160万 請求された？ 離婚の被告の 勘違い

離婚訴訟の最初の法廷で頻出するのが、慰謝料160万円を請求されていると勘違いして困惑して来る被告である。
訴状に「訴訟物の価額160万円」と記載されているのを誤読しているためだが、これは、160万円の請求と同等とみなして算出することになっている離婚請求の「貼用印紙額1万3000円」の根拠を明示しているだけである。
したがって、「訴訟物の価額160万円」とあれば、むしろ離婚しか請求していないケースが圧倒的に多い。
ややこしいのは、離婚と併合して慰謝料を請求する場合は160万円まで印紙の追加が不要とされているため、本当に慰謝料160万円ピッタリを請求している原告も稀にいることである。

一を聞いたら 十知るけれど 二から九まで 知らぬ人

「一を聞いて十を知る」と誉められることがある。
しかし、それは裏目に出ると、早とちりが多いということにもなりかねないので、自戒が必要だろう。

裁判員には 「前科がなくて 反省してる」は 当たり前

10日の名古屋地裁判決（中日新聞11日の記事）から。
裁判員裁判の判決に「被告人に前科がないのは、一般の国民からするとごく普通のこと」「被告人の態度からは、どれだけ重大な結果を引き起こしたか、分かっているとは受け取れない」とあったという。

やはり見る人 見てくれてるが 見てない人は 見ていない

野村克也「あ～ぁ、楽天イーグルス」から。
かつて、ヤクルトの監督に招聘された時の相馬球団社長の言葉を聞いたとき、「やはり見てくれている人は見てくれているのだな」と涙が出るほどうれしかったそうだ（36頁）。
そして、ヤクルトでは３度の日本一を含む４度の優勝を飾った。
愛弟子の古田敦也ヤクルト前監督も、同様の発言をしていた。
さて、野村さんの想像によると、楽天は、ブラウンの次に古田さんを監督に招聘しようとしているのではないか、という（63頁）。
予言が的中するかどうか、楽しみだ。
たまたま今夜のフジテレビ「すぽると」に野村さんが生出演していて、最後に「一回だけオールジャパンの監督をやりたい」とおっしゃっていた。
見るべき人が見ていたかどうか。

落語・芸術 座布団減らす 予算は止さんか！ 歌丸です。

落語芸術協会の桂歌丸会長の発言を都々逸に
（写真）
汐留の日テレ前にある「笑点」メンバーの手形から

半年稼げば 過払金で 弁償終わって 猶予刑

昨日の名古屋地裁岡崎支部判決から。
コンビニ強盗致傷事件の裁判員裁判で、異例の執行猶予判決が出た。
弁護人によると、公判前整理に半年を費やしたおかげで、借金苦だった被告人の多額の過払金を回収する時間が稼げて、被害弁償・示談・嘆願書の獲得ができたことが幸いしたという。

そんな名前で いいのかどうか もっとよーく 考えよう

今年の赤ちゃんの名前のトップは、男「大翔（ひろと）」、女「凛（りん）」だったそうだ（毎日新聞８日朝刊）。
どうも、違和感が拭えない。常識的には１位になるはずがない、一見オリジナリティがありそうな名前だからだ。こんな名前が学校のクラスに何人もいたら、変な感じがする。
それはともかく、最近遺憾なのは、赤ちゃんに変な名前を付けてしまったから、名の変更を認めてほしいという家事審判の申立てが続出していることだ。
もう少し慎重に考えたらいいのに。

飯能・日高市 入間郡越生・毛呂山 比企郡鳩山町

私が毎週火曜日に家事調停・審判を担当している、さいたま家裁飯能出張所。
管轄区域は、同じ建物の飯能簡易裁判所と同様に、2市3町。

飯能市（はんのう）
日高市（ひだか）
入間郡越生町（おごせ）
入間郡毛呂山町（もろやま）
比企郡鳩山町（はとやま）

入間郡と比企郡が一部になってはいるが、比較的まとまりのいい管轄区域のように思う。
うまく語呂合わせができないかと３年間ずっと考えているのだが。

「国家権力と 零細企業くらい 差がある」検・弁 そのまんま

６日の朝日新聞「裁判員時代」にプレゼンテーション能力の格差をこのように評した裁判員のコメントがありました。
あえて駄目出しをさせていただくと、それは比喩になっていません。
弁護士は皆、大きなローファームを持っていると誤解されているのではないかと、心配になってしまいました。

法律相談 飛ばしてやるか？ ひとの不幸は 蜜の味

今夜の日テレ「行列のできる法律相談所」から。
この番組を毎週見続けるべきかどうか長らく迷っている。
初期はなかなか良質な法律問題を毎週数問提供する番組と評価していた。
しかし、このところ、法律と全く関係ない話題で大半の時間を費やした末、最後に１問だけ申し訳程度に出すようになったので、流し見をするようになった。
そして、ついに今夜は、番組予告にあった「連帯保証人の取消しできるか？」の問題までカットして、公になったばかりの番組レギュラー磯野貴理の離婚を皆で冷やかしていた。
うーん、どうなんでしょう？

政治・宗教 秘するが花か？ 言えば誰もが むきになる

今晩は、久しぶりに映画を公開初日に鑑賞して来た。
マイケル・ムーア監督の新作「キャピタリズム マネーは踊る」。
最近のNHK「クローズアップ現代」と東京新聞での監督の発言に意気に感じたからだ。
「民主主義はすべての人が活動家でなければ成り立たない。」は至言だと思った。
映画では深刻な事実をいくつも知らされた。
ペンシルベニア州の民間更生施設は、些細な少年犯罪にも厳罰の判決を出してもらうため、判事に利益供与を行っていた。
従業員が死んだら会社に保険金が入るという「くたばった農民保険」がまかり通っている（これは日本でも既に裁判になり社会問題化した）。
「今の資本主義は主要な宗教のほとんどの教義に反しているのではないか」「富める者は貧しき者に分け与えるべきだと神は教えているはずだ」という趣旨の神父の発言には考えさせられた。
裁判官に限らず、日本人は政治と宗教の話題を避ける傾向にあるのが残念だ。
（写真）
映画パンフレット表紙の一部

「覆水盆に返らず」と書いた判決 控訴で覆る

離婚事件の上訴記録が先日戻って来た。
人事訴訟係は３年目になるが、初めて離婚判決が控訴審で取り消されていた。

ちなみに「覆水盆に返らず」の本来の意味は、次のような中国の故事である。
太公望が若い頃、読書ばかりしていたので、妻が愛想をつかし、離婚を要求して出て行ってしまった。
その後、太公望が出世したのを知った元妻は、戻って来て復縁を求めた。
これに対し、太公望は、水の入った盆をひっくり返して見せ、これを元に戻すことができたら復縁に応じると言った。

一生添い遂ぐ はずだったのに 保護命令出た トキは今

12月1日朝日朝刊から
佐渡で保護されているトキの夫婦が、夫のＤＶにより強制別居中だそうだ。
実家の中国に帰りにくい訳ありで離婚は難しいらしい。

秋田生まれの オレ流なれば 不気味・不器用 武器になる！？

東京中日スポーツ11月30日の記事から抜粋。

「沈黙が武器　ＯＢ会がオレ流をバックアップ」
　ＯＢ会は“貝”になるオレ流監督をバックアップ！
　中日ドラゴンズＯＢ会が２９日、名古屋市内のホテルで行われ、高木守道会長（６８）が壇上であいさつ。「いろんな監督がパフォーマンスをしている中で、わがドラゴンズの監督は不気味に黙っている。でも落合監督にパフォーマンスは似合わない。不気味が武器だと思っています」。
　落合監督「私は秋田県で生まれまして、雪深い、冬の寒いところで、交通手段もそうそうあるもんじゃない。そういうところに住んでいましたから派手なことは大嫌い。上手は言えない。上手を言っておけばこの世界簡単に渡れるんでしょうが、それは私の主義主張に反することです。」「監督が１面を張るようではダメなんです。選手が１面を張って全国的に名を売ってもらう。」

なるほど、そういう考え方もあるのかとは思った。
それでも、今年は同じ２位ならば、東北楽天の野村監督の方が、両チームの大ファンとしてはやはり面白かった。

羽織袴で いく山越した 定数訴訟の 生みの親

越山康弁護士の訃報に新聞で接した。
知る人ぞ知る、議員定数不均衡訴訟を日本で提起した先覚者である。
そして、いくつも成果となる判例を獲得してこられた。
最高裁に入廷する日にはいつも羽織袴の正装でいらした姿が印象深い。
後継者も少なくない。私も弁護士時代には真似して愛知県議会と名古屋市議会の定数訴訟を起こしたことがある。
あの入廷姿もいつか真似してみたい。
合掌。