今朝(13日)各テレビ局で(NHKですら)ジダンの記者会見を取り上げていました。
会見の内容はフランス在住の猫屋さんのblogをご参照ください。
そこでBBCが読唇術の専門家を使って分析した、という話があり、BBC Newsを見たところ、ジダンの記者会見の記事の中に以下の囲み記事がありました。
WHAT WAS SAID?
BBC Radio Five Live asked a deaf lip reader to read Materazzi's words phonetically to an Italian translator: She deciphered the insult as being "you're the son of a terrorist whore"
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The BBC's Ten O'Clock News called in experts to study the television footage who said: Materazzi told Zidane to "calm down" before accusing him of being a "liar" and wished "an ugly death to you and your family". This was followed by "Go f*** yourself"
(この2つを、それぞれいつ言ったのかはわかりませんが、後者は下品ではありますが差別的ではないようにも思いますけどねぇ)
確かに移民2世としてマルセイユで生まれ育ったジダンは、昔から人種(移民)差別に曝されていて、非常にセンシティブになっている、ということはあると思います。
でもそもそもジダンをそういう風にしたのは、フランス人自身ではないでしょうか。
コップを溢れさせた最後の一滴がマテラッティの言葉だとしても、だからといって責任をすべて彼に押し付けたり、「イタリア人は汚い」(これも差別じゃないのかな?)というのはおかしいと思います。
結局フランス人は、自分たちが移民を差別してきた歴史のツケを、ワールドカップの決勝でのエースの退場とそれをきっかけとする敗退という形で払っただけではないでしょうか。
確かにジダン個人に対しては共感すべき部分もあると思います。
本人は退場(による非難)のリスクをとったわけですから。
しかし、もしこれを「差別問題」とするのであれば、国際問題でもサッカー界の問題でもなく、一義的にはフランス国内の問題なんじゃないかと思えてきました。
PS
これはジダンだからここまでの問題になったので、たとえばイランの選手がイスラム教を侮辱されたりテロリスト呼ばわりされて暴力を振るったら、欧州のマスコミは「やっぱりなぁ」なんて論調になってたのではないかなどと思います。
また、日本選手も実はプレイ中にけっこうひどいことを言われてたんだけど、中田以外は言葉がわからなかっただけだったりして・・・
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(TBさせていただいたところへのコメントをしながら考えた事を追記)
マテラッティの発言の差別性を強調してジダン(またはフランス)の正統性を強調するというのは、構造的には(フランスが批判した)ブッシュ政権のイラクに対する大量破壊兵器疑惑を理由とした武力行使のロジックに似ているようにも思えます。
または、ジダンが被害者であることを強調するスタンスは、靖国問題(≒「日本も戦争被害者」というロジック)と通じるものもあるような・・・