面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「放課後ミッドナイターズ」

2012年08月29日 | 映画
名門・聖クレア小学校の理科室は、取り壊し予定になっていた。
「危険だから入ってはいけない」と言われた、学校見学会にやってきたスーパー幼稚園児のマコ(声:戸松遥)、ミーコ(声:雨蘭咲木子)、ムツコ(声:寿美菜子)の3人が、おとなしくその場を立ち去るワケは無い。
オトナ達がいなくなればそのまま忍び込むのは当然。
見たことの無い不思議なものがいっぱいあって楽しんでいた3人は、人体模型を見つけると、体中に好き放題に落書きをして飾り立てた。

その夜。
パッチリまつ毛に青ひげ、鼻には花を飾られ、股間にかわいらしい象の絵…
体中さんざんに落書きされた人体模型のキュンストレーキ(声:山寺宏一)は、クソガキどものあまりの仕業にキレた。
しかしただキレるだけではないのが、長年理科室に立ち続けてきて、天才的な科学知識を身に付けたキュンストレーキのイイところ。
3人をパーティに招待するふりをしてお仕置きを企てる。
しかもただお仕置きするだけではなく、3人に伝説のメダルを集めさせ、理科室の取り壊し阻止を図ることにしたのは、相棒の骨格標本・ゴス(声:田口浩正)の提案。
こうして、あったまイイ~二人(…二体?)は、学校中の“ミッドナイターズ”を呼び覚まして3人を待ちうける、「放課後ミッドナイトパーティ」作戦を敢行することにしたのだった!

そして、“罠”(…ゲーム?)が仕掛けられているとも知らずに、マコ、ミーコ、ムツコのスーパー幼稚園児3人組は、パーティの招待状を手に、真夜中の聖クレア小学校へとやって来た……!


MOMA美術館のコレクションに加えられた短編『BANANA』で世界的に注目されている、映像作家・竹清仁が監督を務める初の長編アニメーション。
夜な夜な歩きだす人体模型や骨格標本に、目をぎょろぎょろさせる音楽室の肖像画。
「学校の七不思議」と呼ばれる“伝説”をモチーフに、3人の“スーパー幼稚園児”と“異形のモノたち”が、真夜中の学校を舞台に繰り広げるロールプレイング・ゲーム的要素も盛り込まれたハイテンション・ムービー。
モーションキャプチャーによる滑らかな動きと、程良くデフォルメされたデザインのマッチングが、非常に親しみやすくて心地よい。
子供の頃、東映アニメの「孫悟空」を見たときの、なめらかな動きのアニメーションに対する感動と畏敬の念が、自分の頭の中には刷り込まれているからだろうか。

主にハリウッド作品に見られるCGアニメーションでは、実写のような立体感と“質感”のある映像が追求されている。
二次元であるアニメーションの中に、いかに三次元を表現するかを追求し続けている。
しかしアニメーションと名を変えても、「絵」はあくまでも「絵」であり、二次元の“空間”に広がる世界でしかない。
そこに、どれだけ三次元の空間を描いてみても、「すごい」「本物のよう」と感心はするが、それ以上の感動や親しみの感情は湧いてこない(ストーリーからの感動などはあるが)。
二次元の世界にいくら精緻な“三次元的”映像が描かれても、結局は「それなら実写にすればいい」と思ってしまうのである。

その点、本作のアニメーションはあくまでも漫画としての“絵”であり、そこに二次元の世界としての安心感があって親しみが湧く。
昔ながらの「セル画」に対する親しみやすさを残しつつ、モーションキャプチャーによる滑らかな(ホンモノの、“実写”のような滑らかな)動きで会話や動きの「間(ま)」が良く、物語に心地よいテンポを生みだしている。
敢えてアニメーションと謳わずにプロモーションが展開されているということだが、むしろアニメーションの進化系として、「これはアニメです」と打ちだしてもいいのではなかろうか。


あくまでも二次元としての面白さが楽しい、ハイテンションに突っ走るアトラクション・ファンタジー!

宣伝用ムービーも爆笑モノにつき、一篇たりとも、くれぐれもお見逃しのないよう。


放課後ミッドナイターズ
2012年/日本  監督:竹清仁
声の出演:山寺宏一、田口浩正、戸松遥、雨蘭咲木子、寿美菜子

「かぞくのくに」

2012年08月28日 | 映画
1997年夏。
「帰国事業」により、25年前に北朝鮮に渡った兄・ソンホ(井浦新)が、日本に戻ってくることになった。
妹のリエ(安藤サクラ)は、喜び勇んで父(津嘉山正種)と叔父(諏訪太朗)と共に出迎えに行く。
5年越しの申請がようやく認められ、脳腫瘍の治療という“任務”を遂行するために来日したソンホに許された滞在期間はたったの3ヶ月。
しかも身辺には常にヤン(ヤン・イクチュン)という男が付きまとい、行動を監視しているという不自由なものだったが、奇跡的な再会に、家族はもちろん、かつての級友達(大森立嗣、村上淳、省吾)も大喜びする。
その中には、かつて互いに思いを寄せていたが離ればなれとなってしまい、今では医師の妻となっているスニ(京野ことみ)もいた。

治療に向けて検査を受けたソンホは、担当医から報告を受ける。
腫瘍は悪性の疑いがあり、手術をして経過を見守る必要があるが、とても3ヶ月では責任を持って治療できないことから、治療を引き受けるわけにはいかないと医師は告げた。
朝鮮総連の役員でもある父は、他の来日者の分と共にソンホの滞在延長申請の準備に取りかかる。
リエはスニに連絡を取って、医師である彼女の夫のツテを頼って、新しい医者を紹介してもらう手筈を整えていく。
その矢先、ソンホに本国から指令が下される。
「明日、帰国せよ…」


1959年から20数年もの間進められた「帰国事業」により、9万人以上の在日韓国朝鮮人が、北朝鮮に移住したという。
軍事政権下で不安定だった韓国に比べて、社会主義国家ながらソ連の支援などもあって経済成長がみられたという北朝鮮が、「地上の楽園」と謳われていたなどと、今となっては想像もできない。
しかし、インターネットを介して世界中の情報が得られる現代とは違い、海外情勢など限られた情報しか入ってこなかった当時、貧困と差別に苦しんでいた多くの在日コリアンが海を渡っていったのは、何ら不思議なことではない。
ましてや、共産国家は人民にとって理想の国を作り上げているように宣伝されていたというから、日本にいても未来に希望が持てなくなった人々の多くが、自ら進んで北朝鮮へと渡ったであろうことは想像に難くない。

しかし、ソンホが北朝鮮に渡った1970年代には、先に北朝鮮に移住した人々から、ある程度「理想国家」の実情についての情報が、手紙などを通じて入っていたという。
それは決して「地上の楽園」などではないというものだったろうが、それでも1980年代に至るまで帰国事業は続けられた。
同胞協会幹部であるソンホの父親の元にそんな情報が入っていなかったはずがなく、それでも息子を北朝鮮へと渡らせざるを得なかったその苦悩はいかばかりか。
しかも、重い病に陥ったというのに満足な治療を受けさせてやることもできないまま、理不尽な帰国命令が発せられたとき、悔やんでも悔やみきれない思いに苛まれる父親の慟哭は切な過ぎる。
礼節をもって別れの挨拶をするソンホを、ただ黙って見送るしかなく佇む父親。
その姿は、不条理に対して声を荒げ、いつまでもソンホを掴んで離そうとしない妹・リエの、動的な悲嘆と対極のコントラストを描いて痛々しい。


「ディア・ピョンヤン」「愛しのソナ」と、自身のルーツや家族が置かれた状況を描いたドキュメンタリー映画を撮ってきたヤン・ヨンヒ監督が、自らの体験をもとに脚本を書き上げて製作した、初のフィクション作品。
在日コリアン2世である監督の3人の兄は、本作と同様「帰国事業」で北朝鮮に渡ったが、兄の一人が病気治療のために一時帰国したものの急遽帰国を命じられた出来事がベースとなっている。

突然の帰国命令に納得できずに憤激するリエを諭すソンホが言う。
「あの国ではな、考えずにただ従うんだ。ただ従うだけだ。考えるとな、頭がおかしくなるんだよ。考えるとしたら、どう生き抜いていくか、それだけだ。あとは思考を停止させる。思考停止、楽だぞ、思考停止。」
「理想の国」に渡ったはずのソンホが置かれている現状は、やりきれないという言葉では言い尽くせないほど理不尽極まりない。

ヤン・ヨンヒ監督だからこそ描けるどの場面もが、心に沁みる。
そして、ソンホが口ずさむ「白いブランコ」を思い起こせば、切なさが胸一杯に広がる。
後から振り返る度に、様々な思いが込み上げてくる作品だ。


「南北分断」による悲劇とはまた違う視点で、必ずしも国家というものが国民に幸せをもたらすものではないことを痛感させられる秀作。


かぞくのくに
2011年/日本  監督:ヤン・ヨンヒ
出演:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン、京野ことみ、大森立嗣、村上淳、省吾、塩田貞治、鈴木晋介、山田真歩、井村空美、吉岡睦雄、玄覺悠子、金守珍、諏訪太朗、宮崎美子、津嘉山正種

「プンサンケ」

2012年08月26日 | 映画
朝鮮半島を南北に分断する北緯38度線を跳び越えて、ソウルとピョンヤンの間を僅か3時間以内に何でも配達するという“運び屋”の男。
全く言葉を話さない彼は、北朝鮮の出身者であるのか、元々韓国で生まれ育ったのか、その素性は一切分からない。
いつも「豊山犬(プンサンケ)」の煙草を吸っていることから、彼を知る者たちからは「プンサンケ」と呼ばれていた。

南北に別れて暮らしている「離散家族」が託す手紙やビデオレターを運ぶプンサンケ。
時には家族の依頼で幼い子供を連れていくこともあるが、ある日彼は、韓国に亡命している元北朝鮮高官の愛人・イノク(キム・ギュリ)をソウルに連れて来るという依頼を受ける。
いつものように北朝鮮に潜入したプンサンケはイノクを連れ出し、吐く息が真っ白になるほど凍てつく中、地雷や銃撃を辛くも逃れ、川の中に身を潜め、全身に泥を塗って夜の闇に紛れながら、3時間以内にソウルへと連れて来ることに成功する。
自らの感情を表に出さないプンサンケだが、イノクと共に何度も命の危険にさらされる事態をくぐり抜けていくうちに、いつしか互いに言葉にはならない“特別な感情”を抱くようになっていた。

無事に仕事を果たしたにも関わらず、依頼人である韓国情報員の男達は、報酬を支払うどころかプンサンケを拘束し、北朝鮮のスパイを疑い拷問を加える。
どんなに過酷な責めを受けても決して言葉を話すことのない彼に、情報員はある危険な提案をする。
それは、北朝鮮に捕らえられた情報員の一人を救出する代わりに、イノクと共に国外脱出のチャンスを与えるというもの。
一方、亡命している元高官を暗殺するために韓国に潜入していた北朝鮮工作員達が介入し、イノクに危機が迫り、プンサンケも狙われる立場へと追い込まれていく…


南北離散家族の“心の掛け橋”となっていた彼が、南北の国家からは命を狙われる不条理。
本作を通して我々は、分断国家が抱える理不尽な現実を目の当たりにすることになる。

内在するテーマは重いのだが、キム・ギドクのもとで“修行”を積んだチョン・ジェホン監督が、エンターテインメント性豊かな作品に仕上げていて、まずは単純に映画として楽しめる。
そして、あとからいろんな場面を振り返るとき、南北統一を願ってやまないチョン・ジェホン監督の熱い思いが、心に沁み込んでくる。
プンサンケが逆襲に転じるクライマックスシーンは、第三者的立場である自分からすれば可笑しくも悲しい。
しかし、「自らの主張をぶつけ合うだけで、互いに対立するばかりでは、再び半島が一つになる日などやって来ない!」という、チョン・ジェホン監督の南北統一を願う心の叫びが聞こえた気がした。


自らの感情は出さず、離散家族の“思いの掛け橋”を担っていたプンサンケは、驚くべき身体能力を発揮する。
地雷の爆発もものともせずに猛スピードで中立地帯を駆け抜け、驚異的な跳躍で北緯38度線を飛び越えていく。
超人的な活動を続けていた彼だったが、イノクに対して“特別な感情”を抱いてからは、徐々にその高い能力に翳りが見え始める。
“私”を殺しているうちは“神がかり”的な活躍を見せていたプンサンケが、“私”的な感情を持ったがために“神がかり”は影をひそめ、“人間”として命に危険が迫ってくる。
神に見放されたがために残酷な運命をたどっていくように見えるのだが、そもそも「南北分断」という政治的な体制がプンサンケを生み出したのであり、言いかえれば離散家族という悲劇を生んでいるのである。
本作から、「国家」というものは、必ずしも「国民」に幸せをもたらすものではないという事実を思い知らされるが、これは何も朝鮮半島だけの話ではあるまい。
もっと身近に、我々が住む列島にも当てはまることではないだろうか。


民族の分断という悲劇に対するチョン・ジェホン監督のアンチテーゼが、エンターテインメントの中に絶妙に盛り込まれていて、スリリングなストーリー展開を楽しみつつ、朝鮮半島が抱える問題に思いを巡らせることができる、思考喚起型娯楽活劇。
今、このご時世だからこそ必見の良作!


なお、キム・ギドクとは“盟友”の間柄であるオダギリ・ジョーがカメオ出演しているので、お見逃しなく。
(自分は見逃したが…)


プンサンケ
2011年/韓国  監督:チョン・ジェホン
出演:ユン・ゲサン、キム・ギュリ

あるまじき

2012年08月25日 | 野球
盛岡大付高を侮辱?高野連会長の発言とは(読売新聞) - goo ニュース


高野連会長ともあろうお方が、地方予選で敗れた高校の選手の名を挙げて、しかも「甲子園で見れずに残念」などと言ってはならんだろう。
その高校を破って甲子園出場を果たした高校を侮辱していると抗議がくるのも当然。
口にする前に、きちんと自分の脳みそで咀嚼してから出してもらいたいものである。

それにしても最近、先の某教育委員会における発言しかり、見識を疑うエライさんだらけのように思うのは気のせいか?

「エイトレンジャー」

2012年08月22日 | 映画
2035年の日本。
繰り返し天変地異が襲い、経済状況は回復の兆しをみせず、超少子高齢化社会が到来していた。
人口は減少し続け、とうとう7500万人にまで減ってしまった。
徹底的に「小さな政府」への移行が推し進められた結果、あらゆることが民営化され、国民の生活コストは高まるばかり。
警察さえも民間業者となった日本で、重い金銭的負担に耐えうるセレブが集まる、トウキョウシティ、オオサカシティ、ナゴヤシティなどの大都市だけは治安が維持され、市民は平穏に暮らしていた。
国から見捨てられた地方都市にはテロリストがはびこり、略奪や誘拐、人身売買などの犯罪行為は日常茶飯事。
トウキョウシティに近い八萬市(エイトシティー)も他の地方都市同様に荒れ果て、全国組織のテロリスト集団「ダーククルセイド」の第3部隊が暗躍していた。

ある日、借金取りに追い詰められていた横峯誠(横山裕)は、エイトシティーの自警組織「ヒーロー協会」の会長・三枝信太郎(石橋蓮司)によって窮地を救われる。
三枝からヒーローにスカウトされた誠は、ニートから脱して借金返済が叶うならと協会を訪れると、彼を歓迎した三枝から、いきなり協会に所属するヒーロー達のリーダーに指名された。
とまどう横峯をよそに紹介されたのは、何の変哲もない6人の青年。
アルコール依存症の渋沢薫(渋谷すばる)。
メンズエステや歯の矯正など自分磨きに余念が無く、それが高じて借金を抱える村岡雄貴(村上信五)。
ネットショップのとりこになって依存症となり、借金にまみれた丸之内正悟(丸山隆平)。
片っ端から青い物を買い漁って借金に追われる安原俊(安田章大)。
一度だけ売れたときの栄光が忘れられず、自身のオリジナルグッズを自費で作って借金を背負う、ストリートミュージシャンの錦野徹朗(錦戸亮)。
鹿児島の田舎育ちで、あまりに純粋過ぎて人を疑うことを知らず、「振り込め詐欺」から格好の餌食にされて借金を重ねている大川良介(大川忠義)。
6人は「エイトレンジャー」としてヒーローに指名されているのだが、それぞれ金を稼げると聞いて協会に集まっただけで、ヒーローとしての自覚もヤル気も全く無かった。

一方、もはや警察としての機能を有していない八萬署に、正義感あふれる熱血刑事・鬼頭桃子(ベッキー)が着任した。
エイトシティーにおける伝説のヒーローであるキャプテン・シルバー(舘ひろし)に憧れる新米刑事・仁科遥(蓮佛美沙子)は、桃子と共に市民を守ろうという思いを強くしていた。
しかし彼女らの奮闘もむなしく、ダーククルセイドは犯罪行為で蓄財しながら無職の市民を次々に取り込み、着々と勢力を増していた。
エイトレンジャーはダーククルセイドに立ち向かうべく、キャプテン・シルバーに付いて修業を積むことになるが…


悪がはびこる近未来の日本を舞台に、“バイト感覚”ヒーローの「エイトレンジャー」達がやがて正義に目覚め、キャプテン・シルバーの導きによって真のヒーローへと変貌を遂げる、若者達の成長を描いたアクションヒーロードラマ。
そもそも「エイトレンジャー」というキャラクターが、関ジャニ∞がコンサートで見せるコントからきているとは知らなかった!
いかにも関西人的な“お遊び”で面白い企画だが、そんな彼らの大阪弁で言うところの“ちょけた”部分が、「TRICK」や「SPEC」を撮ってきた堤幸彦監督が繰り出すギャグとうまく融合して笑いを誘い、更に彼らのサービス精神が相まって化学反応を起こし、今までの堤作品よりもナチュラルな面白さを醸し出している。
「堤ワールド」を本当に面白くさせるには、彼らのように根っから「人を笑わせたい」という思いを持ったキャストでなくてはならない。
「ギャグなんだから笑えよ」という立ち位置からの演技では、観客から“素の笑い”を引き出すことはできないのである。


停滞する経済状況の中で格差社会が広がり、国民生活は不安の色を濃くしていくばかりで混迷の度合いを増していく日本において、このままの状態が続けば、こんな日本になっていくのではないか…!?
極端にデフォルメされた世界が描かれてはいるが、「もしかしたら、ありうるかも」というリアルさが滲む。
堤監督ならではの独特の世界観が広がるが、現代社会の問題点を“笑い”のオブラートに包みながらも鋭くエグく描きだす。
ラストシーンに登場する泣き顔の子供の姿に、「えっ!?」となって「うーむ…」と唸らされた。。


ほとんどスタントを使わずにアクションをこなした関ジャニ∞の身体能力も素晴らしい、「堤ワールド」全開の楽しい“近未来”SF娯楽アクション♪


エイトレンジャー
2012年/日本  監督:堤幸彦
出演:横山裕、渋谷すばる、村上信五、丸山隆平、安田章大、錦戸亮、大倉忠義、ベッキー、蓮佛美沙子、竹中直人、田山涼成、石橋蓮司、舘ひろし

「眠れぬ夜の仕事図鑑」公開記念イベントのお知らせ

2012年08月15日 | 映画
実は試写に行ってないのですが、劇場の予告編がとてつもなく魅力的で(若干…いや、かなり私見が入ってますが(笑))、公開されたら観に行く予定にしているドキュメンタリー映画があります。
それが「眠れぬ夜の仕事図鑑」。

広大なホールで飲んで歌って踊る人々。
新生児室で子供を見守る看護師。
日本で言うところの中央郵便局にあたる集配局での郵便物の仕分け。
不法侵入者やジプシーたちの強制退去。
自殺を思いとどまらせる『いのちの電話』のオペレーター。
インターネットに不法な映像をアップロードする人々……etc.

多くの人々が寝静まっている“夜中”にスポットを当て、ナレーションやBGMを排して、様々な人々の営みを映し出した、知的好奇心を刺激するドキュメンタリー作品です。
この「眠れぬ夜の仕事図鑑」の公開を記念したイベントが、大阪堂島のジュンク堂書店で行われています。

◇◇ CM ◇◇


ロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』のニコラウス・ゲイハルター監督最新作『眠れぬ夜の仕事図鑑』が8月25日よりシネ・リーブル梅田、9月8日より神戸・本町映画館で公開となります。
そこで大阪・堂島にあるジュンク堂書店大阪本店では、<映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』公開記念「真夜中のブックフェア」>を開催中です。村上春樹『アフターダーク』、恩田陸『真夜中のピクニック』など“夜”にちなんだ本を特集展開しております。
『眠れぬ夜の仕事図鑑』は、警備員、営みをする男女、自殺を思いとどませるホットラインスタッフなど、夜に活動する人々にスポットをあてながら、現代社会の姿について考察していくドキュメンタリーです。『いのちの食べ方』と同様、ナレーションや音楽を排して、人々を淡々と映し出していきます。その描写が想像をかきたてていく、知的好奇心をあおる作品となっております。


<映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』公開記念「真夜中のブックフェア」>
◆開催時期:現在開催中 ※本作上映終了までの予定
◆会場:ジュンク堂書店大阪本店
◆特典:フェア商品を購入された方に先着で本作の劇場鑑賞券(シネ・リーブル梅田のみ有効)、本作特製アイマスクを先着でプレゼント
◆そのほか:上映劇場にてタイトルに「夜」がつく本を提示された方は一般料金200円引き
◆フェア書籍一覧
 「みずうみ」    文庫 いしいしんじ
 「まぶた」     文庫 小川洋子
 「大聖堂」     文庫 カーヴァー
 「ガラスの街」   文庫 オースター
 「変身」      文庫 カフカ
 「蛇を踏む」    文庫 川上弘美
 「眠れる美女」   文庫 川端康成
 「僕は長い昼と長い夜を過ごす」文庫 小路幸也
 「キサトア」    文庫 小路幸也
 「不眠症」上    文庫 S.KING
 「不眠症」下    文庫 S.KING
 「TVピープル」   文庫 村上春樹
 「ねむり」     文芸 村上春樹
 「アフターダーク」 文芸 村上春樹
 「白河夜船」    文庫 よしもとばなな
 「夜のピクニック」 文庫 恩田陸
 「新宿鮫」     文庫 大沢在昌
 「真夜中のパン屋さん午前1時の恋泥棒」文庫 大沼紀子
 「真夜中のパン屋さん午前0時のレシピ」文庫 大沼紀子
 「深夜食堂」    コミック 安倍夜郎
 「永い夜」     児童書 レミュー
 「東京路地裏暮景色」文庫 なぎら健壱
 「セブ島&マニラ別冊夜の歩き方」文芸 WEP


眠れぬ夜の仕事図鑑
2011年/オーストリア  監督:ニコラウス・ゲイハルター

ビックリ!

2012年08月12日 | 野球
銅メダルと結婚、二重の喜び=竹下「本当によかった」〔五輪・バレーボール〕(時事通信) - goo ニュース


ニッカンスポーツの記事を読んでビックリした!
いつから付き合っててんと見れば、江草がタイガース時代から付き合っていたそうで。
その後江草が、去年埼玉に行ったと思ったら今年は広島に移ってと、なかなか二人で会うのもママならない中で、遠距離恋愛を育んできたという。

…それで江草が低迷してたのか!?
などとシヤワセな話に水を差すつもりはないが(笑)
これからは江草も性根を据えて、1年でも長く広島で主力を張って投げ続けてもらいたいもの。

密入国者現る

2012年08月10日 | ニュースから
韓国大統領、竹島に上陸 1時間半ほど滞在(朝日新聞) - goo ニュース


即刻逮捕・拘束して、一晩ブタ箱で臭い飯でも食わせて反省文でも書かせて、明日韓国へ強制送還してやればいいのではないのですか?
ただの密入国者でしょうに。
しかし一国の“親分”が密入国をやるような国て、人間としてのレベルの低さは噴飯モノだ。

「RIVER」

2012年08月05日 | 映画
秋葉原で2008年6月に起きた無差別殺傷事件。
この凄惨な事件に巻き込まれて亡くなった恋人の健治の面影を追って、ひかり(蓮佛美沙子)は秋葉原へと向かっていた。
ひかりは、健治を失くしてからというもの、現実から離れて家に引きこもっている。
一人で食事をして、庭にパンジーを植えて、ぼんやりと過ごす日々。
しかし、ひかりを温かく見守り続ける母(根岸季衣)や、高校の同級生まりあ(尾高杏奈)との何気ない会話から、徐々に落ち着きを取り戻していた。

秋葉原の駅に降り立ち、健治が好きだった街を歩き始めるひかり。
惨劇のあったあの場所に立ち止まり、ぼんやりと道行く人々や風景を眺めていると、秋葉原の街を行く人々の写真を撮っているという女性カメラマンの沙紀(中村麻美)が、写真を撮らせてほしいと声をかけてきた。
健治が教えてくれたビルの屋上に行くと、尾崎という若者(柄本時生)が、一緒に自殺しようかと声をかけてくる。
街角でふと、路上ミュージシャン(Quinka,with a Yawn)の歌声に惹きこまれたひかりは、ボーカルの女性と話しこむ。
メイド喫茶のスカウトマンである修(田口トモロヲ)に声をかけられ、思い立ったように体験入店すると、店で働く桃(菜葉菜)が話を聞かせてくれた。

メイド喫茶で働くことはやめたひかりは、健治のことを知る人間を探して再び秋葉原の街をさまよっていると、ガード下に暮らす佑二(小林ユウキチ)という青年に出会った。
しばらくひかりの話を聞いていた佑二だったが、突然テレビを指差して叫んだ。
「これが現実なんだ!」
そこに映し出されていたのは、東日本大震災の被災地。
佑二は東北の出身で、親と喧嘩して家を飛び出してきた過去があった。
故郷を捨ててきた佑二ではあったが、震災によって故郷の風景と両親を完全に失うことになってしまったのだった…


健治を失くした喪失感に打ちひしがれていたひかりは、同じように埋めがたい喪失感に苦しむ佑二との出会いをきっかけに、再び歩き出す力を得る。
母親や友人との対話を通して少し勇気をもったひかりは、引きこもりから身を乗り出し、秋葉原を行き交う人の流れに身を投げ出し、自ら歩みを進めるキッカケをつかんだ。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とは古くからの物言いだが、辛いことに直面したときの真理でもある。
それぞれ異なる場所で、突然「日常」を失ったひかりと佑二が、互いの喪失感に共鳴することで互いに力を合わせるようにして現実を受け止め、未来へと続く人生という川の流れに再び乗り出していく。


「ゆく川の流れは絶えずして、しかも もとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまる事なし。世の中にある人と住家と、またかくの如し。」
観終わった瞬間、学生の頃に古典で習った一節が頭の中を流れた。
鴨長明が語った“川”が映像化されたような感覚は、飛躍のし過ぎとは思えない…

主人公ひかりを演じる蓮佛美沙子の瑞々しい演技が抜群の存在感を示すヒューマンドラマの佳作。


RIVER
2011年/日本  監督:廣木隆一
出演:蓮佛美沙子、中村麻美、根岸季衣、尾高杏奈、菜葉菜、柄本時生、田口トモロヲ、小林ユウキチ、小林優斗