日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

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貴重な遺跡群を湖底に沈めていいのか~八ツ場ダムシンポ開催

2012年09月23日 | 旧ブログから

「ほんとうに造っていいんですか?八ツ場ダム」シンポジウムが22日、高崎市で開かれ、妻と参加してきました。八ツ場あしたの会の主催で、200人近く集まりました。
第1部のシンポジウムでは、考古学者の勅使河原彰さん、作家の森まゆみさん、慶応大学名誉教授の川村晃生さんが登壇。ダム水没予定地から縄文時代や江戸時代の多数の遺跡が見つかり、特に、天明3年(1783年)の浅間の大噴火で泥流に埋まった屋敷跡の残る東宮遺跡は、その被害や山村の豊かな暮らしを示すものとして大変貴重で、地域全体が博物館になるほどの価値があることが強調されました。「先人たちの苦労に敬意を表するとともに、将来の世代の選択権まで奪ってはならない」と、遺跡群をダムの底に沈めることに強く反対しました。
また、群馬県が2015年末までの埋蔵文化財調査費を総額130億円と積算したのに、国交省側が98億円の枠内にと突っぱねていたことも明らかに。ダム建設への影響を恐れて、国が遺跡発掘調査に後ろ向きであることが浮き彫りになりました。さらに、調査面積を当初は57万平方メートルとしていたのを、遺跡の発見が相次いだことから、136万平方メートルに拡大。少ない予算の中で、県教育委員会側が四苦八苦している様子も、開示資料を使って明らかにされました。
第2部では、伊藤祐司県議の質問に、地質専門家の中山俊雄さんと、水問題研究家の嶋津暉之さんが答える形ですすめられました。
奈良県・大滝ダムや埼玉県・滝沢ダムの地すべり例、八ツ場ダム予定地周辺での相次ぐ土砂流出にもふれながら、周辺の地質状況や代替地の安全性、地すべり対策の問題点などについて解明。ダム湛水によって危険性が増すことに警鐘を鳴らしました。
こうした問題に目をつむり、なにがなんでもダムを推進しようというのは、原子力ムラ=原発利益共同体と同じように、住民の命や安全は二の次で、ムラ社会の目先の利益しか眼中になく、日本の文化や歴史をないがしろにするものであると厳しく指摘しなければなりません。負の遺産となる八ツ場ダムは、絶対につくってはなりません!

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