面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

ベンチがアホやから。

2013年03月18日 | 野球
内川涙「申し訳ない」重盗失敗/WBC(日刊スポーツ) - goo ニュース


第3回WBCは、あっけなく終わった。
午前中の試合とて仕事中に見るわけにもいかず、出先で仕事の合間にスマホで結果を確認していたが、反撃があまりに遅かったというのが最大の敗因に見える。
しかし本当の敗因は、無能無策な首脳陣による腐ったベンチワークに他ならない。

「ドミニカに比べて与し易し」との楽観的予測が大勢を占めていたように思う準決勝のプエルトリコ戦。
帰宅してからテレビのニュースで試合を見ていたが、先発の前田が先制点を奪われてしまったことで、打撃陣に硬さが出てしまったか。
7回に能見がツーランを浴びて点差が開き、更に8回裏へと追い込まれたことでようやく開き直れてきたところへ、相手の投手もレベルが合ったのだろうか、ようやく連打で1点返してなおも1、2塁とチャンスを広げて押せ押せムードに。
ところがここで、あろうことか2塁ランナーの井端が3塁へ進んでいないにも関わらず1塁ランナーの内川が2塁へ向かって突進。
2塁に井端が残っていることに気づいたときにはどうすることもできずにタッチアウト。
一瞬にして反撃ムードは消え去ってしまった。

見てすぐわかるダブルスチールの失敗。
テレビで解説の工藤公康が説明していたように、確かに2塁ランナーの動きを確認せずに“猪突猛進”した内川に、走塁上のミスはある。
しかし同じく工藤が話していたように、2点差での1塁ランナーである内川は、自分が「同点のランナー」であるという意識が、物凄く強かったはず。
自分が2塁に行けばワンヒットで同点になる。
何が何でも2塁でセーフにならなければ!
ダブルスチールを狙った時点で頭の中は「2塁で絶対セーフにならねばならない」という意識で占められていたことだろう。
8回裏まで進んだ試合で、このチャンスは絶対にモノにしなければならない。
凄まじいプレッシャーの中、いつもならしでかさないような単純ミスを犯してしまう可能性は極めて高い。
そんな状況下でベンチが出したサインは、「ダブルスチールできそうなら、してもいい」。

内川は決して凡庸な選手ではない。
史上二人目のセ・パ両リーグで首位打者を獲得するほどのセンスを持った男であり、走塁面でも決して“箸にも棒にもかからない”ようなレベルの選手ではない(昨季も6盗塁している)。
それでも前述のようなミスをしてしまうのが、“負ければ終わり”のWBC決勝トーナメントが生み出す極限の緊張状態というものだろう。
そんな状況に置かれた選手に対して、「ダブルスチールできそうだったらやれ」という極めて曖昧かつ判断の難しいサインを出すとは、首脳陣の無能と無責任さはプラナリアにも劣る。
(プラナリアにも「生命を維持・継続する」という責任感があるというものだ…「責任感」と呼ぶかどうかは別にして)
どのようなサインの出し方があったのかは知らない。
3塁コーチャーがサインを出したとき、井端は冷静に「イケそうならGOか」と解釈したが、気が焦っていた内川は「ダブルスチールせよ」と理解したのではないだろうか。
VTRで見る内川の走塁は、「2塁ランナーが3塁へ走っている」という前提に立っているとしか思えない。
首脳陣は言うのだろう。
「選手を信頼していた。」
ふざけるな!
本当に選手を信頼するならば、極限状態においては、自己の強い意志と責任感に基づいて作戦を立て、明確なサインを出して選手を動かせるはず。
それが、選手自身でダブルスチールができると思ったらやったらいいなどと、プレーの責任を選手に負わせる曖昧なサインを出すのだから言語道断。
作戦の失敗を非難されることを恐れた責任逃れのサイン(指示)でしかない。
「敗戦の責任は全て自分にある」と山本浩二は言うのだろうが、この「責任」ほど空虚な響きを持つ言葉はないだろう。

台湾戦の鳥谷、井端に始まり、最後の最後まで選手達がそれぞれ自分自身でなんとかしなければ勝てなかったこのチーム。
同じく台湾戦で田中を引っ張って失点させたことに始まり、8点取ったあとじわじわ追い上げられても為すすべもなく選手達の奮起に助けられ、そしてこの最後の試合では曖昧な“クソサイン”で敗戦を呼び込むような首脳陣にも関わらず準決勝まで勝ち残れたのは、選手たちの力の賜物以外の何ものでもない。
いみじくも選手たちがインタビューで「一丸となってまとまった」と口をそろえて答えているが、当然だろう。
首脳陣の無能ぶりに、選手たちは自然と「自分達で何とかしなければ」と、まとまっていったに違いないのだから。

最後の最後まで、ベンチが選手たちの足を引っぱって幕を閉じた今回のWBC。
内川の精神的なダメージが一番の心配となる、後味最悪の大会に終わった…。

「フライト」

2013年03月18日 | 映画
ベテランパイロットのウィップ・ウィトカー(デンゼル・ワシントン)はその日、オークランド発アトランタ行きの旅客機に機長として搭乗した。
天候は悪く、激しい風雨の中を飛び立つことになったが、ウィップは経験とテクニックを駆使して激しい乱気流を鮮やかに切り抜け、機体は穏やかに晴れ渡った雲の上躍り出ることに成功した。
航行が安定するとウィップは、副操縦士に任せて眠ってしまう。

…突然、機体が激しく揺れ、ウィップは目が覚めた。
あろうことか機体が制御不能となり、急降下を始めたのだった!
車輪を出し、燃料を捨て、あらゆる手を尽くして速度を落とそうするも急激な降下は止まらない。
このままでは、住宅街に墜落して大惨事に!
緊迫するコックピットの中、ウィップは咄嗟の判断で背面飛行を断行、高度を水平に保つという神業を見せた。
そして前方に草原が現れたところで機体を元の態勢に戻すと、そのまま胴体着陸を敢行、激しく機体を損傷しながらも不時着に成功したのだった。

九死に一生を得てアトランタの病院で目覚めたウィップは、パイロット組合の幹部であるチャーリー(ブルース・グリーンウッド)から、クルーを含めた乗員102人のうち96人が助かったと告げられた。
しかし亡くなった6人の中には、前夜もベッドを共にした、客室乗務員のトリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)がいることを聞かされ、激しく動揺する。
一方、高度3万フィートからの奇跡の着陸としてマスコミはウィップを激賞し、彼は一夜にしてヒーローに祭り上げられていた。
見舞いに来た友人のハーリン(ジョン・グッドマン)は、いかにウィップがヒーローとして称賛されているか、興奮しながらまくしたてる。

退院したウィップは、世間から隠れるようにして亡き父の家へと向かった。
翌日、チャーリーに呼び出されたウィップは、弁護士のラング(ドン・チードル)を紹介される。
今回の事故は機体の故障に原因があり、それはフライト・レコーダーからも実証されるはずなのに、なぜ自分に弁護士が必要なのか?
いぶかしがるウィップだったが、実は事故の調査委員会による調査の結果、重大な疑惑が生じていたのである。
事故後に行われた乗務員全員の血液検査の結果、ウィップの血液中からアルコールが検出されたのだ。
このことが事故の原因と特定されてしまえば、ウィップは過失致死として終身刑に処せられることは必至。
チャーリーとラングは、事故原因を究明する公聴会に備え、ウィップには一切の過失は無いという状況に持ち込むべく画策する。

ウィップは、類まれなる操縦技術を持っていた。
それは、事故を再現したシミュレーションに挑んだ10人のパイロット全員が、機体を地面に激突させ、乗員は全員死亡するという結果に終わったことが彼の技術の高さを証明する。
フライト・レコーダーに残されたコクピットの模様から、旅客機が墜落した原因は機体の故障にあることが想定され、その原因は不時着して残された機体の調査により裏付けられる。
事故の原因はあくまでも機体にあり、パイロットには何の過失もない。
それどころか今回の事故は、ウィップによる操縦だったからこそ、乗員全員死亡という大惨事を免れることができたのである。
奇跡を起こした彼は、正に神の腕を持つ非常に優秀なパイロットだ。

チャーリーは、辣腕弁護士ラングとタッグを組み、ウィップが“ヒーロー”であるという客観的証拠を積み上げていく。
しかしウィップは、確かにアルコール依存を抱えていた。
しかもコカインを常習している。
そのことを事故調査委員会に追求されては元も子もない。
チャーリーとラングはウィップを懇々と諭して生活を改めさせ、ウィップも調査委員会での無実を勝ち取るために動く。
こうして万全の態勢で迎えることができるはずの公聴会だったが…


ウィップを通して、酒や麻薬の常習は現実からの逃避であり己自身からの逃避であると、改めて考えさせられた。
またこれらに対する依存症とは、自分で自分をコントロールできなくなってしまう、精神面での病でもあることも痛感した。
公聴会に向けて絶ったはずの酒を見つけたときのウィップの行動には戦慄する。
これが依存症の恐怖であることを思い知るシーンである。

そしてこの依存症を克服できるか否かは、己の意思の力にかかっている。
依存症のウィップが本当に立ち直るキッカケとなったのは、人間としての正義感というよりは、男としてのプライドではないだろうか。
誰にも負けない操縦技術を持っているという自負は、己の強さを唯一認めることができ、己の存在感を示すと同時に存在意義を認識できる、よすがとなるものである。
それがあれば人は、そのプライドを保つために意思を強く持つことができ、依存症に立ち向かう勇気を奮い起せるのかもしれない。
従って己の自信となるものを感じられず、常に劣等感に苛まれ続けている人間は、ひとたび依存症に陥ると抜け出せないのではないだろうか。
依存症患者を立ち直らせるには、まず己に対する自信を持たせることが何よりも必要なのかもしれない。
自分は医師でも医療技師でもないが、ウィップを通じてそんなことを考えた。


「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス監督による12年ぶりの実写映画は、「生きてこそ」や「ユナイテッド93」を観たとき同様、飛行機に乗るのが怖くなる圧巻の映像が強烈に脳裏に焼きつく。
入念な取材によってあらゆる飛行機事故のケースやパイロット達の話から練り上げられた興味深い脚本に基づいた、深い思索に導いてくれる骨太のヒューマンドラマ。


フライト
2012年/アメリカ  監督:ロバート・ゼメキス
出演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッド、メリッサ・レオ、ブライアン・ジェラティ、タマラ・チュニー、ナディーン・ヴェラスケス、ジェームズ・バッジ・デール、ガーセル・ボヴェイ

「野蛮なやつら/SAVAGES」

2013年03月17日 | 映画
心優しい平和主義の植物学者ベン(アーロン・テイラー・ジョンソン)と世界の戦場を渡り歩いてきた元傭兵のチョン(テイラー・キッチュ)は出会ってから長い付き合いになる。
性格も経歴もまるで正反対のようなキャラクターの二人は“高レベル”の大親友で、チョンが戦場から持ち帰った極上の大麻を、ベンが植物学者としての知識をフルに活かして栽培し、超高品質の大麻を作りだすことに成功。
大麻のベンチャービジネスを興して、莫大な富を得た。
彼らはカリフォルニアの高級リゾートであるラグーナ・ビーチで、とびきり美人の“共通の恋人”オフィーリア(ブレイク・ライヴリー)と共に、3人で穏やかに、愛に溢れた自由な暮らしを満喫していた。

そんな彼らのもとに、メキシコ最大の麻薬組織であるバ
ハ・カルテルから、ビジネスパートナーの誘いが来る。
巨大なマフィア組織であるバハ・カルテルとの提携は、その傘下として支配されることを意味するのは明らか。
ベンとチョンは提携話を断ると、これまで稼いできた資金を手に、オフィーリアと3人での国外逃亡を図った。
しかしバハカルテルは二人を服従させるべく、オフィーリアを誘拐してしまう。

最愛の恋人を人質にとられ、怒りに震える二人。
メキシコからカリフォルニアへと連なる麻薬地帯を舞台に、持てる頭脳と戦闘能力をフル回転させ、彼らは巨大麻薬組織に戦いを挑んだ…!


「プラトーン」「7月4日に生まれて」でアカデミー監督賞を受賞した、社会派としての印象が強いオリバー・ストーン監督の最新作は、大麻ビジネスという反社会的な世界の物語。
「JFK」や「ニクソン」も含めて、政治的なメッセージを発信し続ける超硬派なイメージからすれば真逆のように思われる向きもあるだろうが、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」や「Uターン」といったバイオレンス映画も手掛ける彼にしてみれば、今回はふんだんにバイオレンスを描き、エロチックを織り込んでスピーディーな展開でイッキに見せる娯楽活劇の方に取り組んだだけのことだろう。
しかし、アメリカのワシントン州やコロラド州で、大麻が嗜好品として合法化されるタイミングでの本作の公開は、ある意味「社会派」としての面目躍如と言えるかもしれない。
また、医療関係においては薬品としての大麻の取引が合法的になされていることも初めて知った。
彼らが作る高品質な大麻は、医療の世界では「優れた医薬品」といえるやもしれず、大麻ビジネスの実態を垣間見て興味深かった。


とはいえ、反社会的なビジネスによって莫大な富を得たベンとチョン。
真っ当に生きられるはずはなく、“悪”の存在として必ず滅びるもの…と勝手に決めつけて観ていると、度肝を抜かれることになる。
ラストの大どんでん返しは、昔懐かしい「8時だよ!全員集合」におけるドリフターズのコントを観ているよう。
麻薬捜査官でありながら、麻薬組織と“ヨロシク”やっている悪徳捜査官デニスにジョン・トラボルタ、バハ・カルテルの幹部でボスの参謀として付き従っているものの、常に腹に一物持っているようで油断ならないラドにベニチオ・デル・トロを配しているのも非常に効果的。
中でもジョン・トラボルタほど、“明るく調子のイイ悪徳警官”という役がハマる俳優はいない!
彼の地ではないかとさえ思えるデニスの“明るい悪人”キャラと、ラドの“究極の腹黒男”キャラがラストシーンで炸裂する様子は秀逸♪
誰も彼も皆、登場人物全てが野蛮なキャラクターとして縦横無尽に暴れまわる様は爽快でさえある。
深い母性愛を見せるバハ・カルテルの女ボスであるエレナ(サルマ・ハエック)が、一番真っ当な善人に見えてくるから愉快だ。


自身も麻薬不法所持で二度の逮捕歴があるオリバー・ストーン監督にとっては、大麻ビジネスの物語は“お手のもの”だったかもしれない。
社会派のテイストを漂わせながら、野蛮なやつらの戦いをアップテンポに描く、痛快バイオレンス娯楽活劇!

「おいおい!そんなことでイイのか!?」と声をあげそうになる、我々の良心を揺さぶるラストシーンは、しかし映画終了後に後味を悪くしない。
まあ、こんな映画を作ったオリバー・ストーンが一番野蛮だ、ということで…


野蛮なやつら/SAVAGES
2012年/アメリカ  監督:オリバー・ストーン
出演 テイラー・キッチュ、アーロン・テイラー・ジョンソン、ブレイク・ライブリー、ジョン・トラボルタ、サルマ・ハエック、ベニチオ・デル・トロ

「プラチナデータ」

2013年03月16日 | 映画
近い将来の日本。
警視庁には、科学捜査機関「特殊解析研究所」(通称「特解研」)が設置され、高度なDNA捜査により、検挙率100%、冤罪率0%の社会が実現されようとしていた。
DNA捜査における重要な関係者が次々と惨殺される連続猟奇殺人事件を追う捜査一課の刑事・浅間玲司(豊川悦司)は、「特解研」に所属する天才科学者・神楽龍平(二宮和也)と出会う。
「特解研」所長・志賀孝志(生瀬勝久)の指揮下で数々の難事件を解決してきた彼は、現場に残されたDNAの情報から犯人の特徴や身元を特定できるDNA捜査システムにより、必ず事件は解決すると豪語するのだった。
しかし捜査が難航する中、同一犯と思われる手口によって、DNA捜査システム開発者である天才数学者・蓼科早樹(水原希子)が殺される。
懸命の捜査の末に発見されたわずかな証拠を解析した神楽だったが、その結果に愕然となる。
なんと、適合率99.99%の確率で容疑者として特定されたのは、神楽自身だったのである!
自らが育ててきたDNA捜査システムによって追われる身となった神楽は、最新のシステムの目を掻い潜って逃走する。
辣腕刑事の浅間が彼を追うことになるが、やがて神楽に隠された事実にたどり着き、「プラチナデータ」の真の意味が明らかになっていく…


究極の個人情報と言えるDNA情報。
秘密裏のうちに国が全国民のDNA情報を収集してデータベース化し、それを元に犯罪捜査検挙率100%を目指して、DNA捜査システムは開発された。
凶悪犯罪が頻発する中で検挙率が低迷し、しかも冤罪の可能性が常に指摘される現代の日本において、これらの問題をイッキに解決するシステムが開発されるなら、諸手を挙げて賛同する機運が生まれるのではないだろうか。
そしてその延長線上に、国民全員のDNAデータ収集もやむなしという世論が形成されかねない。

犯罪における犯人検挙率を向上させ、更には冤罪を無くすことができるという点においては、DNA情報の収集は有用であると言えなくもない。
しかし収集されたDNAデータは、権力者あるいは国家機関によって、いか様にも利用することができるという点を忘れてはならない。
それは即ち、DNA情報を活用して犯罪を抑止するという大義名分のもと、国民に対する管理の強化と抑圧が行われる危険性をはらんでいるということである。
そうして恐怖政治が創り出され、一握りの“特権階級”が圧倒的多数の一般市民から搾取し、凄まじい格差社会が広がっていくことになると言っても、決して大言壮語ではないだろう。
そんな我々一般市民にとって恐ろしい社会が、決して夢物語ではないと思わされて恐ろしい。

誰が何の目的で神楽を陥れたのか?
本当は神楽自身も気づかないうちに殺人を犯しているのか?
神楽の“もうひとつの顔”は切なく、「プラチナデータ」が持つ本当の“意味”に愕然となる、近未来娯楽ミステリー。


プラチナデータ
2013年/日本  監督:大友啓史
出演:二宮和也、鈴木保奈美、生瀬勝久、杏、水原希子、遠藤要、和田聰宏、中村育二、萩原聖人、豊川悦司

なぜ薄氷を踏まねばならないのか。

2013年03月13日 | 野球
【WBC】長野、復活5打点!阿部は1イニング2発!日本1位通過(スポーツ報知) - goo ニュース


日本の敵は慢心であると考えていたが、心配していた通りの展開になって愕然。
薄氷を踏む思いでようやく勝ち星を拾うことができた。
先制されながらもイッキに8点取って逆転したところで油断したのは間違いない!

2回裏に繰り広げられた猛攻は、阿部が1イニング2本塁打を記録するなど、2戦続けてオランダにコールド勝ちか!?とさえ思えた神がかり的な勢いだった。
その流れと勢いを続けられれば圧勝で終わることができたはずのものを、2試合連続の大量得点で気が緩みきったように淡白な攻撃に陥る。
追加点の気配が無くなっていくと同時に、じわじわと流れは日本から離れていく。
そして森福が登板したところでイッキに流れが傾いた。
先頭打者を歩かせてしまったところで完全に流れはオランダに。
中途半端な高さとスピードとキレの無い変化球をいとも簡単に弾き返され、打ち取ったはずの当たりがヒットになり、あっという間に2点を返され、オランダ・ペースにハマっていく。
続く8回に登板した山口も、昨季のタイガース戦で見せたようないやらしいほどのキレとスピードとコントロールは微塵も無く、あれよあれよという間に2点を奪われ、慌ててつぎ込んだ涌井も勢いに飲み込まれて失点。
気がつけば2点差にまで迫られた。

8回裏、先頭の中田が大振りを捨ててしっかり中前に弾き返してチャンスメイクするも、続く角中が送りバントを失敗したときには、まだまだ流れはオランダにあった。
代打稲葉もセンターフライに倒れたときには相当マズイ状況になった。
しかし角中が盗塁を成功させて試合を動かしたことで、再び日本に流れが傾き始めた。
オランダにバッテリーエラーが出た時点で流れは日本のものに。
2、3塁のチャンスを作ると、2回のツーベースで感覚を取り戻した様子の長野が、相手投手の執拗なカーブ攻撃にしっかり対応して2点タイムリー。
リードが4点に広がったことで、少し安心感が出た。

テレビ解説の桑田が、キャッチャーの相川は交代して出てくると必ず失点するという不吉なデータを紹介してイヤな空気を作りだしたが、牧田がなんとか抑えてゲームセット。
終わってみれば、オランダvsキューバ戦のような“どつき合い”の如き点の取り合いに。
2回の大量得点後、完全に日本勝利に傾いていた試合の流れを、むざむざとオランダに渡すことになったのはベンチの無策。
淡白な打線を引き締めることなく0点を重ね続けて何ら手を打つことが無かったのは、
「7点も点差があるねんから、あとはピッチャーが抑えて終わり」
と決めつけていたからではないか。
それはベンチの油断にほかならない。
その結果、福森、山口の不調で相手を勢いづかせてしまい、慌てふためくことになるのである。

それでも、選手たちが持つ高い地力によって、あれだけオランダに試合の流れが傾きながらも逆転を許さずに押し切ることができた。
典型的な結果オーライの試合。
ベンチワークのレベルの低さをカバーして余りある選手のレベルの高さには感動さえ覚える。
そう考えると今回の全日本チームの監督は誰がしてもいいワケで、采配のセンスは無いが、無類の勝負強さを誇る山本浩二が監督になったというのは、これまた結果オーライな天の配剤かもしれない。
試合後にチャーター便でアメリカに向かうという全日本。
阿部を中心に、稲葉、井端、鳥谷らが協力して、首脳陣は無視して選手たち自身でチームを引き締め直せば、三連覇の可能性は限りなく透明に近いブルー……もとい、限りなく100%に近づいていく。

日本の敵は我にあり。

2013年03月12日 | 野球
オランダがサヨナラ勝ち、侍と対戦へ…WBC(読売新聞) - goo ニュース


パワフルな強打が特徴の両チームによる試合は、“どつきあい”の様相を呈する打撃戦となったようだ。
8回にツーランで追いついたオランダが、その勢いそのままにサヨナラ勝ちを決めて、初の決勝ラウンド進出となった。

まさかキューバが負けるとは!
韓国の1次ラウンド敗退とともに、予想だにしなかった事態。
台湾も結局はエース王ひとりしか頼りになる投手がいないという選手層の薄さをさらけ出して敗退して、伏兵的な扱いだったオランダが勝ち残ることになった。
大方の予想が外れまくる大番狂わせが続いた今回のWBCにあって、日本だけは淡々と自チームらしい戦いをしてきた。
いわゆる“普段着”の野球ができたことが、ヒヤヒヤながらも勝ち残れた要因ではないだろうか。
自国での試合という、最大限のアドバンテージも一役買っていると言えるかもしれない。

バレンティンとジョーンズさえ徹底的にマークすれば格段に攻撃力が落ちるオランダ。
投手陣もハイレベルとは言い難く、どのバッターもこすっただけで入りそうなイメージのあるキューバに比べれば、倒しやすい相手であることは間違いない。
日曜日にコールド勝ちしたことも、更に全日本の勝利を後押しする。

しかし、オランダに対して格下と飲んでかかるのはまだしも、「楽勝♪」などとナメてかかったときは危うい。
侍JAPANにとって最大の敵は「慢心」である。
ライオンはウサギ一匹倒すのにも全力で襲いかかるもの。
もう一度コールド勝ちする気持ちで、決して油断することなく最終戦に臨んでもらうことを、希望します。
(某やんごとなきお方風)

あっさり

2013年03月11日 | 野球
【WBC】侍6発16点!マエケンも5回9K!7回コールドで米国切符(スポーツ報知) - goo ニュース


実に順当に日本がオランダを降して、アッサリ過ぎるほどあっさりと決勝ラウンド進出を決めた。
東京ドームならではの凄まじい“空中戦”…いや、戦闘になっておらず、日本が一方的に空中戦を制した形になった。
こういう一発対決となるとオランダの長打力はヤバいのではないかと心配したが、全くの杞憂に終わった。

“殴り合い”の試合になるには、両軍の投手が乱調もしくは低レベルでなければならないが、全日本の投手陣は世界一と言っていいレベルにあるのだから、“殴り合い”となれば一方的になるのは必定というもの。
しかも先発はカープの若きエース・マエケン。
彼に先制点を与えれば、余程のことがないかぎり勝ったも同然。
案の定というべきか、実に見事な投球で5回無失点。
それも66球という理想的なピッチングで、ブリブリ振り回すばかりのオランダ打線を見事に手玉に取った。

これでオランダは敗者復活を勝ち上がったキューバと再び対戦することに。
この試合でキューバが“正気”に戻ればオランダを撃破してくるに違いない。
そうなれば、これこそ全日本チームの力試し。
キューバを撃破して1位通過すれば、3連覇の可能性はグッと高まるのだが、果たして…!?

辛勝…

2013年03月09日 | よもやま
10回に中田が決勝犠飛!井端価千金同点打/WBC(サンケイスポーツ) - goo ニュース



今回も最後の最後で決勝の相手となるのではないかと思っていた韓国が1次ラウンドで敗退するという、予想だにしなかった大番狂わせで2次ラウンドに進んできた台湾とオランダ。
オランダがキューバを破るという、これまた超大番狂わせで始まった2次ラウンド。
相変わらず湿りきった打線は今日も完黙。
迎えた8回にようやく得点して同点に追いつくも、3イニング目まで引っ張った田中がまたも打たれて万事休すか!?
と思いきや、今大会絶好調の井端が執念の同点タイムリーで追い付き、最後は延長で田中翔が勝ち越し犠牲フライで初めてリードすると、9回からつぎ込んできた盤石の投手陣で台湾の反撃を許さずゲームセット。

勝ったから「イイ試合だった」と振り返れるだけの辛勝。
とにかく勝てばいいのだが、あまりにもしんどい勝ち方が続いて心臓に悪い。
打線が活発に打てていないのが最大の要因であるが、それでも負けないのは大したものと言うべきか。

ボロクソやな(笑)

2013年03月04日 | 野球
ノムさん、WBCは「イライラする」(サンケイスポーツ) - goo ニュース


ノムさんがおっしゃるとおり、“超格下”のブラジル、中国相手に辛勝の試合にはイライラさせられた。
圧勝してしかるべきはずのところを、どちらの試合もしんどい展開だった。

ことに田中の不出来にはガッカリ。
彼が春先は調子が上がらないのは織り込み済み。
立ち上がりが悪いのも百も承知であり、強化試合でも露呈していたにも関わらず、何らかの手立ては講じていたのか甚だ疑わしい。
立ち上がりが悪ければ試合前の投球練習の球数を増やすなどの工夫があってしかるべき。
ノムさんが東尾コーチのことをボロクソに言ってるが、これまた至極当然。
何も見てない、即ちコーチらしいことを何もしていないと言われても仕方なかろう。

まあ、各チームの主力が集まっているのだからコーチがとやかく言いにくいというのもあるだろうが、しっかりアドバイスすべきところは押さえてもらいたいもの。
阿部ひとりに首脳陣までがおんぶにだっこでは困るのだ。