面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

明らかな誤審に対する善後策について

2013年08月24日 | 野球
阪神 和田監督退場で一時選手、コーチ引き揚げる(サンケイスポーツ) - goo ニュース


スポーツニュースで見たが、確実にライトフェンスにバウンドした打球を平田が捕っている。
明らかな誤審だったが、一塁塁審からあれを判別せよというのはかなり酷な話かもしれないとは思う。
昔のように両翼の線審を復活させてはどうか?

そもそも、なぜ線審を置かなくなったのか、明確な説明がNPBからあったという記憶がないが、「統一球事件」と同根だとすれば根は深い。
確か人件費削減から、というような話を何かで読んだか聞いたようには記憶している。
線審を置かずにビデオの判定に頼る(今回のケースではビデオ判定にはならないが)というのは本末転倒な気がするのは自分だけだろうか。

まさかの訃報

2013年08月23日 | ニュースから
宇多田の元夫・紀里谷和明、藤圭子さん訃報に「言葉を失っております」(ORICON STYLE) - goo ニュース


正にその通りで、ニュースを知ったときは本当に言葉を失った。
自殺の可能性とのことで、何かいろいろ問題を抱えていたということだったのか?
宇多田ヒカルも相当ショックを受けたことだろう。
誰もが言葉を失ったであろう、大きな訃報がまたひとつ…

ただ冥福を祈るばかり。
合掌

「終戦のエンペラー」

2013年08月18日 | 映画
ポツダム宣言を受諾し、無条件降伏した日本に、連合国軍最高司令官総司令部を率いるマッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が降り立った。
彼は側近の中から“日本通”だったボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)の重用を決め、直ちに戦犯容疑者の逮捕を命じると共に、天皇(片岡孝太郎)の戦争責任の有無を調査するよう指示する。
連合国側は天皇を戦犯として裁くことを希望し、アメリカ本国からも天皇の処罰を要求されていたが、マッカーサーは天皇を処断することは、GHQへの反乱を引き起こすだけでなく、多くの自決者を出すことになり、日本が大混乱に陥ると考えていた。
そしてその混乱に乗じて、日本に共産主義が台頭する恐れがあるとも考えていたのだった。

かつて日本兵の心理について論文を書いたフェラーズはマッカーサーの意見に同意するが、それはたった10日間で果たさなければならないという困難を伴うミッションでもあった。
フェラーズは、自決する恐れのある戦犯容疑者の逮捕に直ちに取りかかると同時に、通訳兼運転手である高橋(羽田昌義)に、大学生の頃に出逢った日本人留学生・アヤ(初音映莉子)の消息を極秘裏に調べるよう指示した。
学生時代に恋人同士だったアヤは父親の急病で突如日本に帰国してしまったのだが、フェラーズはアジア方面に配属となった機会に日本を訪れ、再会を果たして愛を育んだものの、日米開戦によって再び仲を引き裂かれていた。
それ以来彼は、片時も彼女のことを忘れることはなかったのである。

まずは天皇の周辺人物を洗い出していったフェラーズは、未遂の自決でで生き延びた前首相の東條英機(火野正平)や、開戦直前に首相を辞任した近衛文麿(中村雅俊)に会い、天皇にとって相談役でもある内大臣の木戸幸一(伊武雅刀)が鍵を握ることを導き出して面会を申し出るものの、捕縛を恐れた木戸は現れなかった。
証拠となるものは何もなく、有力な協力者もないまま調査が行き詰ったフェラーズは、天皇の側近中の側近でもある宮内次官の関屋貞三郎(夏八木勲)に狙いを定めると、マッカーサーの命令書を楯にして強引に皇居へと乗り込む。
しかし関屋から得られたのは、開戦直前の御前会議で天皇が平和を望むことを意味する短歌を朗詠したという話だけ。
説得力のない証言に腹を立てて退出したフェラーズに、アヤが暮らしていた静岡が空襲を受けて大部分が焼けてしまった事実が知らされる。

天皇は開戦に関与していたのかいないのか。
確たる証拠は何もなく、全てがあやふやなことに業を煮やしたフェラーズは、戦犯として天皇を裁くことはやむを得ないと報告書を書き始めた。
そこへ突如、夜陰に乗じるように内大臣の木戸幸一が現れる。
そして木戸の口から、驚くべき事実が語られた…


日米開戦前の御前会議で、天皇は祖父である明治天皇の短歌を読んだという。
四方の海が静かに(平和に)各国とつながっていてほしいのに波立っている。
そんな意味の歌から、平和であることを希望するという意思が込められていることが汲みとれる。
イギリス王室同様に、「君臨すれども統治せず」を旨とする立場の天皇にしてみれば、最大限の意思表示と言えるが、「戦争はするな」という明確な指示にはなっていない。
しかし逆に、戦争開始を指示する命令でもない。
開戦に関する天皇の責任の所在は、確かにあやふやと言える。

ところが終戦前の御前会議において、閣僚の意見が降伏するか否かで半々に分かれたとき、天皇は明確に降伏を指示したという。
そして自らの意思で、「玉音放送」として有名な「終戦の詔勅」を録音したということは異例中の異例であり、その決意のほどがうかがい知れるというもの。
この終戦の決意が陸軍の一部の暴走を招き、皇居が襲撃されるという事件を引き起こすことになったのだが、過去の歴史を紐解けば、天皇が明確に意思表示をすることが自らの命を危険にさらす可能性があることは明白で、並々ならぬ覚悟のうえでの行動だったことが推し量れる。
終戦に至るプロセスから、「天皇」になるための覚悟の重さを改めて認識した。

翻って鑑みるに、今の日本において本当に覚悟を持って公人を務めるのは、天皇しかいないのではないだろうか。
実際に政治の表舞台に立っている閣僚をはじめとする政治家の中に、果たして天皇ほどの覚悟を持って臨んでいる人間がいるとはとても思えない。


天皇が開戦に関与したかどうかは不明。
しかし戦争を終わらせたのは天皇であることは明らかになった。
とはいえ、そのことを証明する確たる証拠となる物は何もない。
フェラーズは、記録の無い証言に基づく、推論でしかない報告書をマッカーサーに提出する。
それを受けてマッカーサーは、天皇と直接会談してその人となりを見て、報告書の“裏付け”とすることに決める。
日本文化に造詣の深い将校と、勇気ある決断のできるトップによって、日本の復興が支えられたと言える。

第二次大戦において天皇が、一部ではヒトラーやムッソリーニと並ぶ独裁者とみなされていた。
終戦にあたって連合国側が天皇を裁判にかけ、処刑することを望んだのも当然と言える。
これに対してマッカーサーは異を唱え、天皇の戦争責任を問わない道を探った。
たとえそれが、日本の占領統治を成功させることで大統領への道を切り開こうとしたという政治的な思惑があったとしても、我々日本人にとって英断だったことは間違いない。
そしてそのマッカーサーの決断を支えたのは、日本文化に通じ、日本人の心理を深く理解するボナー・フェラーズという将校。
かつて日本とアメリカが戦争したという事実を知らないという人々には特に、本作を観て知ってもらいたい。


第二次大戦で壊滅的な打撃を受けた日本が復興する礎となった史実を、ラブ・ストーリー仕立てのフィクションを巧みに交えて描く秀作。


これはあくまで私見であるが。
白黒はっきりさせ、明確に記録に残すことを当然とするアメリカにとって、日本の“曖昧模糊”とした文化は到底理解できないだろう。
東洋の中でも特殊な“異文化”を持つ日本に対して、アメリカは“理解”したのではなく「そういうものである」と“認識”し、観察を続けながら弱点を探り、自分達の都合のいいように操る方策を練り、時間をかけて仕掛けてきたのではないだろうか。
その結果が、今日の荒んだ日本を作り出しているように思えてならない…


終戦のエンペラー
2012年/アメリカ  監督:ピーター・ウェーバー
出演:マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ、初音映莉子、西田敏行、片岡孝太郎、羽田昌義、伊武雅刀、夏八木勲、中村雅俊、火野正平、桃井かおり

「少年H」

2013年08月15日 | 映画
戦前の神戸。
明朗快活で好奇心旺盛な少年・妹尾肇(吉岡竜輝)は、母親が編んでくれたセーターに大きく「H」と入っていたことから、「H」のあだ名で呼ばれていた。
Hは、洋服の仕立屋を営む父・盛夫(水谷豊)と優しい母・敏子(伊藤蘭)のもと、妹の好子(花田優里音)とともに、明るく元気に楽しく毎日を送り、好奇心いっぱいにすくすくと育つ。
誠実で腕のいい職人である盛夫は、神戸に滞在する多くの外国人から贔屓にされていた。
敏子は、日曜の礼拝を欠かさない敬虔なクリスチャンで、肇や好子に倒して時に優しく、時に厳しく、大らかに一家を支えていた。

幸せいっぱいの妹尾家にも、戦争の影がひたひたと迫る。
外国人が次々と母国へと帰り始めて盛夫の仕事も減ってきただけでなく、教会での礼拝に対して批難する声も大きくなっていった。
Hに洋楽を聴かせてくれた「うどん屋の兄ちゃん」(小栗旬)が政治犯として逮捕され、召集令状が来た映写技師の「オトコ姉ちゃん」が脱走して憲兵に追われる。
盛夫までもがあらぬ嫌疑をかけられて特高に連行されるに至った。
日に日に軍事統制が厳しくなり、自由に発言することも憚られる世の中へと変わっていく。

やがてHは中学に進学するが、軍事教練ばかりの毎日が続いた。
盛夫は召集は逃れたものの消防署に勤めることとなり、空襲が始まった神戸の街を忙しく走り回っていた。
敏子は「隣組」の班長になり、戦況悪化の折から、妹の好子は田舎に疎開することとなって、妹尾家の日常は激変していく。
ついに敗色濃厚となってきたある日、神戸は大空襲を受ける。
燃え盛る炎の中、敏子と共に懸命に逃げるH。
翌朝、消防活動から戻った盛夫を迎えるHだったが、焼け野原となった神戸の街の中、ただ立ち尽くすしかなかった。

敗戦を迎え、何もかも失ってしまったHたち。
家族四人、生き残って一緒に暮らせることは何よりも幸い。
突然大きく価値観が変わってしまった世の中だったが、一家は再び新たな一歩を踏み出していく…


「戦争とは、年寄りがはじめて、おっさんが命令し、若者が死んでいくもの。」
以前、何かで見聞きしたこの“戦争の定義”に大いに共感する。
そして戦争によって最も被害を被るのは、市井に生きる名もなき庶民。
戦争の色が濃くなるに連れて不穏な空気が漂い始めると、庶民はその“空気”に怯えるしかないのだが、中には“空気”に迎合して保身を図ることで不安を払拭しようとしているかのような者がいる。
やがて戦争が始まれば、働き手である夫や息子たちは戦場に送られ、残された家族も戦禍の中を命の危険にさらされ、庶民は不安に苛まれる日々を送らされることになる。
リベラルで平和に暮らす少年Hの一家を通して第二次大戦の実情が丁寧に描かれ、戦争の記憶を残しておくための記録映画としても意義深い。

厳しさを増す軍事統制下に、はばかることなく「おかしい」「間違っている」「なぜ?」を口にするH。
そんな息子に対して盛夫は、しっかりと現実を見つめることの大切さを説くと共に、家族が無事でいるためには、信仰や自分の考え、時には正義であっても自分の胸の内に収め、決して表には出さないことが大切であると家族を諭す。
多くの外国人と交流し、誰よりもリベラルな思想を持っているはずの盛夫だが、家族を守るためには全てを押し殺して生きていくことの重要性を肝に銘じる強さがあったからこそ、終戦直後の茫然自失となる状態からも立ち上がることができる、強い絆を持った家族を築くことができたのだろう。
戦争を通して描かれてはいるが、矜持を持ちつつしなやかに生きることの必要性を改めて思い知らされ、現代を生きるうえでも大切なことだと認識を新たにした。


また、神戸大空襲のシーンも、戦争の記憶を後世に伝えるものとして特筆すべき点。
轟々と燃え盛る炎の迫力はもちろんのこと、全て燃え尽くして一面瓦礫の原と化してしまった神戸の街並みに思わず息を飲む。
また、空襲時に空から降り注ぐ焼夷弾の描写も、過去に例を見ない生々しさが見事。
焼夷弾はモノに当たった瞬間や、上空で爆発するものと思っていたが、それだけではなく、地面に突き刺さって一瞬の間があってから爆発するものでもあるということを、本作で初めて知った。
残された当時の資料や体験者の話を丹念に取材して再現したとのことで、自身も戦争体験者である降旗監督の思いがひしひしと伝わってくる。


「事件記者チャボ」以来という共演を果たした水谷豊と伊藤蘭が、実際の夫婦であるということを超えて見事に役にハマっていることも、本作をより魅力的にしている。
「配役の妙」ということの重要性もまた再認識。

戦前から戦後にかけての神戸を舞台に、今までになく個別具体的に戦争の悲惨さ・愚かさを伝え、戦争に翻弄されながらもしたたかに生きる庶民の力強さに「希望」を描く、名匠・降旗監督の手腕が光る秀作。


少年H
2012年/日本  監督:降旗康男  脚本:古沢良太
出演:水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝、花田優里音、小栗旬、早乙女太一、原田泰造、佐々木蔵之介、國村隼、岸部一徳

「戦争と一人の女」

2013年08月14日 | 映画
太平洋戦争末期。
悪化する一方の世相に、店をたたむことにした飲み屋の女将(江口のりこ)は、常連客の一人である飲んだくれの作家(永瀬正敏)と同棲することにする。
元娼婦の女将は他の常連客とも関係を持っていたため、女将が作家と一緒になることに不満をもらす他の常連たちをよそに、憮然と酒を飲む一人の復員兵(村上淳)がいた。
その男は、中国戦線で右腕を失って帰還してきたのだが、戦場での体験がトラウマとなったのか、妻との間に“夫婦生活”を営めなくなっていた。

同棲をはじめた女将と作家は、連日昼夜を問わず互いの身体をむさぼるように求めあう。
作家は、戦況が悪化する一方の戦争に絶望し、ただ生きているだけのようになって酒をあおるばかり。
女将は、幼い頃に身売りされ、長年に渡って何人何十人何百人と男の相手をしてきたことが原因で不感症になっていたのだった。
お互いの心の傷をなめ、隙間を埋め合うように、二人は毎日身体を重ね続けた。

復員兵は、娘が男たちに乱暴されている場面に遭遇したとき、その様子を見て自分が激しく興奮していることに気づく。
そして、かつて戦場で現地の女たちに凄まじい乱暴をはたらいていた記憶が蘇った。
それ以来、街中で米の買い出しに向かう女性に、
「米を分けてあげる」
と声をかけては人里離れた山中へと誘い込み、強姦して殺害するという行為を繰り返していた。

やがて日本は終戦を迎える。
戦争によって深く傷ついた三人が、思わぬ形で再び交錯する…


「生きる」ことの証しとも言える「性」を、死や暴力との“抱き合わせ”で描きながら、戦争が引き起こす狂気を淡々と語る。
声高に「戦争反対」を叫ぶ「反戦映画」ならぬ、虚無的に戦争を厭う「厭戦映画」。
感情の起伏がほとんど現れない女将を演じる江口のりこの表情が、映画の全編に漂う虚無感を物語っていて印象的。

坂口安吾の小説を原作に、故・若松孝二監督の下で映画作りを学んだ井上淳一が監督した官能文芸ロマン。
暴力と性の描き方に、師匠譲りの作風を感じた。


よくある「反戦映画」とはまた違った角度から、戦争の虚しさを静かに訴えかけてくる。
憲法第9条の改訂が取り沙汰され、なんとなくキナ臭い空気が蔓延している昨今だからこそ観るべき小作品。

「ジジイが始め、オッサンが命令し、若者が実行する」のが戦争とは、誰の言葉だったか。
かつて日本がアメリカ相手に戦ったことを知らないという、イマドキの若者には特に、観て感じて戦争に嫌気がさしてもらえればと願う…


戦争と一人の女
2012年/日本  監督:井上淳一
江口のりこ、永瀬正敏、村上淳、柄本明、高尾祥子、大島葉子、酒向芳、川瀬陽太、佐野和宏、千葉美紅、牧野風子、大池容子、瀬田直、真田幹也、飯島洋一、牛丸亮、小野孝弘、草野速仁、福士唯斗、奥村月遥、奥村彩暖、Guillaume Tauveron、marron

大誤報

2013年08月09日 | ニュースから
気象庁「予想は過大、肝に銘じておわび」 震度7誤速報(産経新聞) - goo ニュース


そろそろ終業時刻が迫ってきた頃、職場内で一斉に携帯が鳴りだした。
みんな驚いて自分の周りにある携帯に目をやったが、それは大きな地震が発生する可能性を告げる「緊急地震速報」。
すわ!南海トラフの大地震が来たのか!?
一瞬、表情がこわばったが、待てど暮らせど大地が揺れる気配がない。
それどころか、大きな揺れの前にくる地鳴りさえ感じない。
あれ?

デスクに戻ってパソコンでgooのサイトにアクセスしてみると、奈良県で大きな揺れが発生したとの表記が、気象庁発表としてデカデカと出ていた。
さっきの警報はこれか!と思っていたが、奈良で大きな地震があったのなら、自分たちがいる大阪が、それも東部で全く揺れが感じられないとはどういうことか!?
詳細を見ようとサイトにアクセスし直してみると、さっきの報告がすっかり消えている。
「どうなってるんや?」と訝しく思っていたが、仕事が繁忙だったためにその後はすっかり忘れていた。

そして帰宅してみれば、世紀の大誤報だったという。
和歌山北部で実際に地震が発生していたが、同じタイミングで三重県沖約60キロに設置した海底地震計に電気信号が一時的に途切れる不具合が発生したための誤報であったとか。
「揺れが震源から約170キロ離れた三重県沖まで到達した」との誤ったデータを震度予想の計算に含めたことから、今回の騒ぎになってしまったのだとのこと。
めったにない事象のせいで大誤報が発生して、謝罪しなければならなくなった気象庁は気の毒と言える。

ちなみに「緊急地震速報」は、2地点以上の地震計で揺れを観測し、震度5弱以上の揺れが予測される地域と、震度4が予測される地域に発表されるものだということを今回初めて知った。
平成19年の運用開始以降、今回を含めてこれまでに137回発表され、観測した震度が2以下だった地震は33回目だとか。
…なんとも微妙な数字。。。