面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

言い訳

2012年12月24日 | ニュースから
国民審査集計ミス、沼津では「全員罷免」9割に(読売新聞) - goo ニュース


ものすごい単純なミスがあちこちで発生した様子。
あまりにも仕事の質が低過ぎるのではなかろうか。
言い訳するな!しっかり仕事しろ!とは、若手社員が先輩から叱咤されるときの常套句のひとつ。
それを肝に銘じてもらわないといけないのは情けない話。
我々の税金を無駄にするべからず。
しかし汗水流して“稼いでいる”という実感が無いということの表れではなかろうか。
“お役所仕事”の気楽さは、不況の苦しさや日本全体を覆う閉塞感とは別世界のものであり、生活苦にあえぐ多くの国民からの反感を生むべくして生んでいる。

「レ・ミゼラブル」

2012年12月22日 | 映画
妹の娘のためにパンを盗んだ罪で投獄され、19年もの服役の後に仮釈放となったジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)。
社会に戻ったものの先々で前科者と蔑まれて職に就けず、絶望の中で凍える夜を過ごそうとしたところを司教に救われる。
一宿一飯の恩義を受けたにも関わらず、ジャンは司教のもとから銀器を盗んで逃亡。
警察に捕まって司教は、銀器は彼に与えたものだとジャンを庇うだけでなく、忘れ物だとして更に銀の燭台を彼に渡す。
司教の深い慈悲に触れたジャンは改心し、過去を捨てて懸命に生きた。

やがて工場を経営するにまでなり、人格者として人望を集めたジャンは市長に就任していた。
ある日、彼のもとにジャベール(ラッセル・クロウ)という男が現れる。
彼は昔、看守として囚人を監視していたのだが、仮釈放の身から忽然と行方不明になったジャン・バルジャンを追っていたのだった。
新たに市の警部に着任した挨拶としてジャンに会いに来たジャベールは、市長の“正体”を訝しがる。
そんな中ジャンは、かつて自分が経営していた工場を解雇され、生活苦から娼婦に身をやつしたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と出会う。
彼女の人生を狂わせた要因は自分にあると自責の念に苛まれた彼は、ファンテーヌの一人娘であるコゼットを引き取って育てることに。
ところが、ジャベールから「ジャン・バルジャンが逮捕された」という話を聞くと、無実の罪で捕らえられた男を救うために正体を明かす。

再びジャベールから追われることになったジャンは、コゼットを守るために追撃をかわしてパリへと逃亡。
ジャンは、コゼットに父親として溢れんばかりの愛情を注ぎ、美しい娘に育て上げる。
親子として平和に暮らすジャンとコゼット(アマンダ・セイフライト)だったが、パリの下町で革命を目指して学生達が蜂起。
二人は激しい時代の波に飲み込まれていく……


ヴィクトル・ユーゴー原作の大ヒットミュージカルを、「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を獲得したトム・フーパー監督が、舞台では再現できない映画ならではのシーンを交えて完全映画化。
ほぼ全てのセリフは歌になっていて、しかもアテレコではなく、実際に演技しながらその場で歌声をレコーディングするという、これまでのミュージカル映画にはない斬新な手法で制作されている。
この手法だからこそ、リアリティ溢れるセットの中で、歌によって会話し感情を表現するという、ともすれば違和感を感じてしまいそうな構成にも関わらず、演技と歌唱とが混然一体となって胸に迫る映像を作りあげることができたのだろう。

そんな厳しい撮影を乗り切ることができたのも、名だたる俳優陣全員がオーディションによって登用されていることにも因るのではないだろうか。
トニー賞俳優であるヒュー・ジャックマンの確かなミュージカル俳優としての能力のみならず、アン・ハサウェイ、ラッセル・クロウ、アマンダ・セイフライト、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエンと、皆確かな力量を持ったキャストが集められていることが、何よりも映画を成功に導いているのは間違いない。


劇中でもさんざっぱら泣かされながら、クライマックスで高らかに歌いあげられる「民衆の歌」に、万感の思いが込み上げて最後の涙を絞り取られ、脱水症状を起こすのではないか危惧した(そんなこたぁない)。
試写で渡されたプレスシートに「レ・ミゼラブル」の舞台公演のチラシが挟まれていたので、思わず前売り券の発売日を確認してしまった。
是が非でも、スクリーンを通してではなく、劇場の“ライブ空間”で「レ・ミゼラブル」を体感したいもの!
前売り発売が待ち遠しい!(ややフランソワ・トリュフォー風)
その前に、もう一度劇場で観よう♪

大感動のミュージカル大作にして、大いに心震える大傑作!


レ・ミゼラブル
2012年/イギリス  監督:トム・フーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、エディ・レッドメイン、アーロン・トゥヴェイト、サマンサ・バークス、ヘレナ・ボナム=カーター、サシャ・バロン・コーエン

「アウトレイジ ビヨンド」

2012年12月11日 | 映画
5年前、卑劣な“下剋上”で暴力団「山王会」の二代目会長に就いた加藤(三浦友和)。
かつて大友組の金庫番として資金稼ぎに辣腕をふるった石原(加瀬亮)を若頭に抜擢して経済力を高め、「山王会」を豊富な資金力を持つ関東随一の巨大組織へと成長させた。
今や政界にも影響力を持つほどの勢力を持った山王会に対して、巨大暴力組織の壊滅を目論む警察組織は、苦々しい思いを抱いていた。
そんな状況を最大限利用して立身出世を狙おうとするマル暴の刑事・片岡(小日向文世)は、関西の雄である暴力団「花菱会」に目を付ける。
片岡は、加藤体制になってから冷遇されている古参幹部を焚き付け、表向きは友好関係を保つ東西の巨大暴力団の対立を巻き起こすべく謀略を仕掛けていった。

同時に片岡は、獄中で死んだとしていた元山王会傘下大友組組長の大友(ビートたけし)に接近する。
そのうえで「大友は死んだ」という情報を伝えていた加藤と石原に、大友が生きていることを伝えた。
大友を裏切って加藤に付いた石原は恐れおののき、大友を殺そうと躍起になるのだった。
片岡が接見してからしばらくして、「模範囚」として大友は出所する。
部下を連れて出迎えた片岡だったが、大友は暴力団に戻る気はないと言い放つと出迎えを拒否し、昔からの馴染みである韓国系の有力者の元へと身を寄せた。
何とかして大友を“動かそう”とする片岡は、かつて大友にメンツを潰された挙句に大友を刺した木村(中野英雄)を煽り、大友と力を合わせて「山王会」を倒すよう仕向ける。
そして「山王会」に対する恨みという、木村と大友の共通点を接点として二人を引き合わせ、大友の木村に対する“負い目”と大友の“昔気質”の性格を巧みに利用し、二人を兄弟分として結びつける。
更に二人を「花菱会」に紹介し、後ろ盾として二人を支援させることに成功する。

「山王会」に対して落とし前をつけようとする大友と木村。
関東に勢力を伸ばそうと目論む「花菱会」。
あの手この手を駆使して「山王会」の弱体化を画策する片岡。
三者の思惑が交錯し、再び激しい抗争劇の火ぶたが切って落とされる……!


前作「アウトレイジ」では、「殺し方の見本市」を前面に押し出した北野監督だったが、今回は登場人物の人間関係に焦点を絞って、現代のヤクザ事情を描く。
そのため、残酷な殺人シーンはほとんどなく、銃撃やナイフなどによるオーソドックスな襲撃シーンにとどまり、様々な人間模様を見せることに終始している。
皆が“腹に一物”を抱えて接近して慎重に探りを入れながら自らの思惑を遂げようとし、「騙し騙される」というよりも、互いに「利用し利用される」という関係性が縦横に展開され、義理人情を重んじる昔ながらの「任侠」など雲散霧消してしまったヤクザ世界の冷酷さを活写した。

いわゆる「ヤクザ映画」に位置付けられる作品ではあるが、昔の東映任侠路線のテイストと一連の「仁義なき戦い」の雰囲気を内包しつつ“今”を織り込んだ物語の展開は見事。
筋を通すことにこだわる大友達は昔ながらの“任侠道”に生き、「花菱会」は二枚舌を巧みに使いこなして“仁義なき”戦いを仕掛け、勢力を伸ばそうとする。
そして、暴力団同士の抗争を企てて暗躍する片岡は、マル暴の刑事でありながら微塵も正義感が感じられず、正に“第三極”としての存在感を示す。
この片岡の姿こそが、過去のヤクザ映画に無い異彩を放つ要因となっている。
「今の世の中、どうなってんだよ!」というビートたけしのツッコミが聞こえるようで痛快だ!


前作に引き続き出演する面々に、関西暴力団の幹部として西田敏行、神山繁、塩見三省の迫力あるキャラクターが加わって更にヒートアップ!
…しかしながら個人的には、彼ら3人の大阪弁が“生粋”でな無いところに物足りなさを感じたのが残念。
「極道の妻たち」の岩下志麻的な違和感が否めない。。。
いっそ渋谷天外や大村昆を幹部に仕立て、思いきり関西弁の罵詈雑言をまくしたてさせたら面白かったろうに、というのはトーシローの浅知恵ではあるが、少なくとも堤真一や佐々木蔵之助ら、関西出身の俳優陣を起用してほしかったとは思う。

とはいえ、最後までドロドロの人間関係が渦巻いて、話の中にグイグイ引き込まれて目が離せない。
これまた個人的ながら、ぜひシリーズ化して平成のヤクザ映画として確立してほしいもの。
お子さんが観るのにはお勧めできないが、暴力的娯楽活劇として面白い“北野怒劇”。


それにしても、結局ビートたけしがカッコよく描かれていて、オイシイところも持っていってしまうというのも、監督特権ということか。


アウトレイジ ビヨンド
2012年/日本  監督:北野武
出演:ビートたけし、西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁、田中哲司、名高達男、光石研

2012年流行語大賞

2012年12月05日 | よもやま
スギちゃん消える?ジンクスに「残りたいぜぇ~」(サンケイスポーツ) - goo ニュース


R-1で初めてネタを見たとき、いかにも東京でウケるイマドキなネタやなと思いつつ、じわじわ笑いが込み上げてくるおかしみが鮮烈に記憶に残った。
その後、あれよあれよという間にブレイクし、ついに今年の流行語大賞にまで登りつめた。
過去この大賞を取った芸人は、やはり「一発屋」となっていく宿命にあるかのように消えていっているが、それでもノミネートでとどまるよりはトップを取る方がイイに決まっている。
テツトモなんかは「なんでだろう」で地方営業回りで稼ぎまくっているし、ノミネートという中途半端な位置で終わるよりもインパクトを残せるので、今後の芸能活動にはとってメリットは大きいだろう。
ただしそこには、本人の人間性も大いに関係してくるのではあるが。
(誰とは言わないが、すっかり天狗になったことが有名な某女芸人は、ものの見事に消えてしまっている)

それにしても、大賞受賞となるとその内容について説明が付くワケだが、この「ワイルドだろぉ」の説明として、
「行き過ぎた野性的なエピソードを『ワイルドだろぉ』の一言で締めくくるネタ」
と妙に落ちついた感じで書かれると、本人がこれを読んだらこっ恥ずかしいだろうことは、間違いない(← このネタの方もどこへ行ったのだろう!?)