『フェーズ7超厳戒感染レベル』
(フランス映画祭2009題:『ミュータント』)
MUTANT(2009年フランス)
監督 ダヴィッド・モルレ
脚本 ダヴィッド・モルレ
ジョアン・ベルナール
ルイ=ポール・ドゥサンテ
出演 エレーヌ・ドゥ・フジュローレ
フランシス・ルノー
マリー=ソーナ・コンデ
■ストーリー■
夏過ぎに大流行したウィルスにより人々が大勢が死んだ。ウィルスに感染した人間は凶暴化し人喰いと化し人々を襲い始まるのだった。ノア基地だけが人々の希望となっていた。救急医のソニア・デュプレは恋人のマルコと軍人と救急車で感染エリアからの脱出を図ろうとしていた。しかし、途中立ち寄った建物の中で感染者にみえる患者を発見したことから3人で争いが起きてしまうのだった。
□■□ネタバレあり!未見の人は鑑賞後に!!□■□
■感想■
フランス製の“ウィルス”系のホラー映画。
正確には“ウィルス”系というより『28日後...』(2002年)以降流行の走る“ゾンビ”系のホラーです!
ヨーロッパフィルムフェスティバルでの上映時間は95分だったらしいんですけど、日本版は85分です!
なぜ??
なぜ、カット版なんでしょうか??
日本版の85分版でも十分面白いですけど、ちょっと気になっちゃいます!!
「すごく面白いです!」
未公開(正確には「フランス映画祭2009」で『ミュータント』のタイトルで上映されていますけど)の作品で、これくらい面白い作品に出会えると、ウレシクなっちゃいます!!
低予算の作品なんで、登場人物が少なく、舞台が限られた空間で描かれるので、被害の出ている町の状況が良く分からなかったりします。
まぁ、「被害状況は他のゾンビ映画を観て想像して!!」ってコトなんでしょうけど、そこ以外は良く出来てました!!
それにしても低予算です!
低予算と言っても、救急車1台に、ヘリコプター1台、銃が多数、大きな屋敷でロケとそれなりに制作費はかかってますけどね。
山奥の屋敷にウィルス患者が大量に走って襲ってくるシーンには思わずウキウキしちゃいました!!
「うわ~!ここから面白くなりそう!!」
でも今作のウィルス患者って、ゾンビじゃないから、銃で撃ったら死んじゃうんですよね!でも走ってくるから、かなり怖いです!!
生存者がいるのか、いないのか不明のまま終わる作品の多いこういう系統のホラー映画は多いですけど、今作の場合はちゃんとヘリコプターで軍人が助けにやってきます!!
途中でヒロインのソニアがウィルスに感染したマルコを倉庫みたいなところに閉じ込めるシーンがあるんで、最後の方でマルコが暴れだすんだろうなぁって思っていたら、本当にそうなっちゃいました。
ラストの方でヒロインのソニアがマルコに噛まれるシーンがあるんで、てっきりソニアも病気になっって、ノア基地でソニアが発病して暴れだして基地中、大パニックで終わるのかと思っちゃいました!!
病気には免疫を持っていても、マルコはソニアの血を輸血してるんで、てっきり違う生命体になっちゃって病気も変種したってことになるのかな??って勝手に思い込んじゃいました。
そうでなかったら、ソニアが感染してると思い込んだ軍人に撃たれて殺されちゃうラストなのかな??とも想像しちゃいました。
ライフルで撃った軍人に、そばにいた仲間が「グッドショット!!」って言うのかと…。
ゾンビ映画の多くがそうであるように、今作も悲劇的の終わるのかと思いきや、このラストにはちょっとビックリ!!
この展開は、まさに監督、脚本のダヴィッド・モルレに「想像したラストと違うんで驚いただろう??」って言われているみたいで気持ち良い終わり方です!!
こういう形で想像を裏切られるのは気分が良いです!!
ところで、冒頭、救急車でヒロインのソニア、マルコ、女性の軍人、ウィルス患者が乗っているシーンで始まりますけど、あれはどういうシチュエーションで軍人は乗り合わせたんでしょうね??映画が終わったあと、その作品について語り合うのが好きなフランス人が作った作品だから、そんなコト気になるなら、みんなで話し合ってね。ってことなんでしょうけど、ちょっと気になっちゃいました。
あと疑問点としては、ヒロインとマルコが女性の軍人と争うシーンがありますけど、あの争う原因が分からないです!もう病気のことは広く知れ渡っているんだから、あの軍人の行動は正しいって分かっているハズ!!
あの病気の男性はウィルスに感染していそうでしたもんね。まぁ、あそこで男性を殺して、誰も感染しないで3人で山奥の屋敷に行ったら、全然違う作品になっちゃいますけどね。 80点
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