『ダンス・オブ・ザ・デッド』DANCE OF THE DEAD
監督 トビー・フーパー 脚本 リチャード・クリスチャン・マシスン
原作 リチャード・マシスン
出演 ジェシカ・ロウンデス、ジョナサン・タッカー、ロバート・イングランド
■ストーリー■
テロと戦争により、アメリカでは900万人が犠牲になっていた。町では犯罪が増える一方の時代、夫と姉を亡くしたペギーは母親とダイナーで生計を立てていた。そんなある日、ペギーは、町の外からダイナーにやってきたジャックたちのグループと知り合い、夜、外の町マスキートへドライブに行ってしまうのだった。
■感想■
トビー・フーパー監督、リチャード・マシスン原作の『ダンス・オブ・ザ・デッド』。
脚本は、リチャード・マシスンの息子のリチャード・クリスチャン・マシスン。ちょっと、原作を未読なので、原作とおりなのか、全然違うストーリーなのかわからないんですけど、今作も、45分くらいのエピソードを60分に延長させたような間延びした感じを少し受けちゃいます!
リチャード・マシスン原作だったら、いくらでも映像化向きのエピソードがあったろうに、なぜ、この話なの??他にも面白くなりそうな原作は、いくらでもあったでしょうに!
モラルが崩壊した、死者がモノ扱いされる世界を描きたかったんでしょうかネ??今作では、親子のモラルも崩壊してますけど、親子のモラルなんて、現実社会の今でも十分崩壊してますからネ!(日本だけ??)
トビー・フーパー監督も、今回は、ホラー映画よりもSF映画的な描写に興味あるのかも。トビー・フーパー監督って『悪魔のいけにえ』(74年)、『悪魔の沼』(76年)のイメージが強すぎるので、てっきりスプラッターホラーが得意分野と思われそうですけど、色々なジャンルの作品を撮ってますからネ。
スティーブン・キングの「呪われた町」の映像化作品の正統派の吸血鬼物『死霊伝説』(79年)や、イギリスが破壊されるSF超大作『スペースバンパイア』(85年)、往年のSF映画のクラシック作品のリメイク『スペースインベーダー』(86年)、人体発火を描いた『スポンティアス・コンバッション人体自然発火』(89年)と、実はかなり正統派のSF、ホラー映画の職人監督です。(あ、今回、“職人”はホメ言葉ですよ)
そんな、トビー・フーパー監督だから、ホラー映画というより、終末世界を描くSF系の作品を撮りたかったんでしょうネ~、多分!まぁ、活きてる死者(?)が出てくるんで、一応、ホラー作品のジャンルに入りますけど、今作は、SF作品のアンソロジーでも、十分通用するストーリーですからネ!
トビー・フーパー監督の熱狂的なファンは必見です!トビー・フーパー監督の手堅い演出で、モラルの崩壊した終末世界を堪能できます!でも、それだけといえば、それだけの作品かも??
まぁ、そんなわけで、トビー・フーパー監督のファン以外には、可も無く不可もなく、ごくごく普通のデキの今作です。平均点ですかね??