面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ペントハウス」

2012年02月13日 | 映画
NYマンハッタンの超一等地にそびえる、65階建ての超ハイグレード・マンション「ザ・タワー」。
外観・内装・サービス・セキュリティ、あらゆる点で5つ星ホテルを上回る“セレブの城”は、タワー内の全てを管理・統括するマネージャー、ジョシュ・コヴァックス(ベン・スティラー)の微に入り細にわたる采配によって支えられていた。

「ザ・タワー」最上階のペントハウスに住む大富豪アーサー・ショウ(アラン・アルダ)は、居住者の中でも最もVIPな存在だったが、ある日、巨額の証券詐欺罪の容疑でFBIに逮捕される。
彼を尊敬していたジョシュは、裏切られた思いを抱いただけでなく、大いなる不安に駆られる。
なぜなら、タワーの使用人たちの年金の運用を、ショウに任せていたからだ。
そしてショウは、皆の“なけなしの財産”を私的に流用していたことが分かり、ジョシュは愕然とする。

自宅監禁を条件に、1000万ドルで保釈されたショウに対して、ジョシュは預けた資金について事情の説明を求めるが、ショウは謝罪するどころか返還する必要はないと開き直る。
そんな彼の態度に怒りを爆発させたジョシュは、リビングに飾られたフェラーリをゴルフクラブで叩き壊し、総支配人からクビを言い渡されてしまう。
「ザ・タワー」を追放されてしまったジョシュは、FBI捜査官のクレア(ティア・レオーニ)から、ショウが逃亡資金として用意していたはずの隠し金20億円が見つからないという情報を得る。
タワーの隅々まで知り尽くした彼は、ペントハウスの壁に埋め込まれた金庫に金があると睨んだ。
そして、コンシェルジュのチャーリー(ケイシー・アフレック)、新米エレベーター・ボーイのエンリケ(マイケル・ペーニャ)、ザ・タワーを強制退去させられたウォール街の負け犬フィッツヒュー(マシュー・ブロデリック)、幼なじみの泥棒スライド(エディ・マーフィ)、錠前職人の父親を持つメイドのオデッサ(ガボレイ・シディべ)とともに、ショウの財産強奪を計画するが…


ベン・スティラー、エディ・マーフィの二大コメディアンの初競演による娯楽復讐譚。
マンハッタンの超高級マンションを舞台に、最上階のペントハウスに住む大富豪から全財産を騙し取られたタワーの使用人たちが、財産を取り戻すために持てる知識とスキルをフルに活かし、難攻不落のペントハウスに潜入する。

いつも、コミカルでカッコ良くはないキャラクターを演じるベン・スティラーだが、本作では見違えるように(!?)“男前”な姿を見せて新鮮!
しかしその“男前”の裏に隠された秘密に気付けるかどうか。
クライマックス後におけるセリフのやりとりの中に隠れているヒントに、果たして気付くことができるか否か!?
このヒントに気付いたとき、最大にして最高のトリックを見破ることができる。
(ちなみに自分は見破り損ねてしまった…)


強烈過ぎる個性のぶつかり合いと、二重三重に仕組まれたトリックの解読が楽しい、極上のアクション・エンターテインメント大作!


ペントハウス
2011年/アメリカ  監督:ブレット・ラトナー
出演:ベン・スティラー、エディ・マーフィ、ケイシー・アフレック、アラン・アルダ、マシュー・ブロデリック