面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ハード・ラッシュ」

2013年06月24日 | 映画
かつて、「世界一の運び屋」と名を馳せたクリス(マーク・ウォールバーグ)。
今では、愛する妻ケイト(ケイト・ベッキンセール)と二人の息子のために、裏社会から足を洗い、セキュリティ装置を設置する会社を経営し、幸せに暮らしている。
しかし、義弟のアンディ(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が知らぬ間にコカインの密輸に手を出し、あろうことか警備隊に追われて失敗してしまった。
密輸のクライアントである組織のボスから賠償を請求され、家族の命まで危険にさらされることになってしまったクリスは、愛する家族を守るため、偽札の密輸を決意。
周到に準備を整え、パナマへと向かうクリス。

しかし、せっかく到着したパナマで手にした偽札は粗悪品だった。
船の出発時間が迫る中、挽回すべく地元のシンジケートと交渉することにしたクリスだが、またしてもアンディに“足を引っ張られて”苦境に陥る。
激しい銃撃戦に巻き込まれ、厳しい貨物検査も待ち構える絶体絶命の状況から、クリスの八面六臂の大活躍がはじまる…!


麻薬の密輸には絶対に手を染めないと決めているクリスは、愛する家族を守るために最後の大仕事として選んだのは偽札の密輸。
どっちもどっちのように思えるが、人を廃人にしてしまう可能性のある麻薬には手を出さないというクリスの姿勢は共感できる。
そして頼りない義弟のアンディも自分のアシスタント的にメンバーに加え、クリスはかつての仲間達と一大ミッションに取りかかるのだが、次から次へと予期せぬ障害が押し寄せてくる。
しかしそこは、かつて「世界一の運び屋」と呼ばれ、今では伝説の存在となっているクリス。
豊富な経験に裏打ちされた知識と知恵を、鍛えられた高い身体能力に備えて、窮地を凌いでいく。
きっと最後はうまくいくのだろうな…と思いながら観ていても、この状況をどうやってくぐり抜けていくのだろう!?と、スクリーンに目は釘付け。
そしてラストはスカーーーーーッ!
後味は誠によろしい♪


全編に漲るスピード感と、手に汗握るアクション、そして鮮やかなトリックが展開して爽快感溢れる大団円を迎える、後味スッキリなジェットコースター・ムービーの佳作!


ハード・ラッシュ
2012年/アメリカ  監督:バルタザル・コルマキュル
出演:マーク・ウォールバーグ、ケイト・ベッキンセール、ベン・フォスター、ジョヴァンニ・リビシ、ルーカス・ハース、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、J・K・シモンズ

後味悪い映画たち。

2013年06月23日 | 映画
米サイト選出「人間不信になる映画25本」(映画.com) - goo ニュース


米サイトBuzzFeedが、「人間不信になる/絶望する映画25本(25 Movies That Will Destroy Your Faith In Humanity)」をピックアップしたというので、ランキングを見てみた。
恥ずかしながら大半の作品を観ていないが(こんなランキングに入る作品を別に観なくてもいいかとも思うがあせあせ)、中には大変共感を覚える作品もあって面白い。


「オールドボーイ」
ラストのクライマックスシーンは、自分には“痛過ぎて”スクリーンを正視できず、気分的な後味の悪さと、“痛い”シーンで不必要に力んだ全身のコリとで、見終わってからの疲労度は高かった…

「アレックス」
モニカ・ベルッチが暴漢に襲われ、延々と暴行を受け続けて強姦されるシーンは強烈過ぎて、その悲惨さをひきずって、1週間近く気分が落ち込んだ…

「悪魔を見た」
主人公の気持ちが非常によく分かり、かなり感情移入して同化していたので、かなり悲惨なラストシーンにも「ざまあみろ!」的な気分になったがスカッとするものではなく、後味は決して良くはない…

「発情アニマル」
これはリメイク版の方を観たが、ヒロインの復習譚として観終わって溜飲は下がるが、決してスカッと後味の良いものではなく…考えてる顔

「キリング・フィールド」
クメール・ルージュの大量虐殺を記録した、“歴史の証言者”的な作品としてとらえたので、自分の中ではここにランクインするほどではないが。
それよりも…

「ムカデ人間2」
これは本当に最悪の映画。
しかしランキングの中にこれの前作「ムカデ人間」が入っていないのが納得できない。
どちらも、あまりにも救われない最後に、席を立つときに心の中で「うわぁ~」と言ったつもりが、つい口に出して言ってしまったというトホホな事態に…


「映画は娯楽」であるというのが自分の基本理念なので、「スターウォーズ」や「アイアンマン」、「ロード・オブ・ザ・リング」などが王道を行く作品であると考えるが、このランキングに並んでいるような作品の数々も、まちがいなく「映画」であり、こういった多様性こそが映画全体の豊かさにつながるもの。
PTAの主張的に、「こんな作品は観てはダメ!」と取り締まって封印してしまう愚だけは、ゆめゆめ犯してはならない。
国がそんな方向に走らないように、見守らなければならない。

W杯出場決定。

2013年06月04日 | ニュースから
最後は本田!起死回生の同点PK!W杯もぎ取った!!(スポーツ報知) - goo ニュース


そういえばサッカーのワールドカップ出場がかかった試合が今日あったのだなぁ、と思いだしたのは帰宅してから。
サッカーにそんなに興味のない人間にとっては、そんなもん…というのはプロ野球の話題の際には自分としては逆の立場になるというワケで。
ニュースで無事にW杯出場を決めたことを知り、それはやっぱり嬉しいものだが、改めてその“決まり方”にしびれた。
1点ビハインドのままロスタイムに突入したところでフリーキックを得て、最後はエース本田(これくらいのことも知ってはいる)がPKをキメて同点に持ち込み、そのまま終了。
結果、5大会連続でのW杯出場を決めることができたという。

それにしてもあのPKでキチンとゴールを決めた本田は偉い!
などと自分に言われなくてもと本人は思うだろうし、今さらお前がそんなこと言わなくてもと読んでる人は呆れるだろうが、あの状況における本田の身に降りかかるプレッシャーと言ったら想像を絶する。
自分を置き換えて想像(妄想?)してみれば、口から心臓が飛び出そうな気分になるというもの。
スキルはもちろんのことだが、あそこまでいったら相当メンタルが強くないと、まともなキックができないのではないだろうか。
日本中の期待を一身に受けてのPKを、蹴り損なうことなくキチンとゴール内に蹴り込むことができる本田を心底尊敬した。

「ブルーノのしあわせガイド」

2013年06月04日 | 映画
気ままな独り暮らしを送る中年男のブルーノ(ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ)。
かつて教師をしていたこともあったが、今はゴーストライターとして有名人の自伝を執筆したり、いわゆる“放課後学級”のような個人指導の補習塾で生計を立て、決して裕福ではないものの自由な毎日を楽しんでいる。

ある日、塾の生徒のひとりである高校生のルカ(フィリッポ・シッキターノ)の母親から、自分が半年留守にする間、ブルーノの部屋でルカの面倒を見てほしいと頼まれた。
更にルカは、自分とブルーノとの間に15年前に生まれた子供だという驚くべき事実を知らされて動転する。

自分が父親であることは告げないまま、ブルーノはルカとの共同生活を始めた。
音楽とボクシングには興味を示しているが、教科書も持たずに登校し、授業中もうわの空のルカ。
当然成績も芳しくなく、母親に代わって面談を受けた高校の担任から「今のままでは落第する」と聞かされたブルーノは、ルカと真剣に向き合うことを決意し、あれこれと面倒を見始めた。
まるで“父親”のように口うるさく関わってくるブルーノに反発するルカだったが、次第に勉強にも興味を示すようになっていく。

しかしある夜、ブルーノから束縛されるような窮屈さを感じてもいたルカは、勉強を途中で投げ出すと悪友たちと遊びに出てしまった。
そしてつい出来心でやってしまったことから、命の危険にさらされる大きなトラブルに巻き込まれる……


人生を変える「人との出逢い」というものが必ずある。
それが自分の人生を変えるものだったと分かるのは、「出逢い」よりもずっと後であることが多いのだが、「出逢い」の直後から大きく人生が動き始めることもある。
悪い方向へと人生が動いていく「出逢い」もあれば、好転していく「出逢い」もある。
自分と出逢った相手の人生がプラスへと好転してくれることを願うばかりだが、相手が自分との「出逢い」をどう受け止めるか、「出逢い」を通じて何を得るかによるものであり、こればかりは如何ともし難い。

しかし、ある時に巡り合う人との「出逢い」は、きっと必然なんだろう。
それが後々お互いにプラスとなっているものを「良縁」と呼ぶのかもしれない。
出逢ってから常に顔を合わせることができる「出逢い」もあれば、しばらくして離ればなれになる「出逢い」もある。
離れても関係性が続くこともあれば、全く疎遠になってしまうこともある。
様々な出逢いが「良縁」と呼べるような生き方ができれば、その人生はきっと幸せだ♪

自分自身をふと振り返ると、たくさんの「良縁」に恵まれてきたことを改めて実感する。
たぶん、「良縁」と呼べないものもあるのかもしれないが、幸いなことに(?)そんな御縁は記憶の彼方に消えている。
(単にお気楽な性格によるものなんだろうが)
それでも確実に言えるのは、「良縁」がはるかに多いということ。
こんなありがたいことはなく、日本古来の伝統に則り、お天道様とご先祖様に感謝したい。
(ヘンな宗教ではないので心配ご無用にて念のため)


昔、ひょんなことから出逢った女性と関係を持ったブルーノ。
彼にとっては、もう忘れ去ってしまっていた出来事だったが、その「出逢い」で自分には子供ができていた。
そして15年が経ち、その子供との「出逢い」によって、ブルーノは自分自身と改めて向き合うことになる。
その子供・ルカも、ブルーノとの「出逢い」によって自分自身と向き合い、自分の将来や人生に対しても真剣に考えるようになっていく。
知らずに生きてきた実の親子が、「出逢い」を通じて互いに自分自身を見つめ直し、新たな人生を歩み始める。
また、ルカが追い込まれた絶体絶命のトラブルも、ブルーノの教師時代における「出逢い」によって思わぬ展開を見せる。

さまざまな「出逢い」が、それぞれの人物の生き方や人生を変えていく様子を、説教臭さを一切排除したコメディタッチで軽やかに描いていく佳作。


ブルーノのしあわせガイド
2011年/イタリア  監督・脚本:フランチェスコ・ブルーニ
出演:ファブリツィオ・ベンティヴォリオ、フィリッポ・シッキターノ、バルボラ・ボブローヴァ、ヴィニーチョ・マルキオーニ、ジュゼッペ・グアリーノ、プリンス・マヌジベヤ、アリアンナ・スコメーニャ、ジャコモ・チェカレリ、ラファエロ・レボローニ

「旅立ちの島唄 十五の春」

2013年06月03日 | 映画
沖縄本島から東に360km離れた南大東島。
人口およそ1300人の小さなこの島には高校がない。
そのため、進学する島の子供たちは皆、中学校を卒業すると同時に島を離れていく。

小学生から中学生までの島の女の子たちで構成される、南大東島の民謡グループ「ボロジノ娘」。
高校進学のために島を離れる中学3年生のリーダーから、恒例の卒業コンサートの日に新しいリーダーを受け継いだ優奈(三吉彩花)も、来春の高校進学を決めていた。
それは同時に、来年の春には島を離れることを意味している。
沖縄本島の那覇には、高校に進学した姉の美奈(早織)と共に島を離れて以来、めったに島に戻ってくることのない母親の明美(大竹しのぶ)が住んでおり、久しぶりに母親と一緒に暮らせることを、優奈は楽しみにしていた。
しかし同時に、優奈には気がかりなことがあった。
兄も姉も沖縄本島に生活を移している今、自分が母親と一緒に那覇で暮らすことになれば、島には父親の利治(小林薫)がたった一人残ることに心を痛めていたのである…


8Km離れた北大東島を除き、周囲は数百キロに渡って陸地の無い絶海の孤島である南大東島。
人口はおよそ1300人。
島民は皆顔見知りであり、島全体がひとつの大きな家族のようで、互いに支え合い、寄り添うように暮らしている。
島民にとって何よりも大切なはずの家族が、子供の進学と共に離ればなれになってしまうという島の宿命。
子供だけが島を離れることもあれば、子供と共に母親が沖縄本島に渡るケースも多いとか。
都会に暮らす自分には思いも及ばない現実が、この小さな島には厳然と存在する。
物理的に離れて暮らす家族が、やがては互いの心も離れていくこともあることも事実。
多くの離島を持つ沖縄では、このような状況が原因となって離婚に至る夫婦も多いのではないだろうか。
南国リゾートのイメージと、明るく陽気な人々が暮らすように見える沖縄が、実は離婚率が高いというその要因には、経済的な厳しさだけではない、沖縄特有のこのような事情があるような気がした。

優奈の家族もまた同様の問題を抱えている。
姉が高校を卒業してからも戻ってこなかった母・明美と、島に残って黙々とさとうきび畑を守ってきた父・利治との間に“距離”を感じ始める優奈。
360kmという“地理上の距離”をカバーするためには、互いを思いやる“心の距離”を近く保つ努力は必要なはず。
不器用な利治は、明美の心に寄り添おうとする努力が十分だっただろうか。
姉の美奈(早織)は、夫との間に距離を置くために実家に戻ってきた。
“物理的な距離”はそのまま“心の距離”と同化していく。
二人の心が再び寄り添うためには、夫が“物理的な距離”を乗り越える必要がある。
そして家族の問題だけでなく、優奈の恋愛にも“距離”の問題が大きな影を落とすことになる。
全編を通じて“距離”が大きな鍵となるのもまた、南大東島を舞台とした物語なればこそ。
普段は意識することのない“距離”について、過去に思いを巡らせ、現在そして未来について考えた…


北大東島の同級生の男子と文通で恋を育み、那覇で新しい暮らしを確立していた母の姿にショックを受け、那覇から子供を連れて帰り、いつ戻るともなく実家で過ごす姉の姿に気を揉む優奈。
時に激しく混乱し、大きく心を揺らしながら、様々なことを乗り越えて成長していく優奈と、そんな娘を寡黙ながらも温かく見守り続ける父親の姿を描きながら、南大東島の“今”をありのまま伝える、ヒューマンドラマの秀作。

本作のために三吉彩花は実際に三線を習い、島唄を猛特訓したという。
優奈と同じ年頃の彼女が歌う渾身の島唄「アバヨーイ」が胸を打つ。
朗々とその歌声が響くクライマックスシーンで涙するのは、スクリーンの中の優奈のおとうとおかあだけではない…


旅立ちの島唄 十五の春
2012年/日本  監督:吉田康弘
三吉彩花、大竹しのぶ、小林薫、早織、立石涼子、山本舞子、照喜名星那、上原宗司、手島隆寛、小久保寿人、日向丈、松浦祐也、若葉竜也、ひーぷー、普久原明

久方ぶりの奪首

2013年06月02日 | 野球
G今季ワースト5連敗で首位陥落…内海3失点で2敗目(サンケイスポーツ) - goo ニュース


日曜日の試合とて、タイガースの先発は藤浪。
高卒ルーキーにして、早くもエースの風格さえ漂わせる投球スタイルは今日も健在。
とにかくランナーが得点圏に達したときの粘りは凄まじい。
2回裏に先頭打者から連打をくらって無死1、2塁のピンチを招くも、強打のラヘア、柳田、巧打の今宮の3人を三者連続に切って取る圧巻のピッチング。
3回裏も同じくピンチを招きながら、セ・パ両リーグ首位打者の内川を追い込んでから空振りをとり、見事な三振ゲッツーを決めた。
クソ度胸が据わっているというか、なんというか。
彼を凌ぐ強心臓の先輩投手が、果たしてタイガースに何人いることだろうか?
残念ながらその後のピンチで失点し、投球数が100球を超えたところで助っ人にやられて2点目を喫して降板したが、6回途中までで2失点とキチンと“試合を作った”天晴なピッチング。
そして降板直後の7回表、ようやくホークス先発パディーノをとらえた打線が逆転。
藤浪に勝ち星はつかなかったものの、チームは逆転勝ちをおさめることができ、更にはライオンズに破れた讀賣と入れ替わって首位に立つこととなった!

先に失点して降板しながら負けがつかない運の強さは相変わらずだが、チームに勝ち運を呼び込むことができるパワーを持っているのがいい。
藤浪は、タイガースにとって待望久しい、いわゆる“持ってる”選手だ。
正に彼がいたからこその“奪首”と言っても過言ではあるまい!

「オブリビオン」

2013年06月02日 | 映画
西暦2077年。
エイリアンの襲撃に辛くも勝利した人類だったが、相手を倒すための核攻撃によって地球は壊滅的なダメージを受けていた。
住めなくなった地球から、土星の衛星タイタンへと人類は移住。
海上には、タイタンへのエネルギー源供給のための海水を利用した巨大な施設が浮かび、地上は荒れ果てて大都会の名残が土の間から顔をのぞかせている。
荒野となった地球の景色は、かつての繁栄からは想像もつかない程に変わり果てていた。

地球にはエイリアン「スカヴ」の生き残り達が隠れ住み、エネルギー施設を攻撃しようとしていた。
これを防ぐために「ドローン」と呼ばれる無人偵察機が配備され、ジャック(トム・クルーズ)とヴィクトリア(アンドレア・ライズブロー)は、地上1000mに建てられた施設に派遣され、生活を共にしながら「ドローン」の管理とメンテナンスの任務に就いている。
ジャックは、飛行艇を駆使して故障したり「スカヴ」の攻撃を受けて地上に墜落した「ドローン」の修理に当たり、ヴィクトリアは地上の監視と指令本部との連絡を担当していたが、その任務もあと2週間となっていた。
二人の日常には特に際立った変化もなく、滞りなく任務を終えてタイタンに向かう日を心待ちにしている。
ただ、ジャックには一つだけ心にひっかかることがあった。
それは、繰り返し見る同じ夢に現れる謎の女性の姿(オルガ・キュリレンコ)。
5年前、任務における機密保全のために、過去の記憶を消されていたため、彼女が誰なのか思い出せずにいたのだ。
彼女とは、現実に何らかの関係があったのか、それともただ夢の中に現れるだけの幻の存在なのか…?

ある日、墜落する宇宙船を目撃したジャックは、指令本部の命令を無視して墜落現場に急行する。
そこには、地表に激突してバラバラになった船体から飛び出したらしいたカプセルが落ちていた。
中には、人間が眠っていた。
そのうちの一つのカプセルを覗き込んだジャックは驚愕する。
そこに眠っていたのは、あの夢に出てくる女性だったのだ!
混乱するジャックをよそに、墜落現場に飛んできた「ドローン」が、人間が眠っているカプセルを襲撃していった。
「中に人間が眠っているんだぞ!」
女性が眠るカプセルを「ドローン」の攻撃から守ったジャックは、ステーションへと運びこんだ…


夢の中でだけ出会ってきた女性・ジュリアが現実として現れるところから、ジャックの謎は深まっていく。
そして「スカヴ」との戦闘の末に気を失ったジャックが目を覚ますと、謎の男・ビーチ(モーガン・フリーマン)が現れる。
誰もいなくなったはずの地上に、自分たち以外の人間がいたのだ!
困惑するジャックの前に現れたジュリアとビーチによって真実が明らかになっていくことで、スクリーン上で繰り広げられてきた物語が大きくひっくり返っていく。
凄まじいパラダイム転換が起こる驚愕のストーリー展開はダイナミックでスリリングで、あれよあれよという間にクライマックスシーンまで観客を連れていく。

「トロン:レガシー」を撮ったジョセフ・コシンスキー監督によって描かれる、荒廃した中に美しい“自然”の姿が散りばめられた地球の風景が美しい。
エイリアンによって破壊された月が夜空に浮かぶ光景など、実際にそんなことが起こったらこんな風に見えるのだろうなぁ…と、想像力を掻き立てられて悲しくも楽しい。
子供の頃に見た学研の図鑑「宇宙」を開いたときのワクワクしたり怖かったりした感覚を思い出した。

豊かな自然に包まれるラストシーンに、心穏やかに劇場を後にすることとなる、新感覚SFサスペンス。


オブリビオン
2013年/アメリカ  監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコ、モーガン・フリーマン、メリッサ・レオ、アンドレア・ライズブロー、ニコライ・コスター・ワルドー、ゾーイ・ベル