面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ワイルド・スピード EURO MISSION」

2013年07月22日 | 映画
モスクワで重要機密が盗まれた。
犯人は、ロンドンに拠点を置き、元エリート軍人であるショウ(ルーク・エヴァンス)という男が率いる犯罪組織だった。
高いドライブテクニックで特殊車両を駆使し、強力な戦闘能力を持つ巨大組織に、警察は太刀打ちできない。
アメリカにもその魔の手が伸びることを危惧するFBI特別捜査官のホブス(ドウェイン・ジョンソン)は、一計を案じる。

リオの犯罪王から大金を奪い取り、優雅な逃亡生活を送っているドミニク(ヴィン・ディーゼル)の前に、宿敵であるホブズがやって来た。
犯罪組織を壊滅させるために、ドミニクに協力を要請に来たのだ。
思いがけない話を持ちかけられたドミニクは訝しがり、一度は要請を断るが、一枚の写真を見せられて衝撃を受ける。
そこには、死んだとはずの恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)が写っていたのだ。

元恋人が犯罪組織に関与していることを仄めかされたドミニクは、相棒のブライアン(ポール・ウォーカー)をはじめとするチームを召集し、ロンドンへと乗り込むと、ホブズに協力の条件を突きつけた。
自分達を“自由”にすること。

ドミニクは「世界一のチーム」を率いて、レティの“真相”を確かめ、ショウを追跡して国際的犯罪組織を壊滅し、チームの自由を手に入れるために、一大ミッションに立ち向かう……


圧倒的なスピード感と、高級車を惜しげもなく注ぎ込んで、他のカー・アクション映画の追随を許さない「ワイルド・スピード」シリーズの第6弾。
回を追うごとにスケールアップしていく…というよりはハデさを増していくが、今回は想像を遥かに超えたカー・アクションに度肝を抜かれた。
列車を駆使した前作も息を飲むばかりの迫力を楽しめたが、その上を行くアクションが待っていたのである。

度肝を抜かれた一つめ。
ハイウェイで激しいカーチェイスを繰り広げるのだが、その相手はなんと戦車!
元軍人だけに、高度に武装したショウの組織は、ドミニク達を倒すために戦車を全速力で走らせるのである。
しかもハイウェイ上で大砲をぶっ放すからむちゃくちゃだ。
それでも、あり得ないほど高度なドライブテクニックと、「そんなに高かったのか!?」と驚かされる身体能力で果敢に立ち向かう“チーム・ドミニク”。
しかし彼らはいいが(いや、良くもないが)、カーチェイスに巻き込まれる一般人はたまったものではない。
突如現れる戦車に踏みつぶされ、障害物と化した車に衝突し、カーチェイスを避けようとして壁に激突し、ハイウェイ上で阿鼻叫喚の世界が繰り広げられる
冷静に考えるととんでもない蛮行が展開するのだが、これをあげつらっては映画は楽しめない。

度肝を抜かれた二つめ。
なんと、敵は軍用の輸送機をも駆使してドミニク達を攻め立てる。
しかしその巨大な機体をものともせずに立ち向かう、飛行機を相手にしたカーチェイスは圧巻!
機体に引きずられて離陸されそうになりながらも、どうにかこうにか耐え忍んだ挙句に地面へと引きずり落とすわ、機体から飛び出して危機を脱するわ、さながらサメが巨大なマッコウクジラに群れを為して襲いかかるように、輸送機にアタックを繰り返す。
「滑走路どんだけ長いねん!?」という野暮なツッコミは封印して、純粋にハラハラドキドキを楽しんでいただきたい。


高級車を散々に蹴散らす豪快さではなく、戦車や巨大輸送機を相手にした、比類なきハチャメチャ度の高いカーチェイスは、大きなスクリーンでこそ堪能できるというもの。
劇場で画面の中に入り込み、疾走するドミニク達の車に自分も一緒に乗り込んで、スリルを存分に楽しむべし!

カーチェイスによるエンターテインメントを徹底的に追及した、アトラクション・ムービーの王道にして、ハリウッド大作の基本と伝統を忠実に踏襲した、正統派娯楽大作♪

次のカーチェイスはしかし、何を相手にする??


ワイルド・スピード EURO MISSION
2013年/アメリカ  監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター、タイリース・ギブソン、ガル・ギャドット、サン・カン、ルーク・エヴァンズ