面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「虹の女神 Rainbow Song」

2006年11月03日 | 映画
小さな映像制作会社で日々苛酷な労働を強いられている智也(市原隼人)に、友人であり会社の同僚であるあおい(上野樹里)がアメリカで飛行機事故に巻き込まれて死亡したという知らせが届いた。
大学時代、智也の失恋騒ぎをきっかけに親しくなったあおいは、映画研究会に智也を引きずり込み、監督作「THE END OF THE WORLD」に主演させたのだった。
卒業後、フリーターだった智也に今の仕事を世話したあおいはひとり渡米し、事故に遭ったのだった。
告別式の後、智也はあおいの妹・かな(蒼井優)から、思いがけない遺品を受け取る…

智也の“頼りなさ過ぎ”なところは、男なら誰しも持っている部分をデフォルメして見せていて、自分の心にイタイときがある。
今の年代でこの映画を観たとき、自分が通ってきた道を見せられるようで面映い。
自分は、あそこまで“何にも無い”男ではなかったと思うが、では当時、何があったか?
あったものは、未来に対する希望と、根拠の無い自信。
智也にはそんなものも無い。
定職につかず、「どうして就職しないといけないんだろうな」とあおいに言う彼には、夢も希望も無い。
そんな“何も無い”智也に振り回され続けるあおい。

 優柔不断なところも好き
 根性ないところも好き
 ひとりじゃなんにもできないところも好き
 鈍感なところが好き
 笑った顔が一番好き

なんでこんな智也みたいなヤツに惹かれるかな!とあきれ、智也にイラつくも、ふと、気がついた。
このあおいの言葉は、全女性に共通なのでは?
どう思う?男性諸兄。

もう一点、気がついた。
智也はとにかく“責任をとらない”。
この姿勢に自分の弱点を見せつけられて、イライラして、腹が立つんやろね。。

虹の女神 Rainbow Song
2006年/日本  監督:熊澤尚人
出演:市原隼人、上野樹里、蒼井優、酒井若菜、鈴木亜美、相田翔子、小日向文世、佐々木蔵之介、尾上寛之、田中圭、ピエール瀧、マギー、大橋未歩

社会面から

2006年11月03日 | ニュースから
女子校で生徒百人体調不良 文化祭で(共同通信) - goo ニュース

文化祭の模様をビデオカメラで撮影しておいて、それをスクリーン上映したら手ブレがひどくて次々と生徒が気分悪くなったて!
教頭もインタビューを受けて、船酔いのように気分が悪くなってきたと答えていた。
どんな映像だったのだろう?
よほどヒドイ手ブレだったのだろうが、次々気分が悪くなっていくまで上映していたというのはいかがなものか。
先生も「あれ?おかしい」とか「ヤバイ」とか、少なくとも「気分悪いな」と思ったはず。
それが、生徒が救急車で運ばれる騒ぎになるまで上映してたて、なんで誰も止めようとしなかったのか?

手ブレ映像上映会で生徒が気分悪くなって病院に運ばれた。
昼前に起きたボケた頭で、いきなり笑わしてもらった朝刊記事だった。

のぞみの車内清掃考

2006年11月03日 | よもやま
東京本社への日帰り出張。
大阪を朝8時前ののぞみで出て、取引先と打ち合わせの後、本社へ移動し、会合と懇親会を終え、さすがに疲れを感じながら「やれやれ…」と帰宅の途につき改札を入ったJR恵比寿駅。

山手線で品川へ出ようとホームへ上がると、ホーム両側に電車が止まっていて、ホームにはたくさんの立ち尽くす人々。
何が起こっているのか分からなかったが、何かが起こっているらしいことは感じた。
注意書きはどこかに出てないかと探すと、大きな電光掲示板(かな?)に、手前の駅に列車が止まっているという図が表示されていた。
でもそれだけ。
こんなデカイ掲示板があって何で運行情報が流れてないねん!

しばらくキョロキョロ・ウロウロしていると、ようやく入ったアナウンス。
なんでも、山手線の線路内に人が入ったために全線運行停止のうえ安全確認中とか。
復旧のメドとか、今どういう事象なり作業なりが発生しているのか皆目分からない。
新宿方面へは湘南新宿ラインが動いているので、山手線をご利用のお客様はそちらへお乗換えを、などというアナウンスを聞いて、いつ山手線が動くか見当がつかなかったため、新宿へ出て中央線で東京駅へ出ることにした。

となりのホームへ移動すると、ちょうど電車が止まっていたので飛び乗った。
次の停車駅である渋谷で更に人が押し込まれたスシ詰め状態の列車が、前の列車がつかえているとのことで新宿駅手前で止まっているとき、
「ただいま、山手線は全線運転を再開いたしました」
との車内アナウンスが流れた。
おい!わざわざ湘南新宿ラインに乗り換えたのに、5分も経たんうちに山手線運転再開かよ!
それやったら、さっきの恵比寿駅のアナウンスで、まもなく運転を再開しますて言えたんとちゃうんかい!?
ぎゅーぎゅー詰めの車内で不安定な体勢で立っていたこともあり、ムカーッ!ときを失いそうなほどの怒りが込み上げる。

ようやく新宿に到着し、列車から吐き出されるようにしてホームへ降り立つと、中央線快速のホームへと急いだ。
これはスムーズにいって、8時前にようやく東京に到着し、新幹線乗り場へと急ぐと、当日券売り場の前は長蛇の列。
金券屋で買った回数券を利用しているため、あとは座席の指定だけ。
自動発券機へ向かい、お土産や車内での飲み食い用の食料を物色する時間を考えて8時半くらいののぞみに乗ろう♪と、座席予約状況の表示をみると、なんと!
軒並み××××…!
9時手前までののぞみ全てが、グリーン車まで×になっている!
げげっ!こりゃ自由席に並ばなしゃーないんか…ということで、大急ぎで土産だけを買い、8時10分頃に新幹線改札を通過。
14番線の30分発の自由席をダメ元で目指してみて、長蛇の列だったら19番線の40分の自由席を目指そう。
大ざっぱに導線を考え、ホームへ駆け上がって自由席の3号車方面を見ると、とても席を確保できそうにない長蛇の列。
一瞬、「これは40分ののぞみを目指して19番へ移動しているうちに40分発の座席もヤバイかも…」という不安がよぎり、向かい側のホームの表示を見ると、20分発ののぞみが停車しており、次は53分発との表示が。
40分発を目指して冒険するより、53分発で妥協しようと計画を変更したが、3号車の前にはかなりの長さの列が既にできていた。
えーい!1号車まで行ったらなんとかなるやろ!?と勝負に出て、ひたすら先頭目指して突き進むも、3号車の2つのドアは言うに及ばず、2号車ドア前もかなりの列。
そして1号車の2号車寄りドア前の行列に「ヤバ…」と思ったものの、1号車一番前のドアの列はまだ4、5名並んでいるだけだった。
「あ~やれやれ、これなら座れるやろ」とホッとしながら並んで少しすると、停車していた20分発ののぞみが発車した。
まだ30分以上時間があるが、その後の2時間半は座れることを思えばガマンのしようもあるというもの。
携帯で日米野球の試合結果を検索しようと、スーツの上着から携帯を取り出したとき、前の男性が
「すんません、ちょっと荷物見といてもらっていいですか?」
と声をかけてきた。
「ああ、どうぞ、どうぞ」
と引き受け、その彼が戻ってきたら代わりに自分も買い出しに行こう、と思いながら携帯をいじっていたら、まもなく列車が到着するとの案内が。
「おいおい、列車に乗るときにまだ戻ってなかったら、彼の分も席取っといたらなアカンやんけ」と、見ず知らずのオッサンの席を何で取ってやらなアカンねん、と若干ムカツキながら立っていた(山手線の一件から少々短気になっていたのは否めない)。

ホームに列車が滑り込んできたが、件の男性が戻ってこない。
「なんぼ1号車でホームの端や言うても、いつまで買い出しにかかっとんねん!?」
と、通常よりも短気になっているため、だんだんムカツいてきた。
乗客が降りたら車内清掃があるので、すぐに乗り込むわけではないが、とりあえずオッサンが帰ってきたら交代で買い出しに行こうとの目論見は既に狂っていたので、やはりイラつきはおさまらない。

そうこうしているうちに、ようやく男性が戻ってきた。
「ありがとうございました」
とおじぎされて、自分でも半分引きつってるのがわかる笑顔を返した。
「まあエエわ。席確保したらダッシュで買い出しに行こ」
と気を取り直して、車内整備が終わるのを待った。
座席の向きも反転され、車内清掃係りの皆さんがいなくなって、あとは乗り込むだけ♪と時計を見ると、8時35分を少しまわったところ。
「これなら席に荷物を置いといて、早足で売店まで往復できるわ」
と少しホッとして並んでいたのだが、列車のドアが開く気配がない。
5分経ってもアナウンスも何も無い。
「車内清掃も終わってるし、まだ何かあんのか?もう20分以上も立って並んで、しんどいがな」
と、またムカツキモードが再燃してきたが、相変らずなんの知らせもなく、ドアを閉じたまま空の列車が止まっている。
ホーム向かい側は9時3分発ののぞみで、そっちの行列もすごい人数になってきて、こっちの行列とでえらい混雑になってきた。

「空の列車止めたまま、客を待たせ続けるて、どういうことやねん!」
車内清掃はとうに終わっている。
まだ何か客を乗せられない事情があるのなら、アナウンスをするべきだろう。
3連休前の週末。
全線不通となっていた山手線。
もともと乗客が多いうえに運行障害まで起きて、本来乗るはずだった列車に乗れなかった乗客も押し寄せている。
自由席車両に乗るため、乗客たちは何十分も前から列車が到着するのを待っていることは容易に推測できる。
にもかかわらず、発車時刻の20分以上も前に列車を到着させながら、乗客を待たせつづけるJRの姿勢はいかがなものか。

結局、列車のドアが開いたのは8時45分過ぎ。
席を確保するも、次から次へと人が乗ってきて、瞬く間に入口付近も人で一杯。
通路にひしめく乗客を押しのけて車外に出て、3号車付近の前にある売店までダッシュで買い出しに行く根性は既に無くなっていた。
懇親会では、普段なかなか話ができない本社の社員達との会話がはずんで、ほとんど食べられなかったため、大阪に着くまでに空腹が襲ってくるのは確実。
また、ビール以外の水分をとっていなかったので、ノドも乾く。
これから2時間半、飢餓状態に襲われることになるのか!?

もう寝ることにした。
睡眠で飢餓状態をごまかして乗り切ろうという作戦である。
と、隣席の乗客がおもむろに何か袋を取り出したかと思うと、カレーパンを食べ始めた。
それも2個!
モーレツに食欲をそそるカレーの匂いが漂ってきて、今にも飢餓状態に陥りそうになり、またもや気絶しそうなほどの怒りが込み上げてきた。
もとを辿れば、乗車前の行列の時点から始まったタイミングの悪さが原因とはいえ、清掃終了と同時にすぐ乗車させるか、乗車まで時間がかかるならそれを知らせるか、JRにどちらかの対応があれば、気分良く帰阪の途につくことができたのである。

乗客の一人くらい、文句言うヤツがおっても大勢に影響ないからどうでもエエわ、てなところだろうが、一事が万事そんな調子であれば、その延長線上には事故があった場合の不誠実な対応となって現れることだろう。
「お客様の視点に立つ」ということについて、改めて考えさせられた。
あ!そういう点で言えば、JRには感謝せなアカンわな。
そこで感謝の念が湧き起こらない小さな器であるのが残念だが。