弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

なけなし年金 分割しては 生きていけない 老夫婦

2008年04月15日 19時35分21秒 | 未分類
私のいる支部に関しては、昨年の人事訴訟の新受件数は大幅に増えた。
ただし、巷間言われるような、年金分割制度の施行が原因かと問われると、それだけでは説明がつかないように感じている。
なぜなら、離婚の訴状で年金分割を請求している事件が、それほど多くはないからである。この実感は、最高裁の発表とも一致する。
むしろ、高齢の夫婦が年金分割すると、それぞれの年金が予想外に低額になってしまい、「共倒れ」になると悟って離婚を考え直すケースすらある。
そんな中、年金から保険料を天引きする「後期高齢者(長寿)医療制度」が始まった。年金分割の件数にも微妙に影響してくるかも知れない。
(朝日から抜粋)
 離婚時に年金を夫婦で分けられる「年金分割制度」が昨年4月に始まってから同年末までに、全国の家庭裁判所に8322件の申し立てがあったことが、最高裁の集計で分かった。1カ月に800~千件平均で推移。「申し立てラッシュ」は見られなかったという。
 離婚の調停・訴訟に合わせて申し立てられたケースが7479件。離婚後に分割に合意できず、審判などに持ち込まれたケースが843件だった。
 調停や審判の結果、12月までに3003件で分割割合が定められ、9割以上が「半分ずつ」に分けられた。年代別では、「この制度が始まれば熟年離婚が増えるのでは」との予想もあった60代は15%にとどまった。