2014年第1回定例会が19日に閉会となりました。今回は当初予算の他、2月の豪雪対策などを盛り込んだ187億円の予算が追加提出されました。日本共産党は、コンベンション施設建設などが含まれている2014年度一般会計予算(1号)などには反対し、補正予算に賛成しました。1号議案については伊藤議員が反対討論を行い、私はその他の議案と請願について反対討論しました。10分という制限時間の中ですべて盛り込むのはなかなか難しいですが、消費税増税中止、集団的自衛権行使にむけた解釈改憲反対、憲法守れ、秘密保護法廃止、日米合同演習反対、労働法制改悪反対など国政問題とともに、県行政改革大綱や教育振興基本計画などについて、県民の立場できっぱり反対を貫きました。
コンベンション施設の建設については、リベラル群馬などから「修正案」が出され、本会議で質疑・討論が行われました。自民党からも「一から検討すべき」と慎重論が出されるなど、計画に黄色信号がともりました。今後も住民運動と連携しながら、無謀な計画の見直しを求めて奮闘していきます。
<各議案と請願に対する反対討論>
日本共産党県議団の酒井宏明です。通告してあります各議案および請願についての委員長報告に反対する討論を行います。
第6号議案、用地先行取得特別会計には、コンベンション施設建設を前提とした高崎競馬場跡地の民有地購入が含まれており、同計画の見直しを求める立場から反対いたします。
第15号および37号は、県職員や学校教職員の給与削減につながるものであり、賛成できません。
第17号ほか消費税率引き上げに伴う料金改定に関する各議案についてです。反対理由はわが党の伊藤議員が先ほどのべた通りですが、そもそも消費税の大増税は「財政再建のため」でも、「社会保障のため」でもなく、大企業減税と巨大開発、軍拡予算に流し込むことが真の狙いであることは明瞭であります。論拠が総崩れになった消費税増税をきっぱり中止するよう強く求めます。
第27号、障害者福祉施設のサービス管理責任者について、すべて非常勤を認めるという改悪であり、認められません。
第35号は、公立高校の授業料徴収を原則的に復活させ、一定の収入額未満の世帯には就学支援金を支給し、授業料と相殺するというものです。世界の趨勢は学費の無償化であり、本議案には反対です。
第36号は、県立市町村立の教職員定数を合わせて66人も削減するものです。削減しなければ、子どもたちや父母、教職員の願いである30人学級を前進させることができます。安易に削減すべきではありません。
第42号は、県行政改革大綱についてです。「仕事の仕方」の改革と称して「民間ノウハウの活用によるサービスの質的向上」などをうたっていますが、本来、公共サービスは、社会福祉、教育、労働者保護など、人権保障のために獲得されてきたものであり、経済力の格差を緩和して住民の実質的平等を保障することにあります。ところが、今日の財界主導による「自治体民営化」論、アウトソーシングの促進は、行政の役割を縮小し、公務員を減らすことを通して、行政の社会的弱者へ奉仕する機能をいっそう低下させるものです。こうした「自治体民営化」、アウトソーシングの流れに歯止めをかけることこそ喫緊の課題であり、本「行政改革大綱」には反対です。
第45号、歯科口腔保健推進計画について、条例では「必要により希望者に対して行う」としているフッ素化合物の塗布について、その危険性への認識が欠落しているだけでなく、数値目標まで示して推進しようとしていることは問題であり、反対です。
第48号、教育振興基本計画についてです。国連・子どもの権利委員会は日本政府に「高度に競争的な教育制度」が、子どもたちにストレスを与え、成長発達に障害をもたらしていることを厳しく指摘し、その改善をもとめていますが、依然として古い競争教育にとらわれたままです。本計画でも、全国学力テストの正答率アップを数値目標として掲げていますが、こうした競争教育が、子どもたちを勉強嫌いにさせ、人間関係をつくる力をなえさせ、自己肯定感を傷つけています。上からの目標で、学校と子どもたちをがんじがらめにするような計画を認めるわけにはいきません。
その他の議案については、かねてからの理由により反対です。
次に請願についてです。
産経土木33号から35号について、呼び込み型の企業誘致では地域経済の活性化には結びつかず、自動車優先・道路偏重の交通施策を根本的に見直すことこそ求められており、本請願の採択に反対です。
同39号、協同労働の協同組合法の制定を求める請願は、継続でなく採択を求めます。
同40号は労働者保護ルールの改悪反対を求める請願です。安倍政権は「世界で一番企業が活躍しやすい国」のスローガンのもと、正社員にも非正社員にも不安定雇用を広げ、賃下げと労働条件悪化をもたらす雇用大破壊の逆流を押し付けようとしています。不当解雇であっても企業が金さえ払えば労働者をクビにできる「解雇の金銭的解決」の制度導入や、仕事内容や勤務地などが限定され、クビにしやすい「限定正社員」制度など解雇自由の規制緩和が狙われています。さらに一定年収以上の労働者の残業代をゼロにする「ホワイトカラーエグゼンプション」を導入しようとしていますが、これらは労働者の生活と権利を破壊し、日本社会の総ブラック企業化をすすめるものであり、断じて認めるわけにはいきません。よって本請願の採択を強く主張します。
総務企画39号は、憲法改定を求める請願です。昨年の臨時国会で、安倍政権は国家安全保障会議(日本版NSC)法や秘密保護法を強行しました。さらに、クーデター的なやり方で内閣法制局長官の首をすげかえ、集団的自衛権行使への解釈改憲を強行しようしています。集団的自衛権は、自衛とは無関係な、大国による無法な侵略戦争、軍事介入の口実に使われてきました。その狙いは、従来の海外派兵立法の歯止めを取り外し、自衛隊が戦闘地域まで行って、米軍とともに戦闘行動ができるようにすることにあります。解釈改憲で集団的自衛権の行使容認に踏み出し、次に明文改憲によって、9条そのものを葬り去る―こうした暴走は、アジア諸国から警戒されているだけでなく、米国の中からも懸念の声があがっています。世界に誇る憲法の全条項を守り、生かすことこそ行政の責務であり、本請願の不採択を求めるものです。
同40号は、秘密保護法の廃止を求める請願です。秘密保護法は、国民の目と耳と口をふさぎ、国民の知る権利や表現の自由をおびやかし、日本国憲法の基本原理を根底からくつがえす稀代の悪法です。日本を戦争する国につくり変えるために、国家が強権的に情報を統制し、国民の言論・表現を抑圧することを目的にしています。秘密保護法は不要なだけでなく有害です。一日も早く廃止しなければなりません。よって、本請願の採択を強く求めます。
同44号、日米共同演習の中止を求める請願です。2月下旬から3月上旬にかけて、新潟県関山演習場と群馬県相馬原演習場において、日米合同軍事演習が反対世論を無視して強行されました。特に相馬原では2機の米軍の大型ヘリCH53を使用したヘリボン訓練が実施されました。これは沖縄の負担軽減どころか、全国に危険な訓練を拡大するものにほかなりません。今後もこうした日米合同軍事演習が繰り返されることを考えれば、その中止を求めることは、県民の切実な願いであり、採択を求めます。
その他の請願については、かねてからの理由により、委員長報告に反対です。
以上をもって、私の反対討論といたします。