~世界を変えたのは、妻であり、母であり、ひとりの女性だった~
2011年 イギリス映画 (2012.03.16公開)
第84回アカデミー主演女優賞獲得作品
配給:GAGA 上映時間:105分
監督:フィリダ・ロイド
製作:ダミアン・ジョーンズ
脚本:アビ・モーガン
音楽:トーマス・ニューマン
出演:メリル・ストリープ/ジム・ブロードベント/オリヴィア・コールマン
アレクサンドラ・ローチ/ロジャー・アラム/スーザン・ブラウン
<見どころ>
イギリス初の女性首相として強力なリーダーシップを発揮したマーガレット・サッチャーを、
メリル・ストリープが演じる人間ドラマ。1979年の就任以来、強気の姿勢でイギリスを導いて
“鉄の女”と称されたサッチャーの誰もが知る姿と、その裏に隠された孤独な一面を繊細に
描き出す。監督は、『マンマ・ミーア!』でメリルと組んだフィリダ・ロイド。サッチャーの夫を、
『アイリス』や『ハリー・ポッター』シリーズのジム・ブロードベントが演じる。
ハリウッドを代表する演技派女優、メリルの渾身の演技が見どころだ。
<ストーリー>
1979年、父の教えである質素倹約を掲げる保守党のマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)
が女性初のイギリス首相となる。“鉄の女”の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、
フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。
しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。
<感想>
11年間イギリスの首相に就いていたマーガレット・サッチャーのお話。
まだ存命している人の映画化にちょっと驚きましたが、「鉄の女」の異名で名の知れた
彼女に興味があったし、なによりメリル・ストリープが演じているから絶対見なくちゃ!と
思い、鑑賞して来ました。
とにかく、メリル・ストリープの演技は凄いです。
サッチャー女史にそっくりじゃないですか。(風貌・喋り方)
メリルはアメリカ人ですが、イギリス英語の発音もきちんと使っていたのにも驚きました。
ここまで女史になりきるのに相当努力さされたんだろうと思うのですが、やってることが
全て自然で・・・。熟練の成せるワザというべきなんですかね。恐れ入りました、の一言です。
そうそう、若き日のサッチャー女史を演じたアレクサンドラ・ローチの演技も素晴らしかったです。
彼女もどこかしらサッチャー女史に似てるんですよね。キャスティングうまいなぁ~。
映画の印象ですが、お話というよりは、ちょっとドキュメンタリー的な印象。
その中に、陰で支えてくれていた夫:デニスとの夫婦愛も描かれています。
サッチャー女史の業績についての良い面と悪い面を描き、彼女の「鉄の女」の中に
隠れている弱い面も織り交ぜて話が進んでいきます。
これを見て思うのが、真の政治家とは、茨の道であろうが、信念を貫き通すということ。
わが国の政治家に、こういう人は今いるのだろうか?
また、階級社会のイギリスで、身分の低いサッチャー氏が「低い階級」「女」といういくつもの
偏見と戦いながら、ここまで上り詰めたのは、並大抵の信念では出来ないことだと思います。
半ばドキュメンタリー調で、淡々と進行する中、デニスとの夫婦愛も織り交ぜてありますが
これが泣けてきます。
特に、プロポーズのシーンは、思わずグッときましたね。
あんな風に行ってくれる男性いたら、私もコロッとおちます、ハイ。
あと、最後のシーンもちょっとウルっと来ましたね。
鉄の女も、デニスの前では甘えることが出来た、本当に彼を愛してたんでしょうね。
あと、本編では印象に残るセリフもいくつかありました。
「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」
この言葉、深いです。
「あの頃は、何をするかが問題だった。 今は、力を得る事が優先している」
日本の政治家さんが聞いたら耳痛いでしょうね。
一見すると、家族を顧みていないように見えますが、思い出のある 真珠のネックレスを
肌身離さず付けていたり、 亡くなった夫デニスの幻影と過す姿、彼の遺品がなかなか
処分できない様子を見ていると、 なんだかんだ言いながらも彼女の心の支えは
家族であったんだろうと思いました。
淡々と話が進むので、面白い映画ではないですが、いい映画だったと思います。
ただし、メリルが演じたからここまでの作品になったのだとも思いました。
出来ることなら、86歳になるサッチャー氏に感想を聞きたいところですが
認知症を患っている現在、それが叶わぬのが残念です。
点数:7.5点 (10点満点)
双子のお子さんがいるのは知ってましたが、息子の
溺愛は、初耳でした。
2億円をつぎ込む・・・・日本じゃ考えられない^^;;;
確かに、いろんな番組を見てますと決してよい評価ばなりでもありませんでしたね。
孤独な面は彼女の"影"の面。あまり知られない部分 あるいは知られたくない、知る価値がない部分だってあるから・・・
ストリープ演技は さすが女性版デニーロと言われるほど役のリサーチ振り。彼女の演技にデニーロも認めるのも 当然だなと 思いました。
とある偉大な親を持つ七光り子ども特集で
サッチャーは 双子の息子と娘で 息子"マーク"を溺愛して "娘"キャロルは そっちのけのえこひいき愛情だったそうです。
息子のマークは甘やかし放題が災いしたのか
アフリカ大陸の 「パリ・ダカール レース」で行方不明になった際 サッチャー首相は あわてふためき、国家予算の日本円で2億円つぎこんで捜索したら レースを勝手にリタイヤして 砂漠の中 テント張って のほほんと待ってたそうです。 そして 母マーガレットに対し、
「SORRY、MOMMY」 (ママ、ごめんな~) と新聞の見出しになっちゃいました・・・・
アホ・・・・(><)
この騒動が きっかけで、イギリス中が マークのろくでなしぶりが表面化し、サッチャー首相にイギリス国内中から非難を浴びたんです。
育て方を間違えた サッチャーの汚点・・・
でも、そういうのも ひっくるめて "サッチャー"なんです。
やはり信念もって進めて行かないと政治家は
務まりませんね。
映画をみて改めて、サッシャー氏は“鉄の女”だったんだなぁ~と再認識しました。
>ところで、NAOさんは“鉄の女”ですか(笑)
“鉄の女”のように見えますが、実は“ガラスの女”です
いや、うそじゃありませんて
一国の主たるもの、批判はあっても、
やはりカリスマ的指導力が必要なもの。
現役時代のサッチャーはまさに“鉄の女”だったですね
でも、その陰でこういう別の人生があったということは、
あまり知られていなかったと思います。
ただ、僕はこの映画のメリルに、
その強い“鉄の女”を期待していた感がありました。
演技そのものはメリルだからこそできるものだと思いましたが、
映画全体としては思っていたほどの出来では
なかったように思います。
ところで、NAOさんは“鉄の女”ですか(笑)
政治色強い映画の宣伝になってますが
実際は、夫婦愛・家族愛を描いた作品のように感じました。
もしお時間あったらぜひ!
「訓示」にもってこいのセリフですね^^
いい言葉ですねぇ。
来週の「訓示」で使います。
そうですね、終わってみると私もその印象が強いです。
予告編では、もっと首相時代の話がてんこ盛りだと思いましたが
今のサッチャー氏が多かったですね。
それにしてもmayumiさん、かなりホームズのダメージが大きいみたいですね^^;
「クイーン」は確かに驚きましたよね。
日本では絶対ありえないことです。
日本もあってもいいかと思うんだけど、こればかりはムリなんでしょうね。。
夫婦や家族の映画... と受け取りました。
構成も、現在のマーガレットに 政治家としての場面が挟み込まれているので、
予告編や宣伝のイメージに囚われると、ちょっと違った印象を受けるかも。
この作品に限らず、先入観よりも スクリーンから来る絵や音を
真っ直ぐそのまま受け止めたいと思っているのだけど、
ちょっぴり『ホームズ』のショックにダメージを受けている私...
そうそう、存命中の映画化といえば、寧ろ『クイーン』が驚きだったヮ
日本で 今の皇室を映画にするなんて 絶対考えられないもの!!
存命中の朝ドラは いっぱいあるけどね