きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日本は原発を輸出するのか。

2011-12-03 12:43:01 | Weblog
日本は原発を輸出するのか。        (2011.12.03.)

日本は国策で、原発輸出を促進するため、世界に働き掛けて来たが、3月の震災以来福島の原発事故から、すっかり安全神話が信用されず、菅総理もその時点で「原子力に依存する社会をなくそう」と言う考えを掲げた。国民も皆な同調して、「脱原発」を口にする様になり、ました。
しかし、今まで、推進してきた国策をここで一挙に「脱原発」に切り替える事には、大変な副作用が生じる事になる。国や、地方自治の体制までが、原発推進の為に色んな補助金が支払われ、それに付随した、いろんな仕事への恩恵を受けて来た人までもが、職が無くなる騒ぎまで起き、一挙に原発を止める事も現実問題として、電力不足問題も起こり、出来ない事に政府は最終目標として、脱原発ではあるが、その転換過程では、原発稼働もやむを得ないと「減原発」の考えを示したのである。

「減原発」の考え方にもいろいろあって、0~100%の間でのどの辺の考え方か、によっては人によって、大幅に考え方の違いが有る。
「脱原発」を100%主張する人は、実態の社会運営に対して、責任の無い人で、自分の思いをストレートに出して言えるが、実社会を運営している、政府や、自治体幹部、または国や社会を思う人は、混乱を恐れて、少しでも軟着陸で事を解決するべく「減原発的」考えが出来たのだと思います。
しかし中には、原発によって、利権を失う人は、いまだに何も減原発でなくても、今まで通り原発推進を唱える人もいると思う。「原子力ムラ」の人たちは、腹の中では、「減原発」の振りをしていても、全然、減じ様とも思っていないのではないでしょうか。
この様に「減原発」には殆どの人がこの幅に中に存在しているから、今の所、混乱なく野田政権は騙し騙し来ているのも幅が広いからだ。

所が、此処へ来て、日本に原子力発電への国際注文が来たのである。ベトナムから2基、ヨルダンなど4か国から原発輸出や原子力技術の供与の件で協定締結の話が来ている。
日本にしてみれば、注文は受けたいし、「脱原発」を最終目標に掲げる日本は注文を受ける事に「矛盾は無いのか」が問われる所である。
野田総理は「事故の経験や教訓、知見を国際社会と共有するのは我々の責務だ」と言っている。そうかも知れないが「脱原発依存」を掲げて居る事も事実だ。

国連(IAEA)では、今のところ「安全重視」ばかりを言っているだけで、輸出禁止は言っていない。ベトナムに関しては凄く親日的で、経験が豊富で、日本の技術に信頼を置いている事から、日本に発注を決めている。
昨日の衆議院外務委員会では、民主・自民の賛成で協定承認を可決している。
国際社会での受注OKに付いては「減原発」の考えの中でも推進派に近いパーセントで野田総理は受注に踏み切ったのだろう。何とも割り切れない矛盾を感じるが、いまの国際社会を乗り切るには、やむを得ないのかも知れない。
(えびなたろう)