きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

原子力行政の刷新へ

2011-08-05 10:59:34 | Weblog
原子力行政の刷新へ      (2011.08.05)

今回の福島原発の事故に対して、対応の遅れや、発表の遅れ、データーの隠ぺい等々の事から、国民の不信を招き、その責任を明確にするために海江田万里経産省は、経産省の松永和夫事務次官、寺坂信昭原子力安全・保安院長、細野哲弘資源エネルギー庁長官の3人を更迭する事を発表した。
混迷を続けている、原子力行政に大改革が必要と言われていた問題にやっと手を付けだしたと言う事である。
改革の目玉は、規制機関である保安院自体が経産省に付属している事から、なれ合いの構図が尾を引き、独立性の不足が問われていた問題で、IAEAからも指摘され国際的にも信頼を大きく失墜させたと言われている。従って、組織改編の方向は保安院を、環境省に新設する「原子力安全庁」(仮称)に機能を統合し環境モニタリングなど文部科学省が担当してきたものも一元化する構想で、来年4月の設立を目指すと言う物である。

また、内閣府に所属している、「原子力安全委員会」の位置付けも専門的な知見を生かして、助言・諮問機関「原子力安全審議会」として「安全庁」に置くことになる。

かくして、「安全庁」役割も今後は、事故発生の初動対応、事故調査・検証を担当し、廃棄物や、汚染土壌の処理、除染の実施、放射線医学総合所も所管し、取りあえずは福島での活動を重点的に行う事になる。

また、「安全庁」の幹部人事では、出身府省との関係を断つ「ノーリターン・ルール」を適用する事で、批判された人事交流に配慮した対応を取ることが謳われている。

海江田経産相は、人心を一新した改革を強調し、先入観にとらわれない思い切った改革を進めたと自賛している。
しかし、一方では、原子力行政に慣れない環境省に置くことに疑問視する声もあるが、今迄の、なれ合い組織の状況からは一歩進んだ改革として、前途を期待したいと思います。
(えびなたろう)

日立と三菱重工の経営統合

2011-08-04 11:17:29 | Weblog
日立と三菱重工の経営統合      (2011.08.04)

4日早朝のニュースとして、日立と三菱重工の経営統合が「基本的合意をした」と言うニュースが飛び込んできた。統合が実現すれば世界最大級のインフラ企業が誕生する事になり、国内製造業では、トヨタ自動車に次ぐ規模になる。

年間売り上げは単純計算で12兆円を超える規模で、事業領域は、原発等の発電設備、鉄道、造船、航空宇宙、電気、産業機械、情報技術(IT)等々である。詳しい事に付いては本日の午後発表されると言う事である。

三菱重工と言えば、此のところ、脚光を浴びている、LNG(液化天然ガス)の需要が盛んで、石炭に代わる化石燃料として、CO2排出量も少ないから、世界から注目を浴びている。それだけに、LNGガス専用のタンカーの注文が殺到し、この分野における、三菱重工の存在は世界の注目を集めている。

先日も新型LNGタンカー「さやえんどう」(エクストリーム)の設計を完了したと言うニュースが入り、形状が、従来船の様に球形タンクを外部に露出させず、カバーで覆い「さやえんどう型」で船体強度を確保した上、風の抵抗も少なく、タンクの配管や通路も、カバー内にあるから船への風圧抵抗も20~40%程度軽減でき、蒸気タービンも一回使用した蒸気を再利用すると言う新型で、燃費効率は従来比で20%向上するとの事である。

LNGタンカーは特殊な船舶で、液体天然ガスは比重も軽く0.5以下でメタンを主成分として、-161.5度C 以下でないと常圧下では液体とならないため、加圧タンクや断熱層を備え、原油の比重約0.85と比べてかなり軽いため船体に対する荷の体積が必然的に大きくなる。従って船体のシルエットも喫水線上の部分が大きく見える。また、超低温条件下でも船体構造材が脆性破壊を起こさない工夫や、火気に対する配慮も図る必要がある。

この様に今までの船舶と違った、仕様に耐えうる船舶技術に於いては、三菱重工の得意とする所である。タンカーの大きさは長さ288メートル幅49メートル深さ26メートル重さ13万8000トンで4基のタンクを搭載、運搬できるLNG量は15万5000立方メートルで、従来より8000立方メートル多く運搬できる。造船能力は年間4~5隻であると言う事です。
今回の経営統合を機会に、更なる発展を期待したいと思います。
(えびなたろう)

セシウム汚染は何処まで広がる

2011-08-03 12:14:18 | Weblog
セシウム汚染は何処まで広がる      (2011.08.03)

国の暫定基準を超える放射性セシウム汚染が続いている中で、政府は栃木県に対しても県内全域の肉牛の出荷を停止する指示を出した。福島・宮城・岩手に続いて4県目で関東では初めての事である。
また、島根県でも2日、県内で処理する肉牛の全頭検査を実施する方針を発表した。これ等も、全ては、福島原発の事故で、周辺農家から汚染した稲わらを購入して食べさせた肉牛である。更に全国へ波及する恐れを考えると、今さらながら、放射線汚染による被害の大きさには恐怖を感じざるを得ません。

汚染物質は主として、セシウム137と言う事であるが、チェルノブイリ原発事故でも土壌汚染の主原因になったもので、25年経った今でも立ち入り禁止区域が有る程の被害をあたえている。

今度の原発事故による被害もこれからの放射能被害の拡大が、どの様になって行くのかが問題であり、20キロ圏内は、立ち入り禁止区域になるのではないでしょうか。

「セシウム137」と言う放射能は、水溶性で、土壌との親和性が強く1度放出されれば土壌は非常に高いレベルの放射能汚染に晒されると言われています。

福島第1原発の格納容器は、メルトダウンで底に穴が空いていると言う事であれば、海水への漏水が相当な被害を海水に与えているのでは無いかと思います。近海の海水や海藻、魚類等は良く検査する必要があるのではないでしょうか。

セシウム137は天然のウランよりも桁違いに放射線量が強く、放射線半減期も30年と言われています。これらの危険物質に対して、現代科学の技術をしても何ら解決されていない現状では、「脱原発」は当然の事で、「原子力の平和利用」を口にする事すら出来ない事であります。
(えびなたろう)

原子力は平和利用出来ない

2011-08-02 12:45:41 | Weblog
原子力は平和利用出来ない     (2011.08.02)

今まで、原子爆弾と言う物が、広島市と・長崎市で使われ、非人道的な無差別大量殺りく兵器として、世界の人々がその威力に恐れ、オバマ大統領の「核の無い世界にしよう」と言う呼び掛けに各国が同意したのである。その一方で、原子力の平和利用に付いては良い事ではないかと、アメリカのニクソン大統領によって提唱され、「平和のためのエネルギー利用は、人類の新しい夜明けにつながるであろう」と述べ、国連のIAEAも原発への利用は認めてきた。

「平和利用」と言う言葉は、確かに素晴らしい言葉で、人間の科学的研究が人間生活に貢献するのであれば、誰もが賛成する事であり当然の事であると思う。
しかし、今回の福島原子力事故を通じて、明らかになったことは、原子炉が一旦、空焚き状態になって、炉心の溶融(メルトダウン)事故まで行くと、もはや“にんげんわざ”ではコントロールが効かないと言う事である。特にプルトニュームと言う金属は核分裂によって、有害な放射能を発散させ、これが、「大気汚染」「大地汚染」「海水汚染」を拡大し、人類の生命をも脅かす存在になってきていると言う事であえる。

我が国の今日まで、原子力大国としての位置付けは、単に原子力という物は“にんげんわざ”でコントロール出来る安全な物であると言う、所謂「安全神話」を信じていたからである。
なぜ「安全神話」なるものを今日まで信じていたのかを、検証してみると、先ず第一に日本は戦後「平和国家」として「原子爆弾を持たない事を宣言し」そのために「原子力の平和利用」に飛びついたのである。第二に化石燃料を使わずCO2の排出が無い事、第三に資源を持たない日本にとっては、願っても無いエネルギーの利用である事等々で、むしろこの分野で世界に貢献できる技術を持つことを、国是としたからである。

それが、福島原発事故後、4か月半その間次々と明らかになったことは、日本にも多数の原子力に対する専門家や学者がいて、当時から安全性に付いては問題が多く、危険な物である事が言われていたのである。なぜ、それが今になって新聞や、テレビで、言われるようになったのか疑問に思ったが、その真相が、多分に「原子力ムラ」なる「原発擁護のグループ」による活動が、当時の政権与党:自民党・電力会社・経団連・御用学者グルプ(東大・京大)・新聞各社(マスコミ)・御用評論家等々が中にいて、膨大な原子力に関する財源をバックに世論の空気を支配していた事が、明らかにされて来たからである。従って、「安全神話」は理屈なしに国民世論は洗脳されて来たのである。

聞くところによると、「原子力ムラ」の意向に反する人は「出世が出来ない」とか「圧力が掛かる」とか「生きてゆけない」とかいわれている。今の内閣のなかで、「発送電分離」や「脱原発」を唱える菅総理は、さしずめ「原子ムラ」の人から“目のかたき”にされているのではないでしょうか、「菅おろしは」それに繋がっているからで、答えは「発送電分離」が出来るか出来ないかで「隠れ原子力ムラ」の人々は明確に区別されるのではないでしょうか。
(えびなたろう)