多摩川雑学事典 by元林徹(文と写真)

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「芸術」をやたらとありがたがる時代があった…

2018-11-27 | Weblog
最近よくなったことに「芸術」をあまりありがたがらなくなったのがあります。
特に自分の若い頃は芸術崇拝の最盛期で、芸術家と言えば何か特別なことをやる進んだ人で、若き芸術家の悩みとかに本気で付き合っていた(人もいました)。

その一方でポップアートやナンセンスソングが出てきて、芸術はそんなにありがたいかという流れも。
ムンクの『叫び』や「ゲージツカ」をお笑いネタにするようにもなってきました。
変な言い方だが最先端の象徴だった「前衛芸術」の語も時代遅れに…。

話は難しくなりますが、芸術をありがたがっていたのは大正の頃からの新カント派哲学の影響では?
科学や道徳律はそれぞれ独自の価値を持ち自立性をもっているように芸術も独自の価値があるというような思潮です。


戦後まで続いた真善美追求や個人の自主独自性尊重の道徳観にもこの流れは受け継がれています。

しかしそんな理屈がついているから芸術はありがたいのではなく、そこに絵や音楽があるならそれだけのものでそれ以上でも以下でもない。
浮世絵のような日本の伝統絵画や芸能ではこのことがよく分かり、そちらの方が「芸術」に対する自然な接し方。

わけの分からない絵や小難しそうな音楽、そして「芸術家」をやたらありがたがらなくなったのは日本も成熟してきたからでは?

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