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配点事件が あるのかどうか? 「名古屋高裁 特別部」

2023年10月06日 21時21分45秒 | 名古屋・愛知
今月1日付けで名古屋高裁に特別部の部総括が置かれていることが分かった。しかし、対外的なホームページ上では表示されていない。
そもそも東京高裁ならばともかく、名古屋高裁に特別部の担当事件があるだろうか。
民事部であれば、選挙無効訴訟のように高裁が一審となる特殊な事件があるが、それでも通常民事部が順番に担当している。特別部が置かれている東京高裁でも同様である。
裁判所法上、刑事事件で高裁が一審となるのは、内乱罪とその予備・陰謀・幇助だけである。
そのほかに、高裁管内の地家簡裁の裁判官の分限裁判が想定されているようだが、これまでは必要がないから独自の部総括は置かれていなかったのだ。名古屋高裁特別部が過去に担当した裁判は、平成30年の岐阜地家簡裁判事の分限裁判(戒告)一件しか見当たらない。
かつて、裁判所では、露骨な差別人事の反面で、過剰な温情人事が目に余ると言われてきた。
後者の典型例は、心身の故障で執務することができない裁判官を、裁判官分限法に従って分限免職にせず、高裁の陪席などに形式的に配置し、事実上、長期間の休職をさせるといった措置だ。私傷病とするのであれば、そこまでして保護しなければならないのかどうか、甚だ疑問である。
(参照条文)
裁判所法
第十六条(裁判権)高等裁判所は、左の事項について裁判権を有する。
一 地方裁判所の第一審判決、家庭裁判所の判決及び簡易裁判所の刑事に関する判決に対する控訴
二 第七条第二号の抗告を除いて、地方裁判所及び家庭裁判所の決定及び命令並びに簡易裁判所の刑事に関する決定及び命令に対する抗告
三 刑事に関するものを除いて、地方裁判所の第二審判決及び簡易裁判所の判決に対する上告
四 刑法第七十七条乃至第七十九条の罪に係る訴訟の第一審
裁判官分限法
第一条(免官)①裁判官は、回復の困難な心身の故障のために職務を執ることができないと裁判された場合及び本人が免官を願い出た場合には、日本国憲法の定めるところによりその官の任命を行う権限を有するものにおいてこれを免ずることができる。
第三条(裁判権)①各高等裁判所は、その管轄区域内の地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所の裁判官に係る第一条第一項の裁判及び前条の懲戒に関する事件(以下分限事件という。)について裁判権を有する。
日本国憲法
第七十八条 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
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