一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

道州制と政令指定都市

2006-09-29 | まつりごと
安倍首相の政策方針として、「道州制を視野に入れた議論を進める」とのことです。(参照

※私自身「道州制」は今まで興味がなかったのでほとんど知識もなく、ほとんど脊髄反射的なエントリのため、とんでもない間違いがあるかもしれませんがご容赦を。


以前某省の役人から聞いた話ですが、東京都知事が影響力を持っているのは23区という政令指定都市の長でもあるので権限や予算規模が非常に大きいからだとか。
政令指定都市は自由度の大きい予算を別に組めるので、政令指定都市を抱える道府県は、都市部の美味しいところを政令指定都市に持っていかれてしまって、自分の財政は弾力性が乏しく(=歳出に占める義務的支出の割合が高い)政策の自由度は乏しいそうです(だから○○府知事は○山ノ○クでも・・・(以下自粛))。
※政令指定都市のメリットはこちらなどを参照


ちなみに都道府県と政令指定都市の予算規模(歳入・歳出額)を比較すると次のようになります。
※これもざっとググっただけなので、間違いがあればご指摘いただけると助かります

北海道 2兆7000億円 札幌市  8000億円
宮城県  5500億円   仙台市  4000億円 
愛知県 1兆3000億円 名古屋市 1兆円
大阪府 3兆円      大阪市  1兆7000億円
兵庫県 2兆円      神戸市 8000億円
福岡県 1兆5000億円 
   福岡市 7000億円 北九州市 5000億円


この状況で道州制を導入しても、政令指定都市をそのままにしていたら結局「道」や「州」の財政運営の自由度や行政の効率性は生まれないわけで、となると、道州制を引くということは、国に対しては地方分権を意味する一方で、政令指定都市に対しては中央集権を意味することになるのではないでしょうか。

政令指定都市の長(および公務員)がおいそれと権利を手放すとも思いませんし(仙台や広島のように合併して「悲願」を達成したところなどは尚更ですよね)、そうなると地域レベルにおける都市部と周辺部の予算配分をめぐる争いが勃発しそうな感じがします。


こんな議論はとうの昔にされているのかもしれませんが、今回唐突に「道州制」が出てきたもので、そのへんはどういう風に整理されているのかと思った次第です。
(札幌、福岡など各地方での「ひとり勝ち」している政令指定都市への批判が起こることで「一極集中」への非難が軽減する東京都知事が一番喜んでいるかもしれませんね)
コメント
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