面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

心配と安心

2014年09月23日 | ニュースから
タクシー運転手が車内で変死 上半身に刺し傷、エンジンかかったまま(産経新聞) - goo ニュース


大学時代の友人がタクシーの運転手をしているので、ニュースを見た瞬間に不安が頭をよぎった。
慌ててmixiを見てみると、事件発生時刻よりも後の時間に“つぶやき”がアップされていた。
暢気な内容に安心と微笑。
物騒な世の中、心配のタネは尽きない…

「イン・ザ・ヒーロー」

2014年09月16日 | 映画
下落合ヒーローアクションクラブの代表・本城渉(唐沢寿明)は、ヒーローや怪獣などのスーツや着ぐるみを着てアクションを演じる、スーツアクターを続けること25年。
撮影所では人望も厚く、業界ではアクション俳優の第一人者として有名人だが、世間一般には知られていない。
長年の激しいアクションで満身創痍。
痛めた首は、ドクターストップがかかるほど“重傷”なのだが、それでもいつの日か顔を出して出演し、キャストの一人として名前を連ねることを夢見て、撮影にヒーローショーにと、仲間と共に汗を流す日々を送っていた。

そんなある日、戦隊ヒーローの劇場版作品に、顔を出せる役のオファーが飛び込んできた。
別れて暮らす一人娘や元妻に喜んで報告したが、土壇場で変更になり、若手イケメン俳優として売り出し中の一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)に取って代わられ、またしてもスーツアクターとしての出演にとどまる。

がっかりする本城だったが、リョウのマネージャー(小出恵介)から、ハリウッド映画のアクション大作のオーディションを受けるリョウにアクションを教えてやってほしいと頼まれる。
リョウはハリウッド進出を熱望し、国内もののヒーロー映画に出ること自体に不満を抱いていて、ふてくされた態度をとっていた。
互いに嫌々ながら師弟コンビとなった二人だったが、本城はリョウがハリウッド進出に拘る理由を知り、リョウも真のアクション俳優の姿に目覚め、硬く結束していく。

そしてオーディションに合格したリョウは、念願だったハリウッド進出の足掛かりを得て、大作「ラストブレイド」の日本ロケに加わった。
しかし、出演予定の有名アクションスターが、あまりにもアクションが危険過ぎるとして降りてしまう。
脚本を変更して日本ロケ自体を無くしてしまおうとする空気が強まるが、日本側ラインプロデューサーの石橋(加藤雅也)は、代わりを務めることができる“本物のアクション俳優”が日本にいると主張して踏みとどまらせ、本城にオファーするのだった。

思いもよらぬハリウッドからのオファーに喜ぶ本城だったが、あまりにも危険過ぎるスタントに周囲は猛反対。
しかし本城は言う。
「俺がやらなきゃよ、誰も信じなくなるぜ。アクションには夢があるってことを。」

かくして本城は、ワイヤーやCGも無く、8.5mの高さから落下し、身体を炎に包まれながら100人の忍者を斬るという、前代未聞の命を賭けたアクションに挑む……


肉体を酷使し、通常のアクションには無いような特殊技能を必要とするスーツアクター。
彼らは表舞台に立つことはないが、特撮やアクションものの映画・ドラマに欠かせない存在である。
そんなスーツアクターにスポットを当て、その熱い生きざまを描く。

主演の唐沢寿明は若い頃、東映アクションクラブに所属して、実際にスーツアクターを演じていた。
今では、顔出しはもちろん、アクションの無い役で主演も張る人気俳優として確固たる地位を築いているが、今回のオファーを受けて身体を鍛え直し、本格的なアクションの練習を積んだという。
自身の自伝的要素もあるからかもしれないが、この役にかける思いが伝わってくる好演に、スクリーンの中へのめり込んで観ていた。
実際に8.5mのセットから落下し、身体に炎を燃え移らせながら100人の忍者を倒していくクライマックスシーンは圧巻。
張り詰めた空気を漂わせて衣装部屋で白い忍者装束に身を包み、応援に駆けつけてくれた仲間や、いつも目をかけてくれている大俳優を従えてセットに入ってくるクライマックスの冒頭場面のカッコ良さには胸が熱くなった。

“仮面ライダー出身”である福士蒼汰のアクションも堂に入ってるが、撮影当初はその身のこなしが唐沢から見ればまだまだ未熟だったようで、実際にアクションや殺陣を教え込んだという。
唐沢寿明や寺島進のスーツアクターとしての経験と併せて、物語と現実とが絶妙にリンクすることで、生き生きとして真に迫った仕上がりになっている。

“その他大勢”の斬られ役を長年に渡って演じ、映ハリウッド大作「ラストサムライ」のオファーを受けて大きくクローズアップされ、今や主演作もある俳優となった福本清三氏のこともダブって見える本作。
“平成の蒲田行進曲”的な、一途で熱い男の熱い生きざまに胸が熱くなる、ヒューマンドラマの快作!


イン・ザ・ヒーロー
2014年/日本  監督:武正晴、アクション監督:柴原孝典
出演:唐沢寿明、福士蒼汰、黒谷友香、寺島進、日向丈、小出恵介、加藤雅也、及川光博、和久井映見、杉咲花、松方弘樹

稲葉引退

2014年09月02日 | 野球
日本ハムの稲葉、現役引退を発表=春に決意、今後は指導者を希望-プロ野球(時事通信) - goo ニュース


日ハムの稲葉が引退するという。
42歳という年齢を考えれば当然なのかもしれないが、まだまだ代打で活躍していけるのではないかと思っていたので、個人的には非常に残念。
本人の談によると、膝の状態はかなり悪かった様子。
それで今春、メスを入れたのだろうが、それでも回復はしなかったようで、そうなると一気に体力の衰えを感じたのではないだろうか。

スワローズ時代はタイガース戦に強く、メジャーに挑戦するべくFA宣言したもののオファーがなかったとき、なぜタイガースが獲りにいかないのか!?と嘆いたものだったが、本人には日ハムに行ってよかっただろう。
札幌ドームでは、ファンに愛されていることがひしひしと伝わってきた。
打席に立つたびに湧き起こる大歓声は、ただの声援だけでなく、ファイターズファンの熱い思いが大きな塊となって押し寄せてくるような気を感じたもの。
今となっては、「稲葉ジャンプ」で揺れる外野スタンドで動画を撮っておけばよかったなと…

二千本安打も達成し、記録にも記憶にも残るスター選手に、労いと第二の人生へのエールを贈ろう。

中京高校軟式野球部がすごい

2014年09月01日 | 野球
中京、2年ぶり優勝=延長五十回で準決勝制す―高校軟式野球(時事通信) - goo ニュース


全国高校軟式野球選手権大会の準決勝。
中京高校と崇徳高校の試合は、延々四十五回にものぼる延長戦を戦っても0対0のまま決着せず、サスペンデッドゲーム(一時停止試合)となったことは、スポーツニュースの枠を超えて一般のニュースと同等に報道され、一躍広く知られることとなった。

そして四十六回から再開された31日。
延長50回表、ついに中京が3点をもぎ取り、その裏を無失点で抑えて逃げ切り、4日に渡る試合にようやくピリオドを打つことができた。
延長54回までいっても決着がつかない場合、抽選で勝敗を決めることになっていたとのことだったので、選手たちにしてみれば試合で決着がついてホッとしたのではないだろうか。

しかしこの31日は大会の最終日。
翌日から2学期の授業が始まることもあって、この日で大会を終えなければならない。
延長50回を戦い抜いた中京ナインは、激闘の疲れが癒える間もなく、ダブルヘッダーで決勝戦に臨まなければならないという過酷な運命にあった。
にもかかわらず、決勝の相手である三浦学苑高校を破って優勝を果たしたのだから驚いた!

準決勝で延長50回、709球を一人で投げきった中京の松井投手はベンチスタートだったが、四回1死二、三塁のピンチに先発の伊藤に代わってマウンドに上がると無失点で切り抜け、そのまま最後まで投げ切ったのだから恐れ入る。
決勝でも77球を投げ、トータル4日間で786球を投げぬいたのだから凄まじい。
テレビで彼のインタビューの様子を見たが、疲労困憊などという雰囲気は微塵もなく、すがすがしく答えていて更にびっくり!!
一体全体どんな体のつくりをしているのだろう!?
身体の頑丈さがすご過ぎる!

今回の準決勝・延長50回は、延長戦の日本記録。
これまでの日本記録は、1983年9月20日、全日本軟式大会決勝を戦ったライト工業‐田中病院の延長四十五回だったので、一気に5回上回った。
ちなみに中京に敗れた崇徳の石岡投手も、4日間投げぬいて投球数は617球を数えるから、こちらも凄い!

世間的には、「4日間で50イニングも試合をさせて何を考えているのか」といった論調が見受けられるが、試合をやってる選手たちからすれば、決着がつかないからといって試合を止められ、プレー以外の方法で勝敗を決められても嬉しくないだろう。
とことん試合ができて決着がついたのだから、確かに激しく疲れてはいるだろうが、高い満足感や達成感は得られているのではないだろうか。
自分が選手だったら、勝負が決まるまで試合ができて悔いはないが。

なにはともあれ、4日間にわたる激闘の末に優勝した中京高校には賛辞を送りたい。
もしかすると選手たちは、しばらく野球はやりたくないのではなかろうか。