きまぐれ発言

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日立と三菱重工の経営統合

2011-08-04 11:17:29 | Weblog
日立と三菱重工の経営統合      (2011.08.04)

4日早朝のニュースとして、日立と三菱重工の経営統合が「基本的合意をした」と言うニュースが飛び込んできた。統合が実現すれば世界最大級のインフラ企業が誕生する事になり、国内製造業では、トヨタ自動車に次ぐ規模になる。

年間売り上げは単純計算で12兆円を超える規模で、事業領域は、原発等の発電設備、鉄道、造船、航空宇宙、電気、産業機械、情報技術(IT)等々である。詳しい事に付いては本日の午後発表されると言う事である。

三菱重工と言えば、此のところ、脚光を浴びている、LNG(液化天然ガス)の需要が盛んで、石炭に代わる化石燃料として、CO2排出量も少ないから、世界から注目を浴びている。それだけに、LNGガス専用のタンカーの注文が殺到し、この分野における、三菱重工の存在は世界の注目を集めている。

先日も新型LNGタンカー「さやえんどう」(エクストリーム)の設計を完了したと言うニュースが入り、形状が、従来船の様に球形タンクを外部に露出させず、カバーで覆い「さやえんどう型」で船体強度を確保した上、風の抵抗も少なく、タンクの配管や通路も、カバー内にあるから船への風圧抵抗も20~40%程度軽減でき、蒸気タービンも一回使用した蒸気を再利用すると言う新型で、燃費効率は従来比で20%向上するとの事である。

LNGタンカーは特殊な船舶で、液体天然ガスは比重も軽く0.5以下でメタンを主成分として、-161.5度C 以下でないと常圧下では液体とならないため、加圧タンクや断熱層を備え、原油の比重約0.85と比べてかなり軽いため船体に対する荷の体積が必然的に大きくなる。従って船体のシルエットも喫水線上の部分が大きく見える。また、超低温条件下でも船体構造材が脆性破壊を起こさない工夫や、火気に対する配慮も図る必要がある。

この様に今までの船舶と違った、仕様に耐えうる船舶技術に於いては、三菱重工の得意とする所である。タンカーの大きさは長さ288メートル幅49メートル深さ26メートル重さ13万8000トンで4基のタンクを搭載、運搬できるLNG量は15万5000立方メートルで、従来より8000立方メートル多く運搬できる。造船能力は年間4~5隻であると言う事です。
今回の経営統合を機会に、更なる発展を期待したいと思います。
(えびなたろう)