ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ガラドリエルとケレボルンの歴史

2009年06月10日 | 指輪物語&トールキン
終わらざりし物語の「ガラドリエルとケレボルンの歴史」の感想です。
最初読んだ時、「ガラドリエルとケレボルンの物語」じゃないの?と思ったんですが、読んでみたら確かに「歴史」だったんですね。
トールキンが、ガラドリエルがどのようにしてロリアンに落ち着くことになったのか、ケレボルンとはどこでどう出会ったのか、という設定等を何度も変更しつつ書き留めておいたものを集めたのがこの章です。実は「シルマリル」に出ているガラドリエルの設定はあくまでも一つの案?で、その後も色々と設定は変更されたりしていたようです。
「指輪」出版以降もガラドリエルの設定については手を入れられていて、時には「指輪」本編の記述とは矛盾するところも出てきていたりしたとか・・・
このあたりを読んでいて、おそらくガラドリエルというのは「指輪」の中でフロドに出会うために生み出されたキャラクターで、その際にそれまで考えていたノルドールの物語の中に組み込んでガラドリエルの来歴を考えたんだろうなあ、と思いました。
ノルドールによるテレリ族殺害に関して、ガラドリエルたちフィナルフィンの子供たちが少なくとも関わってなかったとか、むしろフェアノールの息子たちと戦ったとか、なんとかガラドリエルに罪がないように考えようとしてたりとか。
ガラドリエルが中つ国に来た手段も、他のノルドールと同じように苦労して歩いてたどり着いたのではなく、先に来ていたというような設定も考えていたり。
ガラドリエルがなぜずっと中つ国に留まっていたのかについても、ケレボルンが留まったからとか、ヴァラールに西へ行くことを禁じられていたからだとか、逆にプライドから自ら拒んでいたとか(西へ戻ると言ってもヴァリノールではなくエレッセアまでしか戻れないから)、色々と考えていたようです。
西へ戻ることが禁じられていた、という設定では、フロドに一つの指輪を差し出されて拒んだことで「試練に勝って」西へ行く権利を取り戻した、という設定もあったようで、これはちょっと感動的ですよね。
また、ケレボルンの設定についても色々考えていたようで、シンゴルの近い親類だった設定から、もっと近いオルウェの親族という設定もあって、ガラドリエルに釣り合う身分を色々考えていたことがうかがえます。
そして、なぜロリアンに落ち着くことになったかについても色々考えてますね。もともシルヴァン・エルフの土地に、なぜノルドールのガラドリエルが治めることになったかについて。
とまあ、私は先入観からいろいろと穿って読んでしまうのですが、クリストファー・トールキン氏は、あくまでも残った資料でわかる事実しか書かず、余計なことは書いていないのがさすがだなあと思います。研究家としての正しいやり方ですね。読む方はこれで想像を膨らませて楽しめますから。
しかし、ガラドリエルってすごい強いですよね。「かの女か体も心も、意志の力も強靭であり、昔日のエルダールの伝承の大家や闘技の達人に太刀打ちできるほどだった」って書いてあったんですけど・・・戦っても強いんだー(汗)
ケレボルンの存在も、映画ほど薄くはないけど(汗)やはりどうしてもガラドリエルの添え物のような雰囲気があって(大汗)なんか面白い存在ですよね。初めて「指輪」を読んだ時から思っていたけど。
この強い女性像、モルウェンもそうですが、やっぱりトールキンの母親のイメージから来てたりするんでしょうかねえ・・・なんて野暮なことはクリストファー氏は決して書いていなくて、そういうところも良いなあと思うのですが。(でも自分は色々想像してしまうなあ)
しかし、ケイト・ブランシェットのガラドリエルは、そのあたりのちょっと裏がありそうな妖しさも含んでいて、ハマってたよなあと思います。
「ホビット」でも白の会議は出てくるらしいから、ケイト・ブランシェットがガラドリエルをやるんでしょうかね。
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