いすゞ自動車もGMと資本関係にあったのに今回株式売却話がないなと思っていたら、2006年に資本提携は解消し業務提携だけの関係だったんですね( こちら参照)。今回はその業務提携による北米向けの中古型トラックの売上減が響いたのでしょうか。
いすゞ自動車、派遣社員ら1400人全員の契約解除へ
(2008年11月19日(水)23:03 朝日新聞)
いすゞ自動車は19日、トラックやエンジンを製造する藤沢工場(神奈川県)と栃木工場で働く派遣従業員と期間従業員の全員計1400人の契約を12月末で解除することを明らかにした。契約期間が満了していない人には特別手当の支払いなども検討する。
群馬県太田市などのように最近は自動車工場の派遣従業員・期間従業員というとかなりの部分を外国人労働者が占めるので、今回も外国人労働者の失業・再就職問題が出るのではないかな、というのが最初の感想。
とするとこういう議論が出てきそうです
森永卓郎日本経団連の移民受け入れ策は亡国の政策 (Safety Japan 2008年11月17日)
どうやら日本経団連は、自分たちの経営が苦しくなっている本質的な原因をわかっていないのではないか。従業員の給料を減らしてしまったことが、不況の大きな原因であることを理解していないとしか思えない。
その根本を悔い改めることなく、いまだに移民を導入することで人件費コスト削減をもくろんでいるなどというのは、今回の景気後退を招いたことに対する反省がない証拠である。
批判の対象になった「人口減少に対応した経済社会のあり方」(2008年10月14日 (社)日本経済団体連合会)を読むと、確かに少子高齢化の中で(日本人のための)日本の経済システムを維持するために、という問題意識から出されたレポートで、外国人労働者を「外国人」として受け入れる以上は問題は解決しないように思います。
一方で自動車のように組立工程で労働力が必要な製造業では需要の変動に伴う雇用のバッファーは必要で、それが日本では期間工だしアメリカではレイオフという形を取っているわけです。
問題は日本人・外国人に限らず、期間工のような期間契約の従業員が、身分の不安定さとそれに対応する賃金に納得して雇用契約を結んでいたか、ということではないかと思います。
不況により結果的に職を失ってしまう人は気の毒ではありますが、それは経済政策の問題であり、分けて議論すべきではないでしょうか(アメリカのBig3のように従業員や退職者への医療保険や年金の負担が大きすぎると逆に「経営の失敗」と言われてしまうわけで・・・)。
とはいいながら、今後同様の事例が増えてくると、格差問題、非正規雇用(最近は厳しく取り締まられるのでなくなったであろう「偽装請負」問題)、外国人労働者問題とまぜこぜになって議論されそうな話題です。