面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

祭の後。

2009年08月31日 | よもやま
選挙一色だった昨日。
民主党圧勝、自民党惨敗の状況を延々と映しだすテレビは、ひと足早い秋祭の様相を呈していた。

一夜明けた今日は、まだ祭の余韻が色濃いが、徐々に現実へと戻っていったとき、その反動が変な方向へ向かわないことを祈るばかり。
民主党が政権を握ったからといって、何もかもが劇的に良くなるわけがない。
それどころか、最初のうちはモタモタと、中々前に進まないことだろう。
その時に国民が、どれだけ我慢できるかが鍵になる。

モタモタが続けば今度は、民主党にしなだれかかるように味方していたマスコミが騒ぎ出し、民主党叩きに走る可能性も否めない。
その時、マスコミに踊らされるように国民があたふたすれば、せっかくの二大政権党による大正以来の「憲政の王道」も、復活・定着することもなく消え去ってしまうだろう。

民主党を選んだ日本国民は今、世界中からその政治的成熟度を試されているのではないだろうか。

「アイドルキラー」と言うか…

2009年08月30日 | ニュースから
無名OLが浅尾組に勝った/ビーチバレー(日刊スポーツ) - goo ニュース


アマチュアバリバリの素人コンビに、あっさりと負けてしまうようなところが、ビーチバレーの人気がイマイチ盛り上がらない一因ではないのだろうか。
逆にこれが、
「わたしらでも、浅尾組に勝てるかも!?そうなったら、テレビ出られるやん」
的な人々の心に火をつけて、ビーチバレーの一大ムーブメントが沸き起これば、ビーチバレー業界としては万々歳だが。


ブルータス、お前もか!みたいな。

2009年08月29日 | ニュースから
舛添氏「怠け者に税金使わぬ」発言 抗議受け弁明(朝日新聞) - goo ニュース


はい。言い方には十分気をつけてください。それもこの時期ですし。
麻生さんだけで十分な自民党なのですから。

と言って、別に自民党を擁護しているわけではありません。
ただただノンポリで自由を求めているだけの一小市民の戯言なだけですので、悪しからず。

てなことで、明日はいよいよ投票日。


「セブンデイズ」

2009年08月28日 | 映画
勝率100%と謳われ、マスコミからのスポットライトを浴びているシングルマザーの弁護士ユ・ジヨン(キム・ユンジン)。
木曜日:娘と一緒に運動会に参加するが、その会場で娘が誘拐される。
金曜日:警察と共に身代金を用意して犯人からの連絡を待っていたジヨンは、犯人の指示通りに振舞うものの、犯人からは取引中止を告げられてしまう。
土曜日:再び誘拐犯から連絡が来るが、突きつけられた条件は、翌週水曜日に二審が開かれる殺人事件の裁判で、被告の無罪を勝ち取れというもの。
被告は明らかに犯人と目され、時間的猶予の無い中で厳しい裁判に臨むことになる。
日曜日:被告のチョン・チョルチン(チェ・ミョンス)と面会するが、すぐには信用を得られない。
しかし、見るからに悪人の被告に憮然とするジヨン。
内心、忸怩たる思いも…!?
月曜日:ジヨンは、旧友のキム刑事(パク・ヒスン)の力を借りて事件を調べ、殺人は顔見知りの犯行らしいこと、被害者は麻薬を口にしていたらしいこと、凶器が発見されていないことといった事実をつかむ。
火曜日:殺人事件にもうひとり疑わしい人物が浮上、その人物の素性が大きな鍵を握るが、犯人から娘がアレルギーの発作を起こしたと連絡が入り、ジヨンは動転する。
水曜日:いよいよ二審が開廷。
殺人は顔見知りの犯行で被告は無関係という線で弁護を進めるものの、被告と被害者は顔見知りだったことが分かり、あえなく弁護方針が瓦解。
更に“もう一人の疑わしい人物”に絡んで、ジヨンに思いもよらない危機が迫り…

「シュリ」でトップスターとなったキム・ユンジンが、被告への疑念や、同じく娘を持つ母親として被害者の母親の思いに胸を痛めながらも、誘拐された娘を救い出すために危険を顧みず、手段を選ばずに見えない敵と戦い、凛として果敢に裁判に挑むシングルマザーを力強く好演。

息をつかせぬスピード感で展開する物語は、正に“ジェットコースター・ムービー”。
特に、もつれた糸が少しずつ解きほぐされていくように進む後半は、ワクワク感たっぷり。
ものすごくオーソドックスな“オチ”も用意されていて、微笑ましくもあったりして最後まで楽しめる。

ひたすらスクリーンに没頭すればいい、サスペンス・アクションの傑作。


セブンデイズ
2007年/韓国  監督・脚色:ウォン・シニョン
出演:キム・ユンジン、パク・ヒスン、キム・ミスク、チャン・ハンソン、チェ・ミョンス、イ・ラヘ、ヤン・ジヌ

野球はツーアウトから。

2009年08月27日 | 野球
中京、7度目の全国制覇…日本文理の猛追かわす(読売新聞) - goo ニュース


我が阪神タイガースも、よく9回ツーアウトから失点して逆転をくらうことがあるが、今年の“夏の甲子園”決勝戦は典型的な「野球はツーアウトから」の試合だった。
9回ツーアウトランナー無しから怒涛の連打を浴び、10点も取りながら1点差で試合を終えるとは、まさか中京の選手たちも思わなかっただろう。
最後の一打も痛烈なライナーだったが、サードの真正面を突いたから取られて終わったわけで、もうすこし三遊間の方へズレていたら、タイムリーになったに違いない。

社会人になってからずっとではあるが、今年もろくすっぽ試合を見ないまま、夏の高校野球全国大会は終わった。


まだまだ楽しい語録を。

2009年08月26日 | ニュースから
首相「金がねえなら結婚しない方が」 官房長官は釈明(朝日新聞) - goo ニュース


落語の中に、一人よりも二人の方がやっていけるもの、という意味のセリフがある。
所帯を持った方が、経済的に効率がよかったりするもの。
贅沢はできないものの、一人でいるよりもかえってやっていけたり。
大金持ちの麻生さんには、ピンとこないかもしれないが。


夏の甲子園

2009年08月23日 | 野球
いよいよ明日で、夏の風物詩である高校野球も終わり
今日の準々決勝では、話題の花巻東の剛腕投手・菊池は投げられず(正確にはまともに投げられず)、古豪・中京に大敗を喫して去っていった。

菊池が投げられなかったのは、前の試合で一塁に駆けこんだ際に野手に激突し、脇腹か背中を痛めたからだとか。
その前にも、本塁突入時に相手方キャッチャーと交錯して脇腹を痛めていたことがあったが、よくよく走塁がネックになる運命にあるらしい。
秋のドラフト会議では必ず指名を受けるだろうから、ぜひプロに入ってほしいものだが、プロ入り後は投球に専念して、激しい走塁は避けた方がよかろう

明日は、古豪対決勝戦初進出校の戦い。
老カイな投球を見せる新潟のピッチャーに対して、中京の打撃陣が今日の猛打の“後遺症”が出て大振りになると、優勝旗は初めて越後の地に入るかもしれない。
今年の大河ドラマも越後がメインだったこともあるし、ひょっとするとひょっとするかも

「精神」

2009年08月22日 | 映画
ナレーションやテロップによる説明や音楽などを一切入れず、ただ対象の映像を観客に提示する「観察映画」が特徴的な想田和弘監督。
その観察映画第1弾「選挙」では、とある一人の候補者の活動を追い、選挙運動の舞台裏を赤裸々に描き、ベルリン国際映画祭や香港国際映画祭、山形国際ドキュメンタリー映画祭ほかの国内外の映画祭に招待され、世界200ヵ国でテレビ放映されるなど、世界中から評価を受けた。

そんな想田監督の観察映画第2弾。
外来の精神科診療所「こらーる岡山」にカメラを入れ、院長の山本医師による診察場面や患者の独白、待合室での人々の交流や診療所スタッフの日常などの様子が、ナレーション・説明・音楽は一切無いまま、スクリーンに映し出される。

前日にオーバードーズを引き起こして病院に担ぎ込まれたという女性。
自分の中にはインベーダーがいて、その指令によって自分はいつ犯罪を犯すかもしれないという男性。
家族や周囲から精神的に追い詰められて混乱し、生後間もない子供を手にかけてしまったという女性。
高校時代に一日18時間勉強してぶっ倒れ、それ以来20年以上山本医師の診察を受けているという男性…
「こらーる岡山」に通院する患者達が“背負っているモノ”は重い。
画面を通してその重みが伝わってきて、目を伏せ、耳を覆いたくなることもある。

「被写体にモザイクをかけると、偏見やタブーをかえって助長する」と考えた監督は、素顔で映画に出てくれる患者のみにカメラを向けた。
患者は、顔も声もそのままに、あるがままの姿で登場する。
健常者と精神障害者たちの間にある“見えないカーテン”を取り払うことを目的とした強烈な“演出”である。
多くの健常者たちは精神障害者たちの世界を、自分たちには関係のないものとして処理してしまっていると言う監督に共感した。
ストレス社会と呼ばれる現代において、誰もが心を病む可能性がある中、精神疾患に対してタブーを抱くことは、逆に知らぬ間に自分自身を傷付け、自分を見失ってしまうことに繋がりかねない。

スクリーンの中に登場する患者たちは、健常者と何ら変わりない姿を見せる。
中には、暖かい写真を撮り、そこに心のこもった詩文を添えて冊子を作る人もいて、とても“病人”とは思えない。
何が「健常」で何が「異常」なのか、その境が分からなくなってくる。
患者として登場する彼らの行為には、自分の身に覚えのあるものもあり、彼我の違いは単なる認識の違いだけではないだろうかと思ったりする。
そしてそれは、今は「健康」である自分も、いつ「病気」となるか分からないことを示しているのではないだろうか…

自身の行動に対して指示を仰ぐ患者に対して、「あなたはどうしたい?」と問い直す山本医師の姿が印象的。
薬は、今現れている重い症状を緩和し、治療することには役立つが、精神疾患から回復し、“自分”を取り戻すためには、自分自身の意思が欠かせないことを示唆していて、目からウロコが落ちた思いがした。

08年の釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を、マイアミ国際映画祭で審査員特別賞を、そして香港国際映画祭で優秀ドキュメンタリー賞を受賞して4冠を達成。
ベルリン国際映画祭(09年)にも『選挙』に続き正式出品され、世界中で絶賛されているのも納得。
出口の見えない混乱が渦巻いているように思える今、目を背けるべきではない逸品。


「精神」
2008年/アメリカ・日本
撮影・録音・編集・製作・監督:想田和弘
出演:山本昌知(「こらーる岡山」代表・精神科医師)

映画『精神』公式サイト