『アイ、ロボット』
I、ROBOT(2004年アメリカ)
監督 アレックス・プロヤス
脚本 アキヴァ・ゴールズマン
ジェフ・ヴィンター
原案 ジェフ・ヴィンター
出演 ウィル・スミス
ブリジット・モイナハン
ブルース・グリーンウッド
■ストーリー■
2035年シカゴ、人間とロボットが共存する近未来、巨大企業「USロボティックス社」でロボット工学の第一人者アルフレッド・ラニング博士が謎の死を遂げるのだった。ロボット嫌いのシカゴ市警の刑事デル・スプーナーは、旧知のラニング博士の死の捜査を始める。スプーナーはラニング博士が開発したNS-5型ロボット、サニーが事件に関わっていると疑うのだった。しかし、捜査に協力するUSロボティックス社のスーザン・カルヴィン博士は、ロボット3原則があるのでロボットが人間へ危害を加えることはあり得ないと言うのだった。
■感想■
アイザック・アシモフの短編集「われはロボット」をモチーフにしたSFアクション映画。
原作でなく「モチーフ」にした作品です。
原案は、脚本でも参加しているジェフ・ヴィンター。
原作があるのに、原案があるって、どういうコト??って感じですけど、一応、原作でアイザック・アシモフの名前とタイトルを使いたかったんでしょうね!!
アイザック・アシモフの原作が、どういう経緯で映画化作品として製作されたのかわからないですけど、主演がウィル・スミスになった段階で、今作は “頭使わない映画!!” になった!!って感じです。
監督が『クロウ飛翔伝説』(1994年)、『ダークシティ』(1998年)のアレックス・プロイヤス監督なんで、何とかかんとかギリギリ、観れる作品にはとどまりましたけど、ウィル・スミス主演の「毒」には勝てませんでした!
アレックス・プロヤス監督の力で、ただのジャンクフードっぽいハリウッドのメジャー作品には、何とかならなかったかも。イヤ、実はなってるかも…。
監督がアレックス・プロヤスですけど、製作者たちが、
“映画は頭をカラッポにして見ましょう!!ハリウッドのエンターテイメント!!”
って作品の製作者たちですからね。
ちなみに、製作はジョン・ディビス、ウィック・ゴッドフレイ、トファー・ダウ、ローレンス・マークです。とにかく色んな映画の製作をしてます。
ジョン・ディビスは『戦火の勇気』(1996年)、『ドクター・ドリトル』(1998年)、『エネミー・ライン』(2001年)等々製作してます。
ウィック・ゴッドフレイは『チャーリーと14人のキッズ』(2003年)、『ホワイト・プリンセス』(2004年)の製作。
ローレンス・マークは『アンドリューNDR114』(1999年)、『グリッターきらめきの向こうに』(2001年)を製作してます。
“受ける映画=正しい映画”
とすれば、それはそれで、この製作者たちの作る作品の多くが、ヒットしてるんで大正解なんですけどね。
誰にでも受ける万人向けの作品がキライってわけじゃないんですけど、あえて、アイザック・アシモフのSF作品を映画化するのに、こんな作品にしちゃうなんて!!
ちょっとオシイ気もします!!
そのうえ、主演がウィル・スミス!どうも「ウィル・スミス映画」って自分の好みじゃないんですよね。
それにしてもこの脚本はすごい!すごすぎる!!全然退屈しないんですけど、今作がSFミステリー映画なのか、SFアクションなのか、ドラマなのか、観てる方が混乱してわけがわからないうちに、気づいたときには終わっちゃいます!!
コレってまさに、ローラーコースタームービーって感じです!!“ローラーコースタームービー”って言っても、全然ホメてないですからね!!
その上、もっともスゴイところは、今作の1番重要なテーマの「ロボット3原則」についてなんですけど、
“ロボットは殺人を犯せるのか??”ってこの作品の最もかんじんなミステリーの部分のはずなのに、そのベースになっている「ロボット3原則」がプログラムを解除出来る設定になっているところ!!です。
ミステリーでもなんでもなかったです。ホントにただのエンターテイメントだったのね!!いくらでも面白くなりそうな作品だっただけに残念です。自分はエンターテイメント系映画が好きなので、今作の評価は甘いでけど。
まぁ、ポップコーンでも食べながら、ワイワイ楽しく見るには十分面白い作品ってことは確かです!! 50点
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