面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

世間の常識を押し付けてどうする。

2016年09月15日 | ニュースから
橋之助、京都の人気芸妓との不倫疑惑を謝罪「私の不徳の致すところ」


歌舞伎界は我々一般庶民とは違う世界。
一般人には無い才能を持つからこそ、感動的な演技を見せ、見事な舞を踊り、素晴らしい舞台を作り上げることができる。
そんな特殊な力を持った人間に、一般庶民のモノサシを当てて非難してなんとする?
我々とは異なる感覚を持ち、能力があるからこそ、芸術家は我々の心を打つ作品を生み出すことができるのであり、自ずとそれはいわゆる不道徳なことと結びつく部分もあるだろう。
詐欺の片棒を担ぐといった一般庶民を巻き込む犯罪行為や、脱税行為に走るといった国民の義務を怠る行為など、処罰の対象となるものについてはそれを受けることになるのは当然であるが、世間的には「不倫」と呼ばれるような恋愛をしたからとって別に構わないではないか。
いいオトナの男女がすることに、他人がとやかく言う筋合いはない。

橋之助は取材に対して、
「このたびは多大なるご迷惑をかけて申し訳ありません」
と“お約束”の謝罪を述べているが、いったい誰に迷惑がかかったのか?
迷惑がかかったとすればイヤな思いをした妻の三田寛子であり、彼女にだけ謝ればいい話だ。
そんな部分も含めての橋之助の才能であり、彼の舞台とは関係ない。
いや、その恋愛が彼の舞台に更なる色気を与えることになるやもしれないし、演技の艶を増すものになるのではないだろうか。

芸能には、人生におけるありとあらゆる経験が影響を与える。
酸いも甘いも噛み分けてこそ、その技芸に深みが出るというもの。
清廉潔白な伝統芸能に、面白味は無い。