならなかっただろう。

テレビ(ラジオや新聞なども)というメディアは、その影響力も強い。
だからこそ、その番組制作にかかわる人たちは番組の趣旨や社会背景なども考えなくてはいけないはずだ。
一般企業に求められる「社会的責任」が問われる時代。
メディア企業も同じコトが求められているのでは、ないだろうか?