面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

必修漏れ

2006年10月31日 | よもやま
珍しく社会ネタで。

全国の高校で、必修科目である世界史の履修漏れが続出し、大問題になっている。
自分の高校時代を振り返ると、ヒルマン発言だ。
「シンジラレナ~イ」
現在とは教育課程も文部省(現文科省)の取組も異なるので、単純比較できるものではないが、それでもちょっとどうよ?という感は否めない。
大学入試に有利な科目にのみ集中し、履修もさせないというのでは、「教育」という観点からは本末転倒甚だしである。

確かに自分も、受験に際しては世界史ではなく日本史を選択した。
しかしそれでも、世界史の授業で得た知識は、深くはないが“教養”として多少身についている。
このちょっとした“教養”は、社会に出てから大いに役に立つ。
現在の学校教育では、この“教養”というものをなおざりにされているのではないだろうか。
「知識詰め込み教育の弊害」という言葉に引きずられ、詰め込みもなにも、一旦知識としてインプットされなければ、個人個人の興味の選択肢さえ持つことができなくなる、という点が無視されてきた結果が、現在の教育現場の大混乱を招いてはいないか。

深慮なし、調査なしの思いつき記事であるが、そんなことをふと…

頭の中で流れつづける歌

2006年10月30日 | music
ハートというロックグループをご存知の方がどれくらいいるだろう。
80年代を代表する洋楽番組「ベスト・ヒット・USA」でも度々チャートインしていた、女性ボーカルのハードロックグループである。

このハート(HEART)が、そのまんま「HEART」というタイトルのアルバムを出していたが、この中に収録されている「THESE DREAMS」という歌が、たまに頭の中に流れ出す。
そして、曲が流れ始めると、サビの部分がエンドレス状態になってかかり続ける。
歌詞を明確に覚えているワケではないのに、曲と歌詞っぽい歌声が流れ続けるのである。
集中力が落ちている証拠なのかもしれないが、世間の皆さんにもそんな曲があるのだろうか。
これは自分だけの、実は“イタイ”症状なのか??

このアルバム「HEART」の中には、他にも同様の“エンドレス状態”を巻き起こす曲が収められていて、HEARTのアルバムはこれしか聞いたことが無いのだが、ものすごいオキニの1枚である。
今もHEARTは活動しているのだろうか?
それより、グループは存在しているのだろうか??

「マリー・アントワネット」

2006年10月29日 | 映画
マリー・アントワネットと言えば、すぐに「ベルサイユのばら」を連想する。
このいかんともしがたい貧困な発想に違わぬ、宝塚大劇場の舞台を数千倍絢爛豪華に、そしてロックをBGMにポップにヴィヴィッドに表現される宮廷生活が繰り広げられる映像は圧巻。

食べるのがもったいないような、部屋中に並べられた、かわいらしくてキレイなお菓子の数々。
いくらあっても次々欲しい靴、靴、靴。
今日はどんな新しいデザインのドレスが来るかしら♪
ピンクが溢れるマリーの生活が、華やかであれば華やかであるほど、マリーの満たされない心模様が際立っていく。

新婚初夜から全く妻に興味を示さない夫・ルイ16世。
まだまだ遊びたい盛りの幼いと言ってもいい年齢で、たった一人、言葉も文化も異なる異国へ嫁がされたマリーにとって、唯一の心の拠りどころとなるはずだった夫から妻として扱われなかったとき、その孤独感を埋めるため、物質的な充足感と享楽に走るのは当然のことだったろう。
一般的には、国家財政を破綻に導くほどの浪費家として、悪役のレッテルを貼られることの多いマリーの、正に“女の子”としての等身大の姿を描く手腕は、女流監督ソフィア・コッポラならでは。

結婚以来7年間、いわゆる夫婦生活が無かったというルイ16世とマリー・アントワネット。
“初体験年齢”がどんどん下がっている現代と異なり、14歳と16歳の夫婦ではそれもいたしかたなしということかもしれない。
弟王子達とは違い、シャイで不器用な彼に、女性の扱いを教えるという教育は施されてはいなかったのだろうか。
それも帝王学に入ってるものではないのか?などと老婆心な見方もしてしまうが。

そやけどそれって実は、「キルスティン・ダンスト」やからとちゃう?
という“オッサン感覚”に基づく偏見的視点からこの作品を眺めると、また違ったところが見えてたりする。
相手がモニカ・ベルッチやったら、新婚時代から毎年のように次々と子供が生まれ、王子・王女のの5人や10人、できていたことよ(詠嘆)。
しかし、世の男性諸氏にはある程度ご納得いただけるものと思うのだが如何!?
そこまで発想を巡らせての配役であったなら、ソフィア・コッポラの慧眼や恐るべし!である。

紫亭京太郎氏に同行した試写会での観賞。
セクハラ発言、蒙御免!

2007年1月公開予定
マリー・アントワネット
2006/アメリカ・フランス・日本合作  監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン、アーシア・アルジェント、マリアンヌ・フェイスフル、ジュディ・ディヴィス、リップ・トーン

「デスノート the Last name」オンライン限定特典付前売券 by 紫亭京太郎

2006年10月28日 | 映画
前編を観に行って思いのほか面白かった「デスノート」。
オチを観ないことにはキモチ悪すぎであり、またネットTV「88 Yellow Night!!」でも前編を紹介しているのに後編は無し、てなことはネタ的に面白みが無いので、後編(完結編)を観に行かねば!と考えていた。
そんなとき、TSUTAYA online のメルマガに、オンライン購入だけの特別仕様前売券発売の広告が載ったので、これはネタになる!とばかりに購入した。

「TSUTAYA online 独占!」というこの特製前売券の特典とは次の3つ。
■ログインCD-ROM
作品情報、壁紙、スクリーンセーバー、特報、予告編、藤原竜也メッセージ、シークレットサイトへのアクセスパスワード
■シークレットサイト
スペシャル壁紙、メイキング映像、ゲーム、どこよりも早い情報先出し部屋他
■チケット絵柄もオンラインだけ違う!

そのチケットが今日宅配で届いた。
さっそく封を切ると、出てきたのはミサミサが持つことになるデスノートのデザインそのままのチケットホルダー。
ホルダーにはチケットのほか、特製CDが挟まれてあった。
さっそく中身を見よう!とCDをパソコンにセットした。
ところが…

待てど暮らせど画面が立ち上がらない。
パソコンのCD-R/Wは、「ウィーン…カチャッ!カッチャッ!シュルシュルシュル、カチャッ!カチャカチャカチャッ!ウィーン、シュルシュルシュル、カチャカチャカチャカチャッ…」と、どうにも好ましいとは思えない音をたてているだけ。

おいおい!せっかくの特典の中身が何も見れんやないかい!!
ネットカフェででも確認するか…
(せっかくツタヤオンラインで買ったのに意味ねーっ!)

日本シリーズ第5戦

2006年10月27日 | 野球
今日は紫亭京太郎氏のラジオ番組収録に立ち会っていて、試合経過さえチェックしないまま、結果も知らずに帰宅した。
テレビをつければちょうど報道ステーションがスポーツコーナー。
試合のハイライトが流れている画面をよく見ると、「日本ハム44年ぶり日本一」とあるではないか!
なんや!試合経過見る楽しみが半減したがな。

先発は大方の予想通り、日本ハム次代のエース・ダルビッシュとセ・リーグのエース川上憲伸。
両投手とも入魂の投球を展開したようだが、見事にダルが雪辱を晴らした結果となった。

某スポーツ紙に面白いジンクスの話が載っていた。
それは、山本昌は日本シリーズでは勝てない、というものだけではなかった。
過去4回の日本シリーズにおいて、中日の山本昌が負け投手になると、それ以降の試合は全敗して敗退してきたのだとか。
88年の西武戦、99年のダイエー戦は、いずれも1勝1敗のタイで向かえた3戦目に山本昌が先発して敗戦投手。
すると両年ともに4戦、5戦と落として日本一を逃している。
2年前の西武戦でも3勝2敗と王手をかけた6戦目に山本昌で敗れると、7戦目も負けて日本一を逃した。
このジンクスを消そうと、中日ナイン達は燃えたらしいのだが、結局今年もジンクスが生きてしまった。

なんにしても今年の日本シリーズは「SHINJOシリーズ」だった。
プロ野球人生の最後を地元での日本一で飾るなんて、水島新司でも描かないようなでき過ぎた話だ。
新庄自身も言っていたが、でき過ぎにも程があるというもの。
本当に明日からカラダに気をつけた方がいいだろう(笑)

いよいよこれで、今年のプロ野球は全公式日程を終了した。
本格的なオフシーズンの始まりである。
さあ、試合ではない、どんなドラマが待っているのだろう?

日本シリーズ第4戦

2006年10月26日 | 野球
今日も日ハムが中日に快勝してシリーズ3勝1敗!
イッキに王手をかけた。
北海道ファンのためにも、プロ野球全体の繁栄を考えれば、明日札幌ドームで大観衆の前で日ハムに優勝を飾ってほしいところであるが、どうだろう。

今日の試合、スポーツニュースなどで追っただけではあるが、見ていると流れは完全に日ハムにある。
いや、新庄にあると言ってもよかろう。
「オレ竜」は、日本一になったとしても話題を食われてしまうであろう「SHINJO」に、完全に飲み込まれている。

二死満塁という一打逆転のチャンスで、井上が放ったライト線への大ファールは、このシリーズを象徴する一打となりそうだ。
あと数cm左に寄っていれば、フェアとなって走者一掃の逆転タイムリーだった当たり。
あれがシーズン中のタイガース戦だったら、フェアグラウンドに入っていただろう。

継投にしても、落合監督がマウンドに行った直後に打たれるという悪循環。
シーズン中には決して見ることのなかったシーンが繰り返される。
チャンスをことごとく併殺で潰す攻撃もそう。
とてもタイガース相手にナゴヤで10勝1敗の戦績を残したチームとは思えないテイタラクである。

この中日にとって最悪の状況を止めることができるのは、明日登板が予想される川上憲伸だけだ。
憲伸が期待通りの投球をすれば、まだ勝機は十分にあるが、相手は雪辱に燃えるダルビッシュ。
いよいよ目が離せない展開になってきた♪

「スネーク・フライト」

2006年10月26日 | 映画
もー最高♪
平日の夜、仕事でシビれたアタマには、こんな映画がピッタリ!
ぶっちゃけ、有名どころはサミュエル・L・ジャクソンだけ。
「2006年ヘビがジャンボをジャックする。」というコピーからはカルト臭プンプン、パニック・アクション超大作のハイテンション・ムービーである。

原題は「SNAKES ON A PLANE」。
直訳すれば「飛行機の蛇たち」てなことだが、中身そのままのタイトルであり、タイトルから映像が想像できるというもの。
(生理的にヘビが受け付けられない方は要注意)
邦題の「スネーク・フライト」では、「え?ヘビが飛行機を操縦する話?」と勘違いされかねない(そんな発想は自分だけか?)。

ハワイでサーフィンを楽しんでいた高校生のショーン(ネイサン・フィリップス)は、マフィアのボスであるエディ・キムが検察官を殺す場面を目撃する。
そのマフィアを長年追ってきたFBI捜査官フリン(サミュエル・L・ジャクソン)は、ショーンの身柄を確保し、キムの裁判に証人として出廷させるべくロスまで護送するため、サウスパシフィックPA121便に乗り込む。
キムは証人を殺すべく、彼らが乗るPA121便に、毒蛇や大蛇など、数千匹もの蛇を貨物として送り込んだ。
そしてロスへ向けて飛び立った121便の貨物室で、時限爆弾のように貨物が破裂し、中から無数のヘビが飛び出した。
高度1万メートルの密室に解き放たれた毒蛇に大蛇は、機内の電気回路を故障させ、客室へと侵入すると、次々と乗客に襲いかかっていった!

始まって数分後、いきなりショーンが殺人現場に巻き込まれるところから、イッキに映画のテンションは高揚し、そのハイテンションを最後まで維持し続ける。
一難さってまた一難。
これでもかとばかりに繰り返される“イベント”は、正にジェットコースターに乗っている気分。
最後にはサム演じるフリンもブチギレて、なんと飛行機の中で銃をぶっ放し、窓を割って大きな穴を開けるに至る暴挙に出る始末。

そうそう!
この映画から得られる教訓は、もしもの時のために、フライトシュミレーションのビデオゲームに熟達しておくべし、ということだ。

デイビッド・R・エリス監督の作品を観たのは「セルラー」以来であったが、今回もまたスタート即トップギアへシフトする演出に身をまかせてスクリーンに没頭し、エンドロール終了後は気分爽快♪
心地よく劇場を後にした。

スネーク・フライト
2006年/アメリカ  監督:デイヴィッド・R・エリス
出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス、レイチェル・ブランチャード、フレックス・アレクサンダー

「赤龍の女」

2006年10月25日 | 映画
大阪のとある街。
暴力団・黒澤会の組員ばかりを狙った連続殺人事件が発生。
捜査によると、被害者はすべて鋭利な刃物による斬殺だった。
屈強な男でさえ、一刀両断にされてしまうほどの達人ぶり。
鮮やかすぎるその手口は、誰がみてもプロの仕業だった。

黒澤会幹部の荒巻(遠藤憲一)は犯人の割り出しを急ぐ。
しかし焦りとは裏腹に、犠牲者は増え続ける。
そんな中、組長が雇った殺し屋の調査により、ひとつの手がかりが浮かびあがった。
「赤龍」の刺青を入れた女。
そして「朝比奈家一家惨殺事件」という10年前の凄惨な事件。
わずかな情報を元に、黒澤会は全力で犯人を追うが、それは忌まわしき10年前の記憶を呼び起こす、新たな事件の始まり…。

アクション俳優の集うJAE(ジャパン・アクション・エンタープライズ)の中でも特に身体能力の高い役者をそろえた本格的アクション・ムービー。
中でも、JAC一期生にして千葉真一の愛弟子で、師匠とともに「キル・ビル」にも出演した大葉健二の殺陣は圧巻。
クエンティン・タランティーノもファンだという、そのキレのあるアクションは見ごたえ十分。
また、親友の八代じゅんちゃんも感動の涙にむせぶほどの猛特訓を重ねた末に体得した剣舞はもちろんのこと、ふとした仕草に見せる艶やかな表情が愛らしく、切ない“殺人マシーン”を演じる和泉奈保ちゃんの熱演も必見!

全編大阪と神戸を舞台にロケを敢行。
関西発の怪作!…という中で惜しむらくは、オープニングシーンでのヤクザの大阪弁。
微妙にイントネーションが外れるところがあり、やや迫力が削がれてしまっているのがやや残念。
主役陣が標準語である分、脇を固めるヤクザ連中が徹底した大阪弁を使いこなしていれば、更に迫力が増したはず。。

映画初主演となる美崎悠演じる主人公の朝比奈由衣が、暗く端整な顔立ちの中に、一瞬見せる妖しい女の表情にも関わらず、“復讐鬼”のキャラを貫いて、自分を慕う男をアッサリ突き放すところが潔くて後味が清々しい。

いやー、しかしこれを1週間程度で撮り終えていると聞いてエラビックリ!


赤龍の女
2006年/日本  監督:市川徹
出演:美崎悠、武智健二、遠藤憲一、我修院達也、大葉健二、島津健太郎、和泉奈保

たらこ

2006年10月24日 | よもやま
一人でふらっと入った回転寿司。
一通り食べ終わって満足した~♪と茶をすすっていると、向こうから、デカイたらこがど~んとシャリの上にのった寿司がやってきた。
おぉっ!こ、これは!
寿司でたらこちゅうのはどうか!?とも思ったが、実はたらこには目が無い。
もうすっかり落ち着いて清算しようと思っていたのだが、ピクピクと食指が動く。
脳下垂体が「まだ胃袋には入る」と臨戦体制が可能なことを告げる。
箸を持ち直そうと手を伸ばしたその刹那…

いや!イカン!

魚のタマゴというのは、プリン体の“宝庫”なのである。
何を隠そう、痛風予備軍の我が身にとって、このプリン体満載の食べ物を口にすることはタブーなのだ。
たらこの他、いくらもかずのこも、煮た鯛の子なんぞも(めったに外食時に見かけることはないが)大好きなのだが、寿司やそれぞれの単品おかずは手に取らないことにしている。

しかし!このたらこの寿司はただものではなかった。
着色料のついていない、ちょっと肌色がかったような、くすんだピンクのようなたらこがどど~ん!としゃりの上に乗っている寿司の皿が近付いてくるにつれ、あのたらこ独特の食感が思い起こされ、恍惚の世界へと誘われ始めたのだ。

満席の3つ隣のオヤジの前にさしかかったとき、急にある指令がパッとアタマの中を飛んだ。
「やめとこ。プリン体モノは。」
再び茶をすすって、やりすごすことにした。
そして正に目の前をたらこがぐぐーっと通過しようとしたその時!

ぱくっ。
もぐもぐもぐもぐもぐもぐ…

嗚呼、神は何故に、美味いものをカラダの毒に作りしか!?

日本シリーズ第2戦

2006年10月23日 | 野球
日ハムが一矢報いて、1勝1敗のタイに持ち込み、北海道へ凱旋することができた。
これでまた行方がわからなくなった。

今日を中日が獲っていれば、10中8、9は中日がシリーズを制しただろう。
日ハムにとっては最悪の状態を逃れて、北海道に帰ることができたのは大きい。

先発は日ハムは新人ながら12勝、防御率2.48でパ・リーグ3位という八木。
かたや中日は41歳のノーヒッター、大ベテランの山本昌。
同じ左投手で、投球スタイルもそっくり、ちょっとギクシャクした投げ方も良く似ている両投手の対決は楽しみでもあった。
(と言いながらテレビ中継はほとんど見ていなかったのだが)
どちらもストレートは130km/h台。
驚くようなスピードはないが、変化球のキレとコンビネーションが良く、打者に対して実測以上に速く見せることができる技術を持っている。
そして、左腕が身体に巻きくように、カラダ全体の前への動きに比べて遅れて出てくる独特のピッチングフォーム。
打者からはボールの握りが見えにくく、速球でも変化球でも同じように思い切り腕を振ってくるので、バッティングのタイミングがとりにくい。
従って松坂の速球のスピードには程遠いストレートでも、バッターは振り遅れて詰まった当たりになる。

それにしても日ハム先発の八木は素晴らしい。
とても新人とは思えないマウンド度胸。
特に5回裏のバント処理は圧巻であった。
ノーアウト1、2塁という大ピンチ。
打者は投手の山本昌で、絶対に送りバントの場面。
やや3塁方向に転がった山本昌のバントの打球に、脱兎の如くマウンドを降りてきた八木は、躊躇無く3塁へ送球し、2塁ランナーを刺した。
一死2、3塁へと変わるのと、同じ1、2のままでしかも1塁ランナーを投手の山本昌に代えるのとでは雲泥の差。
八木にとって精神的なプレッシャーの差は計り知れないくらいに大きい。
案の定、後続を自信満々、思い切りの良い強気の投球で押し切って無失点で切り抜けた。
この八木のバント処理は、第2戦の流れを左右するターニングポイントともなった。
そして失点を井端と福留の2発だけに抑えたことも大きい。
大きく崩れることなく、冷静に熱い投球を演じた八木が、勝利の立役者筆頭であることは間違いない。

また、ほとんど見ていなかったテレビ中継の中で、八木のバントと並んでもう一つ印象に強烈に残ったプレーがあった。
日ハムの2番・田中賢。
8回表、ノーアウトから先頭の森本がヒットで出て回ってきた打席。
ベンチのサインはシーズン中と同じく送りバント。
そして彼は、中日戦のセオリー通り、ファーストのウッズめがけてキッチリと打球を転がした。
転がった位置といい、死んだ打球の勢いといい、送りバントの見本のような見事なバントだったが、それよりもその走塁が素晴らしい。
一塁へ全力疾走し、緩慢なウッズのスキを突くのである。
間一髪でアウトにしたウッズであったが、肝を冷やしたに違いない。
こういうプレーの積み重ねが、見えないウッズへのプレッシャーとなるのだ。
ランナーを置いて田中賢に打席が回ってきて送りバントの構えを見せたとき、ウッズは相当イヤな気分になり、エラーする確率が上がる。
ウッズ潰しの見本、基本中の基本のプレーである。
タイガースの赤星や藤本には、肝に銘じておいてほしいシーンであった。
こういう“いやらしさ”の無いことが、今季タイガースが連覇できなかった大きな原因
の一つであることはこのブログでも指摘してきたが、交流戦以外に対戦のない日ハムの田中賢がさっそくやってみせたのには、彼の野球センスの良さが伺える。

ランナーがいようが、自分の打撃の調子が悪かろうがおかまいなしに、ポコンポコンとボールに日清製粉唐揚粉をまぶしたようにフライばかり打ち上げる藤本には、この田中賢のプレーを見て感じ取ってもらいたいものであるが、どうだったろうか。
ま、そこで「よし!これや!」と感じ取れる感受性が彼にあれば、荒木・井端に対抗できる赤星・藤本の1、2番が誕生してるわな。
だから藤本は、タイガースに必要無い。
しかし彼を欲しいというチームはたくさんあるはずなので、いい投手を取れるトレードが見込めるのだが、編成部はどう考えているだろう。